元サッカー日本代表・中澤佑二、娘2人がラクロス日本代表に!自身もコーチとして奮闘「子育てに“褒めて伸ばす”はない」

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7月24日(金)、ラクロス世界一を決める『世界ラクロス女子2026東京』が開幕する。

悲願の初メダルを狙う日本代表の注目は、“ラクロス最強姉妹”こと中澤こころ(24歳)と中澤ねがい(22歳)。

姉・こころは日本ラクロス界が誇る絶対的エースにして最強のレフティーアタッカー、妹・ねがいは走攻守3拍子揃ったミッドフィルダーとしてチームを牽引する。

【映像】中澤佑二、家族で目指す五輪の夢「同じピッチでいたい」

実は2人の父は、「ボンバー」の愛称で親しまれたサッカー元日本代表の中澤佑二(48歳)。愛娘のためラクロス指導者に転身し、現在は代表コーチ入りを目指している。

「中澤家の子育てに“褒めて伸ばす”はない」と語る父のスパルタ指導のもと、親子3人が見据えるのは五輪での金メダルだ。

テレビ朝日のスポーツ番組『GET SPORTS』では、夢に向かって突き進むアスリート・ファミリーの挑戦に迫った。

◆五輪メダルは「家族共通の思い」

以前から行きつけだという青山のレストランで取材に答えた3人。ブラジル料理・シュラスコに舌鼓を打ちながら、親子の会話を楽しんだ。

こころ:「最近あんまりしゃべってなかったじゃん。パパが忙しいから」

佑二:「だって、もうしゃべれないくらい(忙しかったから)」

こころ:「多忙だったもんね」

佑二:「(次のワールドカップまで)4年ぶんを働くと思って。俺いま、どこの局にいるんだっていうくらい」

こころ:「そんなに?(笑)」

ねがい:「『ボンバー』ってどうやって考えたの?」

佑二:「自分でだよ」

こころ:「自分で? うちらも自分で考えなきゃいけないんだ!」

佑二:「セルフプロデュースだよ。自分のことだから自分で考えなきゃ。こういうラクロスがしたいとか、こういうふうに言ってほしいとか、自分のプレースタイルを踏まえてね」

実はこの親子にはいま、共通の目標がある。

こころ:「いちばん良いのは、家族3人とチームが一丸となって試合でメダルを獲ること。家族共通の思いだと思う」

佑二:「俺は同じピッチにいたいだけ。指導者としていたいよね」

3人が目指すのは、2028年のロサンゼルス五輪。ラクロスは120年ぶりに正式種目として採用された。日本は現在世界ランキング4位と、メダル獲得も射程圏内だ(6人制)。

姉妹はプレーヤーとしてオリンピック出場を見据える。一方、父・佑二も、現在は大学のラクロス部でヘッドコーチを務めながら代表コーチの資格取得を目指している。

佑二:「俺は(サッカーで)オリンピックに出ているけど、世界大会以上に本気で来るから、国を挙げて勝負に来る。会場の空気はいままでの試合と違うと思うから、そこは気をつけたほうが良い。ラクロスの未来を背負っていることを、もっと日本の選手たちは理解しなきゃいけない」

こころ:「目標は高くあるべきかなと思う。上を目指さないと超えられないものはたくさんあるし」

佑二:「その努力を(五輪までの)2年間でやらなきゃいけない。厳しいけどやりがいもある。最低でも銅、最高で金でしょ」

こころ:「やっぱりメダルを獲りたい」

ねがい:「獲りたいね」

◆姉妹として、選手としても正反対な2人

世界の舞台で戦ってきた父に育てられたこころとねがい。父から見た姉妹2人の性格は…。

佑二:「ねがいは時と場合によって頑固で、こころは普段から頑固」

こころ:「いちばんタチ悪いじゃん(笑)」

佑二:「こころは基本的には丁寧に育てたのよ。ねがいはどちらかというと雑に育てた(笑)」

ねがい:「こころが怒られるのは見てたな」

佑二:「こころに手がかかるから、ねがいはちょっと放置しても大丈夫って」

こころ:「じゃあ(ねがいは)いい子だったんだね」

一方、選手としてはどう見ているのか。

佑二:「こころは昔からジグザグに動くのが得意だったから、やっぱりアタッカーとしてはそれが武器になっているよね」

こころ:「フットワークはいっぱいやってた気がする。私はいちばんにゴールに向かわなきゃと思って」

佑二:「ねがいの武器はディフェンスもオフェンスもできるところ」

こころ:「ねがいちゃん、なんでもできちゃうよね」

ねがい:「やっぱり自分でもオールマイティーにいきたいなと思っている」

こころ:「ねがいちゃんはやっぱり走れるからね。今年の日本代表はねがいちゃんも含めてよく走る。走って切り替えてまた走ります」

◆“サッカーはやらせなかった”父の気持ち

中澤家とラクロスの出会い。それは、姉・こころの中学入学の時。

佑二:「ラクロスを始めたのはこころでしょう? こころが『ラクロスをやる』って言うから、中澤家は『何?ラクロスって?』ってなった」

ねがい:「なんでラクロスにしたの?」

こころ:「ママやパパから『ラクロスもあるよね』って言われて。うちの中高がラクロス強かったし、新しいからやってみようみたいな。新人戦とかパパ見に来てくれたよね」

佑二:「急いで駆けつけて行ってみたら、もうこころはいなかった」

こころ:「負傷交代してました(笑)」

佑二:「それがスタートだからね。『ラクロスって危ないの?』(って思った)。ルールを知らなかったから」

こころ:「ルールをめっちゃ聞かれた記憶がある。でも、サッカーをやったことはなかったね」

佑二:「『サッカー選手の子ども』っていう目で見られるから、うまくなきゃいけないし、サッカーは絶対(すすめなかった)。やりたいって言っていたらやらせていたけど、こっちからやれっていうのはなかったね」

そして姉を追うように、妹・ねがいもラクロス部に入部。姉妹が高校に進学する頃には、父も徐々に指導に関わるようになる。

佑二:「現役中も(娘の)部活の練習に入っていってたからね」

こころ:「ボール拾ってたね」

佑二:「高校1年ぐらいからかな。練習中も声をかけるようになって」

こころ:「パパが考えた練習メニューをやったり、合宿もパパのメニューで回していたよね」

◆「サッカーの練習をラクロスに落とし込んでいる」

そんな3人は、ラクロスとサッカーには意外な共通点があると明かす。

佑二:「グラウンドも一緒だし、履いているスパイクもほぼ一緒」

こころ:「ボールを運ぶところはすごく似てるなって思う」

佑二:「ゴールに向かう動きやパスをもらう・パスを出す動き、ボールをゴールに向かって運ぶ動きは一緒かも」

こころ:「抜け出し方もね」

佑二:「(パスの)受け方やマークの外し方も一緒かもしれない。あと練習も似ている。だって俺が教える練習はほぼサッカーの練習だから。サッカーの練習をラクロスに落とし込んでいるだけ。全部サッカー」

ねがい:「確かにサッカーの練習見ていると『あれっ?』って思う」

佑二:「もうベースはサッカー、俺はね」

◆直面した世界の壁「これじゃ勝てない」

父の指導もありメキメキと実力を伸ばした姉妹は、大学進学とともにアメリカへ留学。親元を離れ、異国の地で姉妹2人暮らしをスタートさせた。言葉の壁や慣れない環境があっても、ラクロスで上を目指して奮闘を続けた。

実は留学のきっかけは、その1年前。こころが17歳、ねがいが15歳の時にU19日本代表に選出され、初めて世代別の日の丸を背負った。日本代表は22チーム中5位と好成績を収め、こころはチームトップの23得点を挙げて大会ベスト10にも選出された。

佑二:「2人とも日の丸を背負う時はどんな気持ちだった?」

こころ:「うちはパパが小さい頃から日の丸を背負っているのを見てきたから、やっぱり自分も背負いたいなとは思っていた。違うスポーツだけど、目指せるんだったらって」

佑二:「上にいきたいっていうのは言ってたな」

こころ:「やっぱりワクワクしたね」

ねがい:「自分の実力でどこまでいけるのか、みたいな気持ちもあったよね」

佑二:「アメリカが異常に強かったな。異常に走れた」

こころ:「すごかったね」

ねがい:「レベルが違った」

佑二:「世界のレベルが高すぎちゃって、これじゃ勝てないよねって。でもそれがあったから、アメリカに行くって決めたんだよね。俺は絶対留学させる気でいたから」

こころ:「パパも留学してたしね」

佑二:「俺のブラジル留学の時は、財布や金はなくなるし、スパイクもなくなるし、洋服は貸してくれないし、練習にも混ぜてもらえなかった(笑)」

こころ:「うちらも頑張ろうって思ったよね」

ねがい:「アメリカに行ったことで、自分で突き進む力はついた気がする」

こころ:「私も。留学でいちばん得たのは、ゴールに向かう姿勢。どんなに強いディフェンスでもこじ開けなきゃいけないから」

◆「勝てると思った試合だった」涙の敗戦

アメリカへの留学で一回りも二回りも成長した中澤姉妹は、昨年夏に行われた世界大会に2人揃ってフル代表として出場。強豪・オーストラリアと対戦した3位決定戦では、日本の12得点のうち姉妹2人で6得点を奪う大活躍を見せた。

試合は延長戦で1点を奪われ、惜しくも敗退。日本にとって過去最高となる4位への大躍進となったが、姉妹に満足した様子はなく、試合後には悔し涙を流す姿もあった。

こころ:「すっごい悔しかった」

佑二:「勝てるゲームだったからね。やっぱり練習の成果がそのまま出るな。ミスすることを怖がっている選手がまだ日本には多いから、それがそのまま大会で出た気がする」

ねがい:「自分のシュート能力がまだまだだったし、ちょっと苦手な面もあったから、やっぱりそこは足りなかったなと思う」

こころ:「全体的にすべてが少しずつ足りなかった。気持ちも技術も、練習の内容も、みんなの志もそうかもしれない。これが次のオリンピックにつながる。絶対に勝つ、絶対メダルを獲るって思って」

ねがい:「自分たちの中では勝てると思って臨んだ試合だったし、勝たなきゃいけなかった」

あの悔しさから1年。リベンジの舞台となるのが、今月東京で開幕する4年に1度の世界一決定戦『世界ラクロス』。日本は悲願の初メダルを狙う。

佑二:「アマチュアスポーツは勝たなきゃいけないから、勝てないとメディアは取り上げてくれない。サッカーも野球もそう。勝たなきゃ何も起きないから、シビアなところも含めて頑張らないと」

こころ:「頑張らなきゃ」

佑二:「やるからには優勝を目指さないと。どこと戦っても勝つ気でいかなきゃいけない」

こころ:「(自分は)チームでいちばん点を取る」

佑二:「大会得点王でしょ」

こころ:「大会得点王か、頑張るわ」

ねがい:「私は全部に対して勝ちたい」

こころ:「前回よりもどのチームよりも、もっと走れるわけだし、せっかく日本開催で慣れている環境だから、余計に走らないといけない。私とねがいちゃんがチームを引っ張っていかないと」

佑二:「頑張んなきゃダメだよ、アメリカに行ったんだから。アメリカの経験がある選手が頑張らないと」

こころ:「メダル欲しいねぇ」

佑二:「欲しいじゃない。獲るんだよ。欲しいっていう願望じゃダメ。獲る!獲る!」

かつて日の丸を背負い、世界と戦った父・佑二の思いは、競技を超えて娘たちへと受け継がれた。家族であり、選手と指導者でもある親子3人が夢を追う日常は、これからも続いていく。