「疲れが取れる」と大人気のリカバリーウェアに思わぬ落とし穴…数千円から3万円まで価格差はなぜ?「効果が疑わしい商品も」
◆大ブームを巻き起こすリカバリーウェア
寝不足大国の日本で目下、大ブームを巻き起こしているのが、睡眠時に疲労回復効果が得られるという「リカバリーウェア」だ。快眠セラピストの三橋美穂氏が話す。
現在販売されているリカバリーウェアのブランドは20種類以上。元祖の「VENEX」に、ブームに火をつけた「BAKUNE」、コスパに優れたワークマンの「メディヒール」などさまざま。加えて、価格帯はバラバラだ。数千円台の高コスパ商品から、3万円近くする高級ブランドもある。なぜか?
◆価格帯がバラバラの理由は?
寝具メーカーの関係者が話す。
「1つは繊維の違い。各メーカーが研究費を投じて鉱物を練り込んだ独自繊維を開発しているため、その時間とコストによって価格にバラつきが生じている。2つ目には機能性。高級ブランドは内側にも外側にも独自繊維を使用し、さらに肌触りの良さ、耐久性、デザイン性までこだわる一方、高コスパ商品は内側だけに独自繊維を使用し、デザインはシンプルにするなどして価格を抑えています。
また、生産量の違いも大きい。高級ブランドのVENEXは20年近くかけて250万着以上売ってきましたが、ワークマンは昨年から参入していきなり200万着もの生産を開始した。一着当たりの製造・開発コストが大きく異なる」
◆効果が疑わしいリカバリーウェアも…
この関係者曰く、効果が疑わしいものもあるという。
「高級ブランドのメーカーは赤外線分光放射率や血流増加率などの臨床試験データを蓄積していますが、一般医療機器は決まった書類を届け出るだけでよく、研究データの提出は不要。厚労省は、メーカーが“エビデンスを保持していればいい”としているだけなのです。
だから、エビデンスを公開しているメーカーはほぼない。その制度を利用して、『腰痛に効く』と宣伝する商品もありますが、厚労省は一般医療機器の定義から逸脱する可能性があると指摘しています。効果を並べ立てているウェアは怪しい」
◆着心地を重視して選択すべし
そのため三橋氏は、着心地を重視した選択を勧める。
「季節に合った保湿性や肌触りの良さ、吸湿性、サイズ感を確認することが大事です。そのうえでゆったりしたものを選ぶ。睡眠時の理想的な寝返りの回数は20〜30回とされているので、背中や腕のあたりの突っ張りが気にならないウェアのほうが寝返りがしやすく、血液やリンパ液の流れを促進して疲れが取れやすくなる。高級ブランドは試着できるので、実際に着て確認するといいでしょう」
このほかにも快眠に役立つグッズはいくつもある。
「安眠市場の拡大で増えたのはサプリ。体温調節や神経系への作用を通じて睡眠をサポートするグリシンやリラックス作用を目的にしたテアニンなどは以前からありましたが、近年では複数の成分を組み合わせたものが人気。
加えてガジェット系も急成長中です。健康管理用のスマートリング『Oura Ring』の関係者によると、飲酒による睡眠の質の低下が顕著に数値化されるようで、多くの利用者の生活改善に役立っているとのこと。結局、快眠に結びつくのは規則正しい生活なんです。日中に太陽を浴びて活性化する脳内物質のセロトニンは、夜には睡眠ホルモンのメラトニンに変化して入眠を促しますから。
