「父の力になれたら…」未経験からトラック運転手に転身した女性の奮闘記。朝3時半起きで終業後はジムへ…ストイックな生活
なぜ、トラックドライバーになることを決意したのか。そして、女性ドライバーとして感じる仕事の魅力ややりがいとは。トラックドライバーの仕事に向き合い続けるありささんに、その歩みを聞いた。
――トラックドライバーの仕事を始められたきっかけを教えてください。
ありさ:父が会社を経営しているのですが、数年前に大変な時期があったんです。従業員の方がケガをしたり、体調を崩してしまったりして、本当に人手が足りなくなっていました。
私はもともとトラックの免許を持っていたわけでもないですし、トラックドライバーに興味があったわけでもありませんでした。身体を動かす仕事は好きでしたが、父が廃業を考えているのを見て、「少しでも力になれたら」という思いが強くなりました。
弟と話し合い、「二人でトラックに乗って、変えていけるんちゃうか」という話になったんです。軽い気持ちではなく、本気で会社を支えたいと思って決めました。
――もし、お父様の会社が順調だったら、トラックドライバーにはなっていなかった?
ありさ:正直、なっていなかったと思います。私は以前、ドローン関連の会社に勤務していました。近い将来は海外へ行くことも考えていましたし、トラックドライバーになるなんて全く考えていませんでした。弟も以前は漁師をしていて、私と同じようにトラックに乗ることは頭になかったと思います。でも、父が悩んでいる姿を見て、「今、自分たちが動くしかない」と思ったんです。
――決断に迷いはありませんでしたか?
ありさ:父の力になりたいという気持ちが強かったので、迷いはありませんでした。それに、新しいことに挑戦できる機会って、人生でそんなに多くはないと思いましたし、「今しかない」という気持ちもありました。父にそのことを話した翌日には、トラックの免許を取るために教習所へ向かいましたから(笑)。
◆転職前はドローンを飛ばしていた
――以前のお仕事について教えてください。
ありさ:ドローンの操縦士資格を取得して、実際に飛ばして空からの景色を撮影する仕事をしていました。普段見ることのできない景色を見ることができて、すごくいい経験になりました。また、アート引越センターでアルバイトを2〜3年していたこともあります。力仕事でしたが、もともと体を動かすことが好きなので、充実していました。
――トラックの免許取得は大変でしたか?
ありさ:中型免許を取得しました。初めて技能教習でトラックに乗った時は、普通車とは運転の感覚が全然違って、すごく難しかったです。車幅や内輪差、バックなど、何もかもが難しくて何度も心が折れそうになりました。2〜3回落ちてしまったのですが、それでも諦めずに練習を続けました。3ヶ月後くらいにようやく免許を取得できた時は、ほんまに嬉しかったです。
◆朝3時半に起床…ストイックな毎日を過ごす
――初めて仕事でトラックに乗った時はいかがでしたか?
ありさ:最初の1ヶ月くらいは、父が隣に乗って見てくれていました。弟が乗ってくれる時もありました。弟はまだトラックの免許を持っていなかったのですが、隣にいてくれるだけでも安心できました。家族が協力してくれたおかげで、少しずつ自信を持って運転できるようになりました。
――現在はどのようなお仕事を担当されていますか?
ありさ:父の会社では、鉄骨や鉄筋などの鋼材を扱っています。大阪を拠点にして、関西を中心に運送しています。運転だけではなく、積み込みや荷下ろしも自分で行います。決まった場所に行く仕事ではなく、毎回違う現場や工場、企業へ運ぶことが多く、いつも新鮮な気持ちで仕事に取り組めて楽しいですね。「久しぶりやな」と声をかけてもらえる方もいますし、初めてお会いする方も多いです。人との出会いがあることも、この仕事の魅力だと思います。
