千葉豪雨の被災車両、レッカー移動に「40万円」…現場にも一時保管場所にも見当たらず盗難被害の例も
13日夜の千葉豪雨で、公道上で動けなくなっていた被災車両の撤去を巡り、レッカー移動時に高額な請求を受けたり、車両が盗難被害に遭ったりするトラブルが相次いでいる。
一時は3000台超の車が水没して公道で動けなくなっていた。行政が緊急的に被災車両を移動させた費用をどう捻出するかも今後の課題だ。
千葉県消費者センターによると、被災車両のレッカー移動などのロードサービスで不当な請求を受けたとの相談が15〜20日、千葉市や市原市などで計8件あった。
千葉市稲毛区では、男性がインターネット検索で上位に表示された業者にレッカー移動を依頼した。業者はレッカー車ではなく、軽乗用車で現れ、作業料として40万円以上を要求。断るとキャンセル料として27万5000円を求められ、男性はその場で支払った。ホームページには「2000円〜」と記載されていた。
レッカー代は走行距離によって異なるが、相場は3万〜5万円程度とされ、同センターの担当者は「格安の料金表示はあやしい。ネット検索で上位に出てきても飛びつかず、複数の事業者と見比べてほしい」と指摘する。高額な請求を受けた場合は支払いを留保し、消費者ホットライン(188番)を利用するよう呼びかけている。
千葉市若葉区では、40歳代男性が豪雨2日後の15日、浸水で動かなくなった乗用車を引き取りに現場に戻ったところ、車がなくなっていた。市の一時保管場所でも見当たらず、千葉東署に被害届を提出した。県警は、車が盗難に遭った可能性もあるとみて調べている。
公道の被災車両は撤去が進み、21日午前9時現在、15市の生活道路の123台まで減った。被災車両は原則持ち主が撤去するが、持ち主が現れない場合は行政が安全な場所に移動させている。国や県、千葉市などが発足させた被災車両対策のプロジェクトチーム(PT)は21日、保管している車両の盗難対策を講じることを確認した。
撤去費用については、PTでは所有者に請求する意見も出ているが、どう捻出するかが課題となっている。熊谷俊人知事は20日、「国の支援メニューが明確でない。災害対応として国にしっかりとした支援を求めていきたい」と話した。
千葉市では市内約10か所の保管場所に一時計約300台の被災車両が保管された。そのうち約100台の所有者と連絡が取れていない。県も約90台を県有地などに保管しているが、連絡のつかない所有者が多いという。県道路環境課の担当者は「返却にどのくらい時間がかかるかは見えていない」と頭を抱えている。

