藤田優哉さん(仮名・30代前半)

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東大に入れば人生安泰――そんな世間のイメージとは裏腹に、在学中や卒業後の人生で挫折に直面する東大生は少なくない。在学中にうつ病を発症した女性、「東大卒キャリア」へのこだわりから卒業後に転職を繰り返した男性などの告白から、「闇落ちする東大生」の実態を探った。
◆自身を「弱者男性」と揶揄する元東大男子

「自分は、東大のなかの『弱者男性』だと思っています……」

その言葉が藤田優哉さん(仮名・30代前半)の口から飛び出したとき、一瞬耳を疑った。東京大学経済学部を卒業したのち、金融・コンサル企業数社に勤め、現在は金融系企業で正社員として働く藤田さん。端正な顔立ちの既婚者で、世間では「勝ち組」と目されてもおかしくないスペックだ。

一体どこが「弱者」なのかを聞くと、彼は「自分は転職歴も多く、年収も高くはない。一流企業に勤める東大時代の同級生たちのキャリアに見劣りを感じざるを得ません」と言う。

中高一貫校の男子校から、東大に現役合格。順風満帆な人生が傾き始めたきっかけは、就職活動だったと振り返る。

「成績は振るわず、サークル活動にも熱心に取り組んでこなかった。官庁、民間を絞らずに最大手企業の募集に飛びついた結果、企業研究もできず、面接では何十社と落とされました」

大手の金融系企業に入社した後も、「東大卒」のプライドはついてまわった。

「新卒入社後、地方配属となったのですが『東大出て地方勤務か……』と感じました。本社勤務になっても、人事評価が芳しくなく、昇進ができなかった。『これは東大卒のキャリアではない』とどこかで思ってしまい、転職を決めました」

その後も転職を繰り返し、今勤めている会社で4社目。自分の人生をどこで誤ったのか、「東大ダルマT」という名前でnote記事を発信している。

メディアに出てくる東大卒業生は、一握りの成功者に偏りがち。人生の過ちをあえて晒すことで、東大だけが人生の選択肢ではないことを伝えたい」と話す。

◆桜蔭→東大文Ⅰ合格も、司法試験で人生の歯車が狂い始めた元東大女子

次に紹介する新倉和花さん(28)は、東大在学中にうつ病を発症した過去を持つ。女子御三家の一つ、桜蔭中高の出身で、生徒会副会長も務めた。東大入試本番の数学は満点と、絵に描いたような「負け知らず」の人生だった。

検察官が将来の夢だったことから、文科I類入学と同時に司法試験の予備校にも入学する。しかし、そこでの学習は、受験勉強ほどスムーズには進まなかったという。