「寝る前のスマホ」がやめられない人へ…画面を「白黒」にするだけで手放しやすくなる意外な理由
「もう寝なきゃ」と思いながら、SNSや動画を眺め続け、気づけば深夜――。寝る前のスマホがよくないとわかっていても、なかなか手放せない人は多いのではないか。じつは、スマホを触り続けてしまう背景には、意志の弱さだけではなく、カラフルな画面などの強い刺激に反応してしまう「脳のクセ」がある。そこで試したいのが、スマホの画面を「白黒」にするという簡単な方法。行動経済学の視点から、夜のスマホやネガティブ思考を遠ざけ、心穏やかに眠るための「ナッジ」を紹介する。「すぐやる人の脳のクセ!科学的に自分を動かす62のコツ」から一部を抜粋、編集してお届けする。
【画像】「すぐやる人の脳のクセ!科学的に自分を動かす62のコツ」
スマホの画面を「白黒」にする
赤ちゃんにスマホを渡すと笑顔になり、取り上げると大泣きするという動画を見たことがある人も多いでしょう。これはスマホのカラフルな画面が、視覚的に強い刺激となり、赤ちゃんの直感を興奮させているからと考えられます。
同様に私たちがスマホを手放せないのも、「楽しいから」だけではなく、その視覚刺激そのものに、直感が反応してしまっているのかもしれません。
アプリの開発者たちは、ユーザーが夜になると現状維持バイアスが強まることを熟知しています。だからこそ、手放せなくなる時間帯に合わせて、通知やオススメコンテンツを集中させてくるのです。
その誘惑に乗って夜にスマホを見続けると睡眠障害や脳の過覚醒を引き起こすリスクがあり、長期的に見るとデメリットのほうが大きくなります。
そこで必要なのが、刺激を鎮静化するナッジです。たとえば、スマホの画面をモノクロ(白黒)に設定すると、途端に画面が味気なく、事務的な印象になります。
その結果、キラキラ感が薄れ、スマホに対する魅力が下がり、用事が済めば自然と手放したくなります(反印象ナッジ)。これは1分でできます。ぜひ試してみてください。
「それ今、必要?」と書いた紙を壁に貼る
スマホを白黒にしても、それでもスマホを手離せない人は、かなり現状維持バイアスが強いようです。そのため、さらに直感に働きかける仕掛けが必要になります。
そこでオススメしたいのは、スマホをよく使う場所の真正面に「それ今、必要?」と書いた紙を貼ることです。その紙が視界に入るたびに、「夜はスマホを使わないって決めたんだった!」と思い出すきっかけになります(リマインドナッジ)。
憧れの人の写真やイラストを印刷し、吹き出しで「それ今、必要?」と話しかけてくるように演出してみるのが効果的です。シールなどでデコレーションすることで、「優しいブレーキ」になります。
寝室のドアに「嫌なことは持ち込み禁止」と貼り紙する
疲れている夜ほど、布団の中で過去の出来事を思い返したくなります。もしそれが楽しい思い出なら心も穏やかになりますが、多くの場合自己憐憫的な思考に陥り居心地の悪い夜になってしまいます(否定的バイアス)。
さらに、夜はうつ状態が悪化しやすく、自殺者が増えることもわかっています。
少しでもそんな状況を防ぐには、寝室は「心を休めるためだけの場所」と決め、「嫌なことは持ち込み禁止」と寝室のドアに貼り紙をすることをオススメします(リマインドナッジ)。貼り紙を見ることで、寝室の前でひと呼吸つけるようになります。このように直感に明確な指示
を出すことで、無意識に抱えていたネガティブ感情をいったん下ろすことができ、「ここからは安らぎの時間なんだ」と気持ちを切り替えやすくなります。
ほんのひと言の貼り紙が、心のスイッチを切り替える優しいきっかけになります。
寝る前に1日のよかったことを書き出す
とくに夜は感情が揺らぎやすく、不安や後悔に引っ張られやすいため(否定的バイアス)、意識的にポジティブな記憶を引き出しておくことで気分がラクになります。
そこでオススメなのが、1日の終わりに今日のよかったことを書き出すことです。
ゴミ捨てができた。朝、SNSを見なかった。薬を飲み忘れたけど昼に気づけた。取引先からのメールにすぐ返信をした。こうした今日の小さな達成やうれしかったことを記録するたびに、「私は毎日少しずつでも前に進んでいる」という感覚が生まれます。
書いているうちに、「あれができなかった」「やるのを忘れていた」などのネガティブな感情が浮かんでくることもあるでしょう。その場合は、次のページに「今日の反省・不安ごと」として書き出していきます。
ネガティブな感情を頭の中だけで抱えていると、拡大解釈バイアスや確証バイアスが働き、不安がどんどん膨らんでしまいます。まずは「書き出して見える化すること」(可視化ナッジ)で思考が整理され、冷静な自分を取り戻せるようになります。
この方法を続けていると、「明日はもっとよかったことを書きたい」と思えるようになり、日中の行動も自然とポジティブなものへと変化していきます。
文/竹林正樹 写真/shutterstock
すぐやる人の脳のクセ!科学的に自分を動かす62のコツ
竹林 正樹

2026/4/24
1900円(税込)
308ページ
ISBN: 978-4868011354
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