北朝鮮の金正恩総書記が、まだ十代前半と見られる娘・ジュエ氏を国際社会の前に積極的に登場させている背景には、単なる父親としての愛情や権威演出以上の、より深い動機が潜んでいる可能性がある。それは、彼自身が経験した「血塗られた権力継承」の記憶だ。2010年、金正恩氏は父・金正日総書記の後継者として公式の場に姿を現した。しかし当時、世界はおろか、北朝鮮国内ですら、彼がどのような人物なのかをほとんど知らなかった