【バイタルエリアの仕事人】vol.67 ナルシス・ぺラッチ・ナダル|ウェストハムなどで指導経験を持つ37歳知将はなぜ大宮へ?「プレミアやスペインでの打診もあったけど…」「日本サッカーに強い衝撃を受けた」
現在37歳のスペイン人指揮官は、2017年にジローナBで監督キャリアをスタート。19年に同クラブのトップチームのアシスタントコーチを務めた後は、イングランドへ渡り、ハダースフィールドのアシスタントコーチや暫定監督、ノリッジのアシスタントコーチ、ストークの監督を担当。25年1月にはウェストハムのアシスタントコーチを務め、2026/27シーズンより大宮の指揮官に就任した。
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サッカーは得点を生まなくてはならないし、両チームともゴールを目ざしてプレーしていく。その中で、ピッチ上のスペースにはそれぞれ異なる価値があり、より重要視される場所が存在するのは事実だ。ピッチのサイド付近のエリアよりも、内側の方が価値は高い。つまり攻守の両局面でバイタルエリア、すなわちペナルティエリアの手前で相手に対して前向きにプレーできる状態を作ることが、試合において非常に大切だ。
私の理想は、バイタルエリアに後ろ向きではなく、前向きでボールを受ける選手を送り込むことだ。一週間かけて週末の試合に向けた準備をするなかで、相手がバイタルエリアに侵入するのをいかに防ぎ、自分たちがどれだけそのエリアに入っていけるかを追求する。それをチームの原則に従ってプレーしながら達成したいと考えている。
自身の戦術的ルーツを明かしたうえで、最も強い影響を受けた存在として挙げたのが、過去に共闘した指揮官や現代サッカーを象徴する二人の名将だった。また、ハイレベルな環境と過密日程で揉まれたイングランドでのキャリアも、現在の自身の確固たる指導基準を形成しているという。
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キャリアで最も影響を受けた指導者は、私がノリッジでアシスタントコーチを務めていた時に監督をしていたデビッド・ワグナーだ。一緒に仕事をした時間が、今の私の原動力になっている。
常に参考にしている監督は、直接一緒に働いた経験はないものの、ジョゼップ・グアルディオラとユルゲン・クロップが挙げられる。クロップはカウンタープレスの部分だ。ボールを失った瞬間に素早く奪い返し、相手が陣形を整える前に攻撃へ転じる。この形が最も効果的に得点のチャンスを作り出せる。ボールに最も近い選手だけではなく、一度目、二度目、三度目と周囲の選手たちが連動して素早く反応していくアプローチは、私のサッカー観に大きな学びをもたらした。
ペップはオフェンスの部分で手本としている。ポジショナルプレーにおいて、「いつ、どのようにボールを前進させ、フリーの選手を見つけ出すか」。彼のもとで数週間学ぶ機会があった。攻撃面で最も大きな衝撃を受けたのは間違いなく彼だ。
ハダースフィールド、ノリッジ、ストークで経験したイングランド2部のチャンピオンシップは、年間でリーグ戦46試合、カップ戦を含めると50試合を超える厳しいリーグだった。そんなタフなカレンダーの中でアシスタントや監督として250試合以上に携わった経験は、今の基準を形作るうえで大きな糧となった。その後、プレミアリーグのウェストハムへ移って、世界最高峰のリーグをベンチから経験できたことも非常に大きな経験だ。
イングランドのトップレベルで実績を積み上げながらも、ペラッチ監督が次の挑戦の地として選んだのは、遠く離れた日本だった。

