Rioさん。左も右も同一人物なのだ

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「33歳、男です。ゲイでもない。性同一性障害でもない。恋愛対象は女性。それでも、豊胸しました。(投稿より引用)」
男性でありながら豊胸をカミングアウトして、X上で大きな反響を呼んだのが、歌い手兼インフルエンサーのRioさん(@rio_kbys2)だ。

豊胸手術にかけた費用は総額120万円。そこまでしてなぜ手術に踏み切ったのか。本人に話を聞いた。

◆女性と男性、独自の“一人二役”スタイル

「初めまして! Rioと申します! えーこう見えて……男性です!」

サラサラのロングヘアーに、ワンピースやスカートを纏った姿で、自己紹介とともに歌唱動画を発信するRioさん。ディズニーメドレーからアニソン、ボーカロイド、ビジュアル系バンドまで、SNS上で様々な楽曲をカバーする歌い手として活動している。

Rioさんの動画は、男女がデュエットしているように、地声と高い声を使い分けて歌声を披露しているのが特徴的だ。可愛く着飾って高い歌声を披露する“女性の姿”と、短髪姿で低い地声で歌う“男性の姿”を演じ分ける、“一人二役”のスタイルが反響を呼んでいる。

Rioさんの歌い手としての原点は中学3年生の頃。ニコニコ動画に投稿し始めた「歌ってみた」動画だった。

「10歳頃まで、父の転勤でポルトガルやブラジルに住んでいたんです。そこから帰国して国内の学校に通うのですが、クラスメイトが全員日本人なのが逆に馴染めなかったんです。

そこでハマっていったのがインターネット、特にニコニコ動画でした。当時は『涼宮ハルヒの憂鬱』や『アイドルマスター』のキャラソンを歌って投稿していましたね」

◆ニコ動経由で男の娘文化に触れる

高校生になるとニコニコ生放送で配信を始め、大学生になるとツイキャスでもライブを行うようになる。ファンからの投げ銭も増え、次第にネット上で歌い手仲間との交流が広がり、リアルでライブを主催するようにもなった。都内の私立大学に通いながら、歌い手としての活動にのめり込んでいった。

また同時期に、Rioさんと近しい界隈にあったのが、「男の娘」と呼ばれるサブカルチャーだった。

一般的には、男性として生活しながら、女性的な服装や外見を楽しむ人を指す言葉として知られる「男の娘」文化。Rioさんが当時ハマっていたニコニコ動画にも、こうした界隈と親和性があった。歌い手だけでなく、アイドルマスターやボーカロイドのキャラクターに寄せて、女装姿を発信する男性クリエイターも数多く存在していた。

◆X JAPANのYOSHIKIと同じステージに

こうした音楽とサブカルチャーが交差するネット文化で、自身も発信を続けていたRioさんにとって、女装文化は身近なものだった。大学在学中には、秋葉原の女装メイド喫茶で働くようになり、ワイドショーの特集で取り上げられることもあったそうだ。

配信やライブ活動に加え、女装メイド喫茶でも働くなど、次第に表現活動が生活の中心となった。Rioさんは就職活動を見送り、歌い手として生きる選択を行う。

そんな23歳の頃、ソニーミュージック・ニコニコ動画・音楽事務所のマーヴェリックが共同主催する、“ビジュアル系のダンスバンド”を育成のオーディションが開催される。Rioさんはそのコンペでグランプリを獲得して、バンド活動を本格的に始めていく。

「さいたまスーパーアリーナや幕張メッセなどの大舞台で、X JAPANのYOSHIKIさんや、L’Arc〜en〜CielのHYDEさんなどとも一緒のステージに立てて感動しました。

ビジュアル系の方って、男性でも綺麗に化粧していて、雰囲気が美しいじゃないですか。そうした晴れ姿を見て影響されたことも、自分の美意識がより一層大きく変わったきっかけだったと感じています」