OpenAIが2026年7月23日、ChatGPTに個人の医療記録やAppleヘルスケアの情報を接続できる「Health in ChatGPT」のアメリカ向け提供を開始すると発表しました。検査結果の変化や診察履歴、睡眠時間、運動量などをChatGPTが参照し、利用者の健康状態に合わせた回答を生成できるようになります。

Launching Health in ChatGPT | OpenAI

https://openai.com/index/health-in-chatgpt/



OpenAIによると、毎週3億人以上が検査結果の意味や診察前に準備する質問、生活習慣の改善方法などをChatGPT相談しているとのこと。しかし、従来のChatGPTは利用者の診療記録や日々の活動データを自動的に把握していないため、質問するたびに情報を入力したり資料をアップロードしたりする必要がありました。

Health in ChatGPTは情報を何度も説明する手間を減らし、複数の記録を時系列で確認しやすくするための機能です。利用者が許可すると、ChatGPTは過去と最新の検査結果を比較したり、前回の診察から変化した内容をまとめたり、睡眠や運動の傾向と生活習慣の関係を整理したりできます。



Health機能自体は2026年1月に一部ユーザー向けに先行公開されていました。先行公開時は通常のチャット画面と異なる「詳細な回答を得られる専用画面」を提供しており、健康情報が必要になるたびに専用画面に移る必要がありました。このため、専用画面が利用される機会は少なく、先行利用者が行った健康関連の会話の70%以上は通常のチャット画面で行われていたとのこと。食事の相談中にアレルギーを考慮してほしい場合や、週末の予定を立てる際に最近のけがを踏まえてほしい場合など、健康情報が必要になるたびに専用領域へ移動することが余計な手間になっていました。

今回の発表で、ChatGPTはHealthに接続した情報を通常の会話でも参照できるようになりました。ChatGPTは服用中の薬、検査結果、最近の診察、睡眠、活動量などから質問に関係する情報を参照します。利用者がメッセージに「@Health」を付け、接続済みの健康情報を参照するよう明示的に指定することも可能です。

接続先にはAppleヘルスケアのほか、アメリカの対応医療機関が提供する医療記録、Amazon傘下の診療サービス「One Medical」、健康検査サービス「Function Health」などが含まれます。Appleヘルスケアにデータを共有しているウェアラブル端末や食事管理アプリの情報も利用できますが、アプリ独自の指標などは引き継がれない場合があるとのこと。



健康情報を使う際は既定でChatGPTが利用者に許可を求めます。1回だけ許可する方法と常に許可する方法を選択でき、設定は後から変更可能。また、「Appleヘルスケアの情報」「医療記録」「健康情報を使用した会話」は基盤モデルの学習や広告のターゲティングには使われないとOpenAIは説明しています。

接続を解除した場合、同期されたデータはOpenAIのシステムから30日以内に削除されますが、過去の会話に含まれた健康情報は利用者が該当する会話を削除するまで履歴に残るとのこと。

Health in ChatGPTは記事作成時点でアメリカ在住の18歳以上を対象に、ウェブ版とiOS版のChatGPT Free、Go、Plus、Proで順次提供されています。OpenAIは医師と協力しながら健康分野の回答精度や安全性を引き続き改善し、複雑な情報を分かりやすく説明しつつ、医療の専門家による診療が必要な場面を認識できるよう開発を続けると述べています。