多くの人にとって、掛け金の上限が上がるという話は税負担が軽くなるチャンスとして映るはずだ。老後資金づくりに関心を持つ層はもちろん、これまで制度に距離を置いていた人にとっても無視できない変化であり、iDeCoの制度改正は、そうした期待を呼ぶ内容として注目を集めている。
 
脱・税理士の菅原氏は、YouTube動画にて今回の改正の中身を丁寧に整理している。第1号被保険者の掛け金上限は月6万8,000円から7万5,000円へと引き上げられ、小規模企業共済と組み合わせれば年間174万円もの所得控除が可能になるという。会社員にあたる第2号被保険者も上限が6万2,000円に統一され、専業主婦などの第3号被保険者は据え置きとなった。最高税率55%の層が上限まで積み立てれば、年間およそ50万円の税負担が軽くなる計算になるといい、この効果を25年続けた場合の合計額にも言及しながら、その規模の大きさが示される。
 
ただし菅原氏は、この制度に潜む弱さについても取り上げた。積み立てた資金は60歳まで引き出せず、急な出費には対応できない。小規模企業共済のような借り入れの余地もないため、資金の自由度という点では見劣りする。さらに受け取り時には退職所得控除が関わってくるため、会社からの退職金とiDeCoを両方受け取る場合のタイミング次第では、思わぬ税負担が生じる可能性があるという。節税のつもりが最終的に不利益になりかねないという見方は、単純な掛けるほど得という理解に一石を投じる。
 
年齢や所得、資金の使い道によって向き不向きが分かれるとされ、菅原氏自身も自らの立場を踏まえた判断を示した。若い世代には投資信託など他の運用手段との比較も語られており、複利で資産を育てる道と、目先の所得控除を優先する道のどちらが自分に合うのか、年代や職業ごとに異なる最適解がどのように示されているのか、資産形成を考える人にとって視点が整理される動画だ。

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