元銀行員が見た「投資で成功した40代男性」の末路。多額の借金を抱え、破産に至った“絶対にやってはいけないこと”
そう思っている方もいるかもしれません。
しかし銀行員として約20年間、多くのお客様のお金に関する相談を受ける中で、私が目の当たりにしたのは少し違う現実でした。
忘れられないのが、投資で大きな利益を出したことをきっかけに、次第に投資額を増やし、最後には多額の借金を抱えてしまったお客様です。
始まりは「失敗」ではありません。むしろ、「成功」でした。
◆「こんなに簡単に儲かるのか」最初の成功が人生を狂わせた
銀行員時代、投資について相談を受けた40代のお客様がいました。
会社員として安定した収入があり、もともとは投資に積極的なタイプではありませんでした。ところが、余裕資金の300万円ほどで株式投資を始めたところ、相場にも恵まれ、半年ほどで100万円近い利益が出たのです。
「こんなに簡単に儲かるなら、もっと早く始めればよかった」
当時、お客様は嬉しそうに話していました。
しかし、この成功をきっかけに投資への向き合い方が変わっていきます。
300万円だった投資額は500万円、800万円……と増えていきました。さらに短期間で大きな利益を狙うようになり、値動きの激しい銘柄やFX、仮想通貨にも手を出すようになりました。
最初に100万円近く儲かった経験が、「自分には投資の才能がある」という自信に変わってしまったのです。
投資で怖いのは、損をすることだけではありません。
最初にうまくいったことで、自分が許容できるリスクを見誤ってしまうこともあります。
このお客様の場合、それが後に大きな損失へとつながっていきました。
◆損失を取り戻すため、借金してまで投資につぎ込んだ
相場はいつまでも思い通りには動きません。
ある時から保有していた銘柄が下落し、FXや仮想通貨でも損失が重なりました。800万円近くまで増やしていた投資資金は、短期間で大きく減っていきました。
本来なら、ここで投資額を減らすという選択肢もあったはずです。
しかし、お客様が考えたのは逆でした。
「もう少し資金があれば、取り戻せる」
最初は預貯金から追加でお金を入れました。それでも損失が膨らむと、今度はカードローンや消費者金融などで借りたお金まで投資に回すようになったのです。
100万円を失えば、100万円を取り戻したくなる。さらに損失が200万円、300万円と膨らむほど、「ここでやめたら損が確定してしまう」という気持ちが強くなっていきました。

