世界遺産守ったのは日ごろの消火訓練 五箇山・菅沼合掌造り集落の火事 原因はハチ駆除スプレーと殺虫用電撃ラケット 富山県南砺市
きのうお伝えしたように、南砺市五箇山の世界遺産菅沼集落では合掌造りの建物の屋根を焼く火事がありました。貴重な建物の被害を最小限にとどめたのは、速やかに初期消火にあたった住民たちの日頃からの備えでした。
きのう午後、南砺市の菅沼合掌造り集落にある「塩硝の館」で発生し、合掌造りのかやぶき屋根の一部を焼いた火事。警察と消防はきょう実況見分を行い、出火当時の状況などを確認していました。
越中五箇山菅沼集落保存顕彰会 中島慎一会長
「森林組合の方が私の家に消火栓を借りに来られて『どうしたがけ?』って言ったら『火事や』ってことで。瑛翔がおって『行く』言って」
中島さんの孫である小学6年生の瑛翔さんも消火活動に加わりました。
放水銃のボタンを押した中島瑛翔さん
「ここのプラスチックを親指で割って、そしてこの起動ボタンを押した」
「毎年(訓練を)手伝ってるからやり方がわかって」
「誰も怪我せずに鎮火できたのがよかった」
菅沼集落では毎年、住民や消防団員が消火訓練を行っています。KNBが撮影した4年前の訓練には瑛翔さんの姿も。今回は訓練の成果が発揮され、消防の到着前に住民のみでスムーズな初期消火ができたといいます。
越中五箇山菅沼集落保存顕彰会 中島慎一会長
「この起動ボタンを押さない限り放水銃の水が出ないんで。年に一回訓練やっとる賜物でこいつ(瑛翔さん)が頑張ってくれました」
「結の精神で頑張った、助け合った、声掛けあったのが(被害を)最小に収められたんじゃないかと思います」
南砺市は「被害状況を確認して今後復旧に努める」としています。
いっぽう火災の原因とみられるのが、ハチを駆除しようと使ったスプレーでした。こちらが実際に使っていたものです。このスプレーを噴射した後に、虫を電撃で撃退する「殺虫ラケット」を使ったことが原因とみられます。現場で作業をしていた県西部森林組合は「スプレーと殺虫ラケットの危険性を認識していなかった」としています。
富山県西部森林組合 福田均参事
「その指導(スプレーと殺虫ラケットを併用してはいけない)も、組合としては申し訳ないしてなかったです」
「今回の火災を受けてそこの再発防止というか、いろんな対策を急務しておるところです」
こちらはNITE=製品評価技術基盤機構による実験です。スプレーを噴射した後に火を近づけると…燃え広がりました。殺虫スプレーや制汗スプレーなどには可燃性のガスが入っているため、殺虫ラケットを使うと起きる火花のような「火種」があれば引火する恐れがあるということです。
NITEは、こうしたスプレーを火の気のある場所の近くでは使わないこと、また缶が破裂するおそれがあるため直射日光があたる場所や高温になる場所には置かないよう呼びかけています。

