團十郎 ベネチアで見え切った 歌舞伎衣装でレッドカーペット 新之助と父子で初の海外映画祭
歌舞伎俳優の市川團十郎(48)、市川新之助(13)が3日(日本時間4日)、第83回ベネチア国際映画祭のレッドカーペットに登場した。父子の襲名披露の舞台裏に密着した「襲名」(監督三池崇史、25日公開)がアウト・オブ・コンペティション部門に出品。團十郎はレッドカーペットに歌舞伎衣装で登場し、世界の映画ファンに向けて見えを切った。
團十郎は海外映画祭初参加。新之助は欧州渡航自体初めてだ。「父も関わる作品で、そこに孫にあたる新之助も一緒に来ることができるというのはご縁がある」と團十郎。新之助も「初めて出演させていただいた映画で、ベネチアに来させていただくのは凄く貴重な機会」と語った。
「男伊達花廓(おとこだてはなのよしわら)」の扮装で、三池監督らと居並ぶカメラの前に現れた。同作は江戸一番の男伊達、御所五郎蔵を主人公とした舞踊演目。團十郎が襲名興行で上演した演目でもある。「成田屋」と書かれた特製和傘を差し、背中に尺八を背負い、見えを切った。
衣装は「助六」「勧進帳」など歌舞伎十八番の演目も候補だった。「ぱっと見は分からないけどよく見ると格好良いというような、日本の奥ゆかしさや文化の良いところが、着物に描かれた竜の墨絵や、市松模様の帯からも伝えられる」と、あえて五郎蔵を選んだ。
ベネチアは團十郎にとって、2013年に亡くなった父十二代目市川團十郎さんとの思い出の地。妻の小林麻央さん(17年死去)と新婚旅行で訪れたのもイタリアだ。「街を歩いていると父のことや、あとは妻と新婚旅行でイタリアに来た時のことをいろいろと思い出しながら時を過ごしています。妻とは一緒に泥温泉に行ったり、レストランでイタリア語で注文したりと、懐かしい思い出がたくさんある」と最愛の2人に思いをはせた。
三池監督は「みんなにとにかく團十郎、新之助を目撃してもらう。それがこの作品の自分にとってはテーマ」と語る。その言葉通り、イタリアの地で團十郎父子が歌舞伎の歴史に新たな足跡を刻んだ。

