血糖値が気になる人は「バナナ」をいつ食べるのが良い?おすすめの食べ方を医師が解説!
バナナの熟し具合や食べるタイミングが血糖値に影響します。血糖値が気になる方に向けた効果的な食べ方のポイントを紹介します。
※この記事はメディカルドックにて『「バナナ」で”血糖値”はどうなるかご存じですか?食べ合わせや注意点も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
林 良典(医師)
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医・指導医、日本緩和医療学会認定登録医、禁煙サポーター
糖尿病予備軍の人も知っておきたいバナナと血糖値について
バナナは手軽に取り入れやすい果物ですが、血糖値が気になる方は、糖質だけでなく食物繊維や食べ方もあわせて理解しておくことが大切です。まずは、バナナの栄養と血糖値の基本的な関係を解説します。
バナナの栄養素と健康効果
バナナは世界中で広く食べられている果物で、炭水化物を手軽に補いやすい食品です。果物には果糖が自然な形で含まれていますが、バナナのような丸ごとの果物には、糖分だけでなく食物繊維も含まれています。さらに、カリウムやマグネシウム、ビタミンB6、ビタミンCも含まれており、複数の栄養素をまとめて摂りやすい点も特徴です。食物繊維は、食後の血糖値の急な上昇を抑えやすくし、満腹感を得やすくすることで食べ過ぎの予防にもつながります。カリウムは塩分とのバランスを保つうえで役立つ栄養素であり、マグネシウムは身体のさまざまな代謝や筋肉、神経のはたらきに関与します。ビタミンB6はタンパク質の代謝に関係し、ビタミンCは抗酸化作用があり、生活習慣病の予防などにも関与します。このようにバナナは、エネルギー補給と栄養補給を両立しやすい果物です。
血糖値とは?
血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度です。食事で摂った炭水化物は体内でブドウ糖に分解され、血液中に取り込まれます。この値が適切な範囲に保たれているかを確認するために、血液検査が行われます。血糖値が正常より高いものの、まだ糖尿病の診断基準には達していない状態が糖尿病予備軍です。この段階では自覚症状が乏しいこともありますが、そのままにすると2型糖尿病へ進む可能性があります。そのため、早い段階で生活習慣を見直すことが重要です。
バナナを食べると血糖値は上がる?下がる?
バナナにはデンブンや果糖などの炭水化物が含まれているため、食べると血糖値は上がります。一方で、ジュースや甘いお菓子のように精製された糖を摂る場合とは異なり、バナナには食物繊維が一緒に含まれています。そのため、同じカロリーの白砂糖を摂った場合と比べると、血糖値の上がり方が急になりにくいと考えられています。つまり、バナナは血糖値を下げる食品ではありませんが、食べ方や量を調整すれば、糖質を含む食品のなかでは取り入れやすいです。
バナナはいつ食べるのが効果的?血糖値が心配な人の食べ方のポイント
バナナは量だけでなく、熟し具合や食べるタイミングによっても血糖値への影響が変わる可能性があります。毎日の食事に取り入れるときにいつ食べたら良いのかなど意識したい点を解説しましょう。
完熟バナナは血糖値が「上がる」原因になる?
完熟バナナは、青めのバナナよりも食後の血糖値が上がりやすくなる可能性があります。バナナには、レジスタントスターチと呼ばれる消化されにくいデンブンが含まれていますが、これは熟すにつれて少なくなり、代わりに糖が増えます。そのため、完熟したバナナは甘みが強くなり、消化吸収も速くなりやすいです。
血糖値を上げにくくするバナナの熟成度
血糖値への影響を少しでもゆるやかにしたい場合は、熟しすぎていないバナナを選ぶのもひとつの方法です。バナナは低GI寄りの果物とされることがありますが、GI値は熟し具合で変わります。未熟なバナナは31、熟したバナナは51、過熟のバナナは53とされており、熟すほど高くなる傾向があります。そのため、青みが残るバナナのほうが、完熟したものより食後の血糖値が上がりにくい可能性があります。
バナナは朝食におすすめ?空腹時に食べるのは避けた方が良い?
朝食でバナナを食べること自体は問題ありません。ただし、バナナだけで食事を済ませると、炭水化物が中心になり、血糖値が上がりやすくなることがあります。特に空腹時は吸収が速くなりやすいため、単独で食べるより、ほかの食品と組み合わせるほうが良いでしょう。朝食の一部として食べるほか、食後のデザートとして少量を食べるのもひとつの方法です。単独で食べるより、食事とあわせたほうが血糖値の上がり方が急になりにくい可能性があります。
糖尿病の人はバナナを一日何本まで食べても大丈夫?
糖尿病があっても、バナナを完全に避ける必要はありません。ただし重要なのは、1食あたりの炭水化物量に収まるように調整することです。一般的な目安として、1食あたりの炭水化物量は女性で45~60g、男性で60~75gとされています。バナナ1本にはおよそ20~30gの炭水化物が含まれるため、量に迷う場合は、まずは小さめから普通サイズのバナナ1本程度を目安にしながら、主食やほかの副菜との兼ね合いをみて調整しましょう。例えば、バナナを食べる分、ご飯やパンの量を少し減らすといった工夫が必要です。本数で一律に決めるのではなく、食事全体で考えることが大切です。
「バナナと血糖値」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「バナナと血糖値」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
バナナは糖尿病の人でも安心して食べられる低GI食品ですか?
林 良典(医師)
バナナは、砂糖が加えられたジュースや加工食品よりも、丸ごとの果物として取り入れやすい食品です。ただし、炭水化物を含む以上、食べ過ぎれば血糖値は上がります。そのため、低GIかどうかだけで判断するのではなく、量と食事全体のバランスを意識することが大切です。適量を守れば、糖尿病の方でも食事に組み込める食品です。
バナナを食べると血糖値はどうなるでしょうか?
林 良典(医師)
バナナにはデンブンなどの炭水化物が含まれているため、食べると血糖値は上昇します。ただし、食物繊維を含んでいるため、白砂糖を多く含む食品と比べると、上がり方が急になりにくいと考えられます。つまり、バナナは血糖値を下げる食品ではありませんが、糖質だけを含む食品よりは取り入れ方を工夫しやすい果物です。
朝食にバナナだけを食べるのは血糖値に良くないでしょうか?
林 良典(医師)
朝食にバナナだけを食べると、炭水化物に偏りやすいため、食後血糖が上がりやすくなることがあります。特に空腹時は吸収が速くなりやすいため、単独よりも組み合わせて食べるほうが向いています。例えば、低脂肪ヨーグルトや豆乳、ナッツなどと一緒に食べると、タンパク質や脂質を補えるためお勧めです。朝食として取り入れるなら、バナナだけで済ませないことがポイントです。
バナナ以外に、血糖値を気にせず食べられるフルーツはありますか?
林 良典(医師)
血糖値にまったく影響しない果物はありません。果物にはビタミンや食物繊維などのよい点がありますが、糖質も含まれています。そのため、果物はジュースではなく、丸ごとの果物を選び、食べる量を調整することが大切です。バナナ以外では、ベリー類やりんご、なし、かんきつ類なども選択肢です。ただし、どの果物でも食べ過ぎは控えましょう。
まとめ バナナと血糖値対策のポイントは量と食べ合わせ!
バナナは食物繊維を含む果物で、糖尿病予備軍の方や糖尿病のある方でも、食べ方を工夫すれば食べられる果物です。ポイントは、食べる量と、ナッツや無糖ヨーグルト、大豆製品などを組み合わせることです。バナナだけを単独で食べるより、食事全体のバランスを整えたほうが、血糖値の上がり方をゆるやかにしやすくなります。血糖値の異常や脂質異常症は、初期には気付きにくいこともあります。喉の渇きや頻尿などの症状があるときはもちろん、症状がなくても健診で異常を指摘された場合は、早めに病院で相談することが大切です。自分に合った食事量や食べ方に迷うときは、医師や管理栄養士と相談しながら、続けやすい食事管理を考えていきましょう。
「血糖値」の異常で考えられる病気
「血糖値」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
内分泌系の病気
内分泌系
1型糖尿病2型糖尿病脂質異常症産婦人科系の病気
産婦人科系
妊娠糖尿病
循環器系の病気
循環器系
動脈硬化性疾患
血糖値や脂質の異常は、自覚症状がないまま進行し、心血管疾患などの重大な合併症の引き金になります。健康診断を欠かさず受けましょう。
「血糖値」と関連する症状
「血糖値」と関連する症状は5個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
異常な喉の渇き
尿の回数が増える
急激な体重減少
視界がぼやける
空腹感や手足の震えやイライラ
これらの症状に心当たりがある場合は、糖尿病が進行している可能性があります。早めに医療機関を受診して詳しい血液検査を受けてください。
参考文献
日本糖尿病学会. 糖尿病ってどんな病気?
日本内分泌学会. 妊娠糖尿病.
Dietary Advice For Individuals with Diabetes. Reynolds A, et al. 2024 Apr 28. Endotext.
Effect of fruit on glucose control in diabetes mellitus: a meta-analysis of nineteen randomized controlled trials. Front Endocrinol (Lausanne). 2023 May 5:14.

