半導体銘柄が大崩れし、日経平均株価が急落する中、外食大手サイゼリヤの株価は7月16日にストップ高を記録するなど、逆行高となっている。

「15日の第3四半期(昨年9月〜今年5月)決算発表で、松谷秀治社長(68)が9月以降に価格改定を視野に入れていると発言したことが投資家に好感された。全国統一価格から立地別価格への移行も視野に入れると踏み込んだことも、収益改善への本気度を感じさせます」(市場関係者)

 第3四半期の連結決算は、純利益が前年同期比12%増の87億円となり、この期間として過去最高を更新した。

「円安進行による輸入食材コストの上昇があったものの、既存店の好調な売上や販売管理費の削減により吸収した形です」(同前)


サイゼリヤの株価は5000円台から7600円(7月17日終値)まで急騰

 ただ、サイゼリヤは物価高にあっても、「値上げしないで頑張る外食チェーン」として顧客から支持を得てきた。その路線を牽引してきたのが、創業者の正垣(しょうがき)泰彦会長(80)だ。

「正垣氏は東京理科大出身。ロジカル思考に基づいた“理系経営”で知られます。例えば、1回のモップ掛けで効率的に掃除ができるよう、モップ幅と通路幅を同じにしている。揚げ物メニューを置かないのは、フライアーのメンテナンスコストが販売メリットを上回るためです」(外食関係者)

 競合他社とは対照的に値上げを見送ってきたのも計算ずくだった。狙いは、他社から新規顧客を取り込むこと。近年の右肩上がりの業績を見れば、この戦略は成功してきたとされる。

《この続きでは、値上げ発表に関するサイゼリヤ社長の発言、絶好調のサイゼリヤの経営に隠された「盲点」などを市場関係者や外食関係者の証言とともに報じている。記事の全文は現在配信中の「週刊文春 電子版」および7月23日(木)発売の「週刊文春」で読むことができる》

(森岡 英樹/週刊文春 2026年7月30日号)