「これを着ても戦えませんが…」クマ専用の防護服『熊テクター』とは?嚙まれても貫通しない強力素材は「軽くて着心地がいい」猟友会も評価「銃を構えやすい」
クマから身を守る防護服「熊テクター」京都の企業が開発
全国で相次ぐクマ被害。環境省によると、昨年度の全国のクマの出没件数は過去最多の5万776件で、2023年度の倍以上でした。
【写真を見る】噛み千切られないのか…?「熊テクター」の生地をクマに与えた結果は
また、昨年度は238人が被害を受け、そのうち13人が死亡しました。
そんな中、京都の企業がクマから身を守る防護服「熊テクター」を開発。一体、どんなものなのか?本物のクマに対して有効なのか?
MBS田邉龍太記者が実際に着用し、取材しました。
「もともと防護服を作っている会社だった」開発のきっかけは?
対クマの防護服「熊テクター」。京都府八幡市にある企業「サクセスプランニング」(2003年設立)が開発しました。
刃物を扱う加工場などで働く人に向けて、防災・防護服を作る会社です。
今回「熊テクター」を開発したきっかけは…
(サクセスプランニング 耼原由香子社長)
「昨年、その前から、クマがだんだん街中に出て来ている。何か対策はないかと」
「もともと防護服を作っている会社だったので、この素材を使ってクマ対策の防護服を作れないかと」
素材は「超高強力ポリエチレン繊維」カッターを当ててみると…
使用している素材は「超高強力ポリエチレン繊維」。強力な対刃性・耐久性を持つ素材です。
どのくらい強力な素材なのか、記者がカッターで切り付けますが…
(MBS田邉龍太記者)
「かなり力を入れてカッターを当てましたが、破れたり裂けたりする様子はありません」
実際のクマにも有効?「手のはく製」で実験すると…
実際のクマに対しても有効なのでしょうか?大阪産業大学と共同で実験が行われました。
振り子のおもり(26kg)に生地を取り付け、下に構えた本物のクマの手のはく製に向けて振り下ろした結果…
一般的なニットは大きく破れましたが、「熊テクター」と同じ生地は薄く跡が見える程度でした。
本物のクマに与えてみると…
さらに、今年6月には本物のクマでも確かめました。山形県の猟友会の協力を得て、捕獲したクマに「熊テクター」と同じ生地を与えることに。
興奮したクマは生地に噛みつき、食いちぎろうとしますが…
生地の表側は破れたものの、裏まで貫通するには至りませんでした。
記者が着用すると「動きやすい」「銃を構えやすい」
記者が実際に着用させてもらうと…
(MBS田邉龍太記者)「思ったより軽くて、動くのにも問題がなさそうです」
(サクセスプランニング 耼原由香子社長)
「動きやすくて、曲げやすい。猟友会の方も、銃を構えやすいということです」
「素材が生地で、鉄とかではないので、軽くて着心地がいいと思います」
気になるお値段は
記者が着用したものは、複数のパーツを合わせて値段が約24万円で、必要に応じてパーツごとの購入が可能。
「熊テクター」は今年5月に発売され、これまでに自治体や猟友会など、全てのパーツを合わせて400点近く売れているということです。
「クマと戦えるまではいかないが…初動対応として」
(サクセスプランニング 耼原由香子社長)
「命を守るためだと思う。これを着ていたら絶対大丈夫、クマと戦えるまではいかないですが、初動対応として、何も付けずにいるよりも、身を守るものとして付けていただけたら」
(2026年7月30日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)
