北朝鮮の兵士(撮影日時不明、画質をAI補正:デイリーNK)

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北朝鮮西部の港湾都市・南浦で今月12日、国家備蓄の軍用食糧を横流ししたとして逮捕された軍の高級将校が公開銃殺された。デイリーNKの現地情報筋によると、きっかけとなったのは倉庫を警備していた兵士たちの通報だった。

警備兵らは、日頃から将校らの腐敗に不満を抱いていたとされ、深夜にもかかわらず大量の穀物が、倉庫管理責任者の黙認の下で運び出される異常な状況を目撃し、部隊保衛機関へ直ちに通報したという。

同様の事件は4月にもあった。南西部・黄海南道海州市で、軍向けに生産された水産加工品を大規模に横流ししていたとして、朝鮮人民軍傘下の水産事業所幹部らに対する公開裁判が行われたのだ。

(参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為

こうした事件が相次ぐ背景には、慢性的な軍の食糧不足と配給制度の崩壊がある。前線兵士の間で栄養失調が深刻化する一方、軍幹部らも生活苦から不正に手を染めざるを得ないのが実情なのである。

しかし、摘発された幹部たちには容赦なく重罰が下される。海州の事件では一部被告に無期教化刑に近い極刑判決が言い渡され、会場は重苦しい空気に包まれたとされる。給料も配給もない中、家族を抱えた軍幹部たちは座して死を待つわけにはいかない。一方、横流しが発覚すれば命にかかわる。まさに「進も地獄、退くも地獄」とはこのことだ。