Appleが中国のIT大手であるアリババと提携し、中国市場向けに独自のAIモデルを開発していたことが事情に詳しい関係者らの証言で明らかになりました。Appleは中国で販売されているiPhone向けに中国のパートナー企業が開発したAIモデルを利用する方針でしたが、今後数か月以内に中国iOSのアップデートが適用された際に、独自AIモデルがリリースされる予定であると関係者らは述べています。

EXCLUSIVE: Apple trains its own AI model for China market with Alibaba's support, sources say | Reuters

https://www.reuters.com/business/retail-consumer/apple-trains-its-own-ai-model-china-market-with-alibabas-support-sources-say-2026-08-14/



Apple's new AI split means your iOS app could behave differently in China - The New Stack

https://thenewstack.io/apple-china-ai-model/

Appleは世界のほとんどの地域で、独自のモデル「Foundation Models」を使用してローカルまたはプライベートサーバー上でリクエストを処理しています。また、Apple製品のユーザーはChatGPTを用いてAI処理を実行することも可能。2026年秋にリリース予定のiOS 27やmacOS 27ではGoogleのGeminiが使用可能になることも発表されています。

一方で、これらのオプションは中国では利用できないため、Appleは中国国内で開発または承認されたモデルに頼らざるを得ない状況にありました。

iPhone向けのパーソナルAI「Apple Intelligence」は2024年に発表された機能ですが、アメリカとの対立もあって、中国ではサービス導入の承認が遅れていました。2026年7月にようやく中国政府がApple IntelligenceをiPhone向けに承認しましたが、AIモデル中国企業であるアリババの「Qwen」が使用されるとアリババの担当者は説明していました。

中国当局が「Apple Intelligence」導入を承認、アリババ製AI「Qwen」を活用か - GIGAZINE



そのような中で、事情に詳しい関係者はロイターに対し、「Appleが中国市場に特化したAIモデルをアリババと協力して開発している」と語りました。

今回の報道が実現した場合、Appleは中国で独自のAIモデルを提供することを承認された初の外国企業となります。

ロイターは「中国モデルを採用すれば、Appleは最も競争の激しい海外市場でAI体験をより強くコントロールできるようになります。Appleの計画は、中国に進出する外国AI企業に対する独自の二重戦略を示しており、これにより、他の多くのアメリカテクノロジー企業にとってアクセスが制限される厳しい規制上の障壁を乗り越えることができます」と指摘しています。

一方でThe New Stackは、Apple Intelligenceが2つの地域アーキテクチャに分割されることで、開発者によるテストが複雑化する可能性があると述べています。同じバージョンのiOS上で動作し、同じAppleフレームワークを使用する同じアプリでも、デバイスの販売地域や使用地域によって動作が異なる場合があります。Appleがそのフレームワークの基盤となるモデルを変更した場合、テスト中に正常に動作したコードが中国では同じように動作しない可能性があると指摘しました。

また、コンテンツフィルタリングによって何らかの応答がブロックされた場合に、Appleのモデル、Qwen、または別のモデレーションシステムによるものなのかを判断できないケースが考えられます。そのため、中国国内で動作するデバイスで用いられるAIモデルについて、Appleによる明確な整備が必要だとThe New Stackは語りました。