近年はChatGPTやGeminiといったチャットAIの利用が一般的になり、仕事や勉強などにAIを活用する人々も増えています。ところがアメリカのピュー研究所が2026年6月に行った調査では、18〜29歳の若者の過半数がAIについて期待よりもむしろ懸念を抱いていることが浮き彫りになりました。

Young US adults are increasingly wary of AI, concerned it will take jobs | Pew Research Center

https://www.pewresearch.org/short-reads/2026/08/18/young-adults-in-the-us-are-increasingly-wary-of-ai-concerned-it-will-take-jobs/

Pew: Young Americans grow more wary of AI as job fears rise | Courthouse News Service

https://courthousenews.com/pew-young-americans-grow-more-wary-of-ai-as-job-fears-rise/

AI optimism fades as young adults worry about jobs

https://www.axios.com/2026/08/18/young-adults-ai-job-loss

AIは世界を変革するテクノロジーであると注目されていますが、日常生活のさまざまな場面で生成AIに頼り過ぎてしまうことは、AIを疑うことすらできなくなる認知的降伏や思考プロセスの弱体化などを引き起こす懸念があります。

また、AIがホワイトカラーを含めた多くの人々の仕事を奪うことも危惧されており、人員削減による消費低迷が市場の壊滅を引き起こし、民主主義体制すら揺らいでしまう可能性も指摘されています。

AIによる人員削減のせいで市場が壊滅して民主主義体制が揺らぐ「死んだ経済理論」とは? - GIGAZINE



そんな中でピュー研究所は2026年6月22〜28日、アメリカの成人3488人を対象として、日常生活におけるAI利用の拡大に関する意識調査を実施しました。その結果、回答者のうち52%はAIの利用拡大について期待よりも懸念の方が大きいと回答しました。

以下のグラフは、2021〜2026年にかけて実施した同様の調査結果を示したもので、青色が「(日常生活におけるAI利用の増加は)期待感よりも懸念の方が大きい」、薄茶色が「懸念と期待感が入り交じっている」、黄土色が「懸念よりも期待感の方が大きい」と回答した割合です。2021年の時点では懸念の方が大きいとする割合が37%にとどまっていましたが、2023年以降は50%付近を維持しています。また、期待感の方が大きいと回答した割合は減少傾向にあり、2026年の調査ではわずか9%に過ぎません。



by PEW RESEARCH CENTER

AIに対する懸念は特に若い世代の間で強まっています。以下は、左がAIに対して懸念する割合を、右がAIに対して期待する割合をそれぞれ年別で表したもので、青色が18〜29歳、緑色が30〜49歳、オレンジ色が50〜64歳、灰色が65歳以上を示しています。18〜29歳の若者は年々AIに対する懸念を強めており、2026年の調査では懸念する割合が55%に達し、初めて過半数を超えました。一方、AIに期待する割合は右肩下がりで、2021年には25%でしたが2026年には11%まで低下しています。



by PEW RESEARCH CENTER

AIの利用拡大を懸念する大きな理由のひとつに、「AIによって仕事が奪われるのではないか」というものがあります。以下は、AIによって人間の仕事がどうなると思うのかを調査した結果で、青色が「仕事が減少する」、薄茶色が「仕事に大した違いはない」、黄土色が「仕事が増加する」と回答した人の割合を示しています。2024年の時点ではAIによって仕事が減ると回答した人は64%でしたが、2026年の調査では71%に増加しました。



by PEW RESEARCH CENTER

以下のグラフは、AIによって仕事が減少すると回答した割合を年代別に示したもの。労働者が多い18〜64歳の年齢層では、2026年の調査で70%以上がAIによって仕事が減ると回答しましたが、すでに働いていない人が多いであろう65歳以上の年齢層では63%にとどまりました。



by PEW RESEARCH CENTER

ピュー研究所が2026年6月に発表した調査結果では、アメリカの成人の約半数がAIチャットボットを利用しており、若年層では利用率が高いことがわかっています。その一方で、若年層ではAIが自分自身や社会に悪影響を与えると考える割合が高く、懐疑的な見方も強まっていることも示されています。

法律やテクノロジー企業の訴訟などについて報じるウェブメディアのCourthouse News Serviceは、「AIへの親しみが増加しているにもかかわらず、AIの影響に関する全体的な見方は依然として否定的です。利用の増加と根強い不安との間のギャップは、特に若年層で顕著になっています。この層はAIツールと接する機会が最も多く、AIが仕事や日常生活に及ぼす影響についてますます懸念を抱いています」と指摘しました。