「マイケル・ジャクソンに人生与えられた」 偏見に負けない勇気 アフリカ系ハーフ歌手CHIKOさんが語る 映画「Michael/マイケル」 富山県
世界的な人気を集めたマイケル・ジャクソンの歩みを描いた映画「マイケル」が、県内をはじめ全国で上映され話題を呼んでいます。そのマイケルから大きな影響を受けたと語るのが、県内を拠点に活躍する歌手のCHIKOさんです。悩みを抱えた時マイケルの姿が救いになったと話すCHIKOさんに、同じくマイケルファンの武道キャスターが聞きました。
武道キャスター
「マイケルのどんなところが好きですか?」
CHIKOさん
「マイケルは、私にとってはファンとか推しとかっていう対象じゃなくて、私に歌手っていう人生を与えてくれた人なんですよね」
現在公開中の映画「マイケル」。史上最も売れたアルバム「スリラー」を生み出し、“キング・オブ・ポップ”と呼ばれたマイケル・ジャクソンの歩みを描いた物語です。映画が大ヒットするなか、CHIKOさんはSNSに「マイケルと私」と題した投稿をしました。
CHIKOさんの書き込み
『私の肌が黒いことも、目立つことも何かの使命であり、立つところを変えればマイケルみたいに人を励まし、救うことができるんだと思った』
CHIKOさんが歌手を志したのは、中学生のときに英語の授業で観た「We Are The World」のミュージックビデオがきっかけだったといいます。
CHIKOさん
「もしかして音楽で世界変えられるんじゃない!?っていうのは、マイケルのこの”We Are The World”を見て思ったんですよね。なんかよく言うじゃないですか。音楽は世界を変えられるとか、世界を平和にできるみたいな。『そう言うても』って思うじゃない。実際は音楽って食べ物じゃないし、飢えをしのぐものでもなく『娯楽みたいなものがどうやって人を救うんですか?』っていうのをちょっと思ってたところを、本当に音楽の力で世界を変えようとしている人がいる、救おうとしてる人がいるっていうのを認識したのが”We Are The World”のビデオで思ったことなので」
CHIKOさんは、アフリカ・コンゴ出身のミュージシャン B・Bモフランさんと、魚津市の人形作家 松本昌子さんの長女として生まれ、幼少期を魚津で過ごしました。子どものころは周りとの違いに思い悩んだことも…。
CHIKOさん
「自分がやっぱりハーフで、肌の色とか髪の毛のこととかを昔からいじられたりとか、いじめられたりとかしていて。『黒人の血さえ入っていなければ、私はみんなみたいになれたのに』とか、すごい自分を否定していた時期にマイケルと出会って。マイケルもやっぱり肌の色のこととか、すごい言われてたんですよね。だけどステージに立っている彼を見るともう誰もかなわないし、雑音でしかないっていうか。みんなはこういう生まれながらのスターを、そして努力の天才を自分の枠に収めて考えようとするから、マイケルは異常だと思うし、私もそうだったんですよね。『普通日本人ってこうだよ』っていうふうに言われて育ってきて、日本人はこういうものだの枠に私を入れようとすると『日本人ってこんなに髪の毛くるくるじゃないよ』とか『日本人ってこんなに肌黒くないよ』とか、ずっと言われてきたから。人は自分の物差しに他人を当てはめて、普通か普通じゃないかで判断しているっていう。だけどそんなものは本当に関係なくて」
「私は『ヒストリー』と『インヴィンシブル』。これ生前最後のアルバムなんですけど、大好き。マイケルの考えとか思いとかを知りたいときは、このへんの曲を聞けばマイケルがどういう心境なのかっていうのが分かるところが好き」
マイケルは華やかな活動の一方で、多くのゴシップや憶測が飛び交う中、2009年に亡くなりました。それでも世界への愛を歌い続けたマイケルの姿勢にCHIKOさんは「歌うことで人を癒したり救ったりすることができる」と気づかされたといいます。
CHIKOさん
「私もいろいろ嫌な思いしたけど、それによって歌に出会って、それによってこの黒人の血を持っているおかげで出せる声だったり、経験があるっていうことで救える人がいるなっていうふうに思ったのはマイケルに教えてもらったことで。私がポジティブなメッセージを発することができるのはマイケルのおかげ」
CHIKOさんは歌手としての活動だけでなく、講演などでも自らの経験を伝える活動をしています。人生の道しるべとしていつも心にいるのが「マイケル」です。
武道キャスター
「CHIKOさんがこれからご自身の活動の中で、映画『マイケル』を見て刺激もらって新たに気づいたことがあったら…」
CHIKOさん
「そうですね…きれい事じゃなくて、憎しみって何も生まないなっていうのは、すごく世の中見てても思うんですよね。やっぱり連鎖していくだけでいいことがない。『この人も苦しみを持って今こういうことを言ってるのかな』とか、そういうふうに思いながらいつも歌を歌うようにはしているんですね。これからも目標として自分の作品を作るアーティストになっていく。そこには必ず、とにかく愛を持ってっていうことは、絶対に忘れずにいきたいなって思いますね」
マイケルの姿から、周囲との違いをむしろ自分の個性、魅力であると前向きにとらえることで、CHIKOさんは新しい世界への扉を開いたんですね。
きっかけは人それぞれかもしれません。SNSで簡単に世界と繋がることができる反面、誹謗中傷が目立つ今の時代こそ、互いの違いを認め合うことが大切だと教えられたように感じます。

