アメリカの衛星インターネットプロバイダーであるHughes Network Systems(Hughesnet)は、イーロン・マスク氏が設立したSpaceXの衛星通信サービス「Starlink」との競争で加入者が大幅に減少して資金繰りが悪化したことから、連邦破産法第11条に基づく破産の適用を申請しました。

With Subscriber Counts Decimated by Starlink, Hughesnet Files for Bankruptcy | PCMag

https://www.pcmag.com/news/with-subscriber-counts-decimated-by-starlink-hughesnet-files-for-bankruptcy



EchoStar's satellite internet unit Hughes files for bankruptcy | Reuters

https://www.reuters.com/legal/litigation/echostars-satellite-internet-unit-hughes-files-bankruptcy-2026-08-03/

Hughesnetの親会社であるEchoStarのCEOであるハミド・アハバン氏は2025年9月に、投資家向けプレゼンテーションの中で「SpaceXはStarlinkを利用したインターネット接続という点で、今日の市場において紛れもないリーダーだと考えています」と語りました。実際に、Starlinkのサービス開始から2か月後の2020年12月時点ではHughesnetの顧客数は156万人でしたが、2026年5月に発表された第1四半期決算報告書によると、Hughesnetの加入者数は3月31日時点で68万1000人と大幅に減少していることが判明しました。

さらに、EchoStarが2026年8月に発表した四半期報告書の中で、Hughesnetの加入者が第2四半期だけで5万9000人減少したことも示されました。EchoStarは報告書で「衛星通信を基盤とする競合他社や他の技術との競争が激化している状況が続いている」と述べています。

そして2026年8月2日にHughesnetはアメリカ連邦破産法第11条(Chapter 11)の適用を申請しました。Hughesnetは「今回の組織再編により、当社は満期を迎える担保付き債務および無担保債務への対応、資本構造の強化、そして企業、政府、防衛分野に特化した事業への変革の加速を図るとともに、顧客へのサービス提供を継続していくことができる」と述べています。裁判所文書によると、同社の従業員総数は1275名で、400名が解雇される計画とのこと。



HughesnetはChapter 11の下で事業を継続しながら再建を進める予定です。一方、規制当局への提出書類には、「Hughesnetは当面の事業運営に必要な流動性を十分に確保しており、バランスシートの適正化に取り組む中で、既存の現金を活用する予定です」と記載されています。

組織再編の一環として、Hughesnetの最高執行責任者(COO)であるポール・ガスケ氏は、EchoStarにおけるすべての役職を辞任し、上級顧問として留任しました。そして、FTIコンサルティングの上級マネージングディレクターであるロバート・デル・ジェニオ氏が最高組織再編責任者に任命されています。

裁判所文書には「今後を見据え、当社の経営陣と専門家は、複数年にわたる事業計画を策定中です。この計画により、当社の収益構成は消費者中心の事業から企業および政府主導のプラットフォームへと移行することが期待されます。企業・政府向け事業は既に収益に占める割合が増加しており、今後は連結収益の中心になる見込みです」と記されています。