暑い夏に食べたいアイスクリーム類選びは何を意識するべきか。内科医の木内麻里さんは「シャーベットやアイスキャンディーなどの『氷菓』は、血糖値が急上昇しやすくなる。もし食べるなら、糖質は高いものの、たんぱく質や食物繊維、ビタミン、ミネラルなどが含まれているアイスを選ぶといい」という――。

※本稿は、木内麻里(著)、日比洋子(監修)『その食べ方は栄養を吸収してません』(青春出版社)の一部を再編集したものです。

写真=iStock.com/Louno_M
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Louno_M

■血糖値を上げるおやつの種類

ゼリー、アイスなどの液体系のおやつは、嚙んで食べるおやつよりも糖質の吸収が速いため、注意が必要です。

低血糖の人がブドウ糖の粉末やタブレットを口にすることがありますが、これと同じ原理で、すみやかに血糖値を上げる作用があるのです。

甘いペットボトル飲料やスポーツドリンクも同じです。ちなみに、野菜ジュースや果物ジュースにも、糖質が多く含まれています。

患者さんでも、野菜不足だからと野菜ジュースを飲んでいる人がいますが、「原材料をよく見てください」とお伝えしています。野菜ジュースといっても、糖質の高い野菜が含まれていたり、果物が多く含まれていたりします。

また、ヘルシーなイメージがあるお酢ドリンクも、飲みやすくするために砂糖を多く加えていることがあります。

いくら体によさそうだといっても、糖質が高いものを液体で一気に流し込めば、血糖値が急上昇してしまいます。

日常的に飲む飲み物は、できるだけ水やお茶にするのが基本。甘い飲み物は「水分摂取とは別物」と考えるようにしましょう。

また、市販のカップゼリーは、ゼリーの成分であるゼラチン自体はいいのですが、サイズも大きく甘いので、丸ごと1個食べてしまうと、かなりの糖質を摂ることになります。フルーツゼリーになれば、さらに果物の果糖(フルクトース)も摂ることになります。

食べるなら、砂糖が控えめの寒天ゼリーを手づくりするのがベストですが、市販のものならひと口サイズのこんにゃくゼリーなどがいいでしょう。ただし、小さいからといって2個、3個と食べてしまったら意味がありません。

■暑い季節にさっぱり「氷菓」を食べるなら

こんにゃくゼリーを凍らせて1個ずつ食べると、アイスの代わりにもなり、食べすぎも抑えられます。喉に詰まらせないよう、口のなかでよく溶かしながらゆっくり食べましょう。

そしてアイスを食べるなら、なるべく高級なアイスを選ぶのがおすすめ。ここでいう高級アイスとは、種類別の名称が「アイスクリーム」と書いてあるものです。

アイスクリーム類には、「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」の3種類があります。なかでも「アイスクリーム」は乳固形分と乳脂肪分がもっとも多いもの。

もちろん食べすぎれば太りますが、添加物も少ないので、たまに少量食べるなら、満足感が高いものを選びましょう。

このほかに、シャーベットやアイスキャンディーなどの「氷菓」があります。乳成分が含まれておらず、暑い季節にはさっぱりして食べやすいのですが、甘い飲み物と同じように血糖値が急上昇しやすくなります。一方で、たんぱく質や脂質などは含まれていません。

もし食べるなら、あずき入りのアイスキャンディーがベター。糖質は高いものの、あずきにたんぱく質や食物繊維、ビタミン、ミネラルなどが含まれているからです。

医師が勧めるアイス。50年以上のロングセラーとなっているものもある(画像=Ocdp/CC-Zero/Wikimedia Commons)

■ビタミンC摂取の恩恵を上回る、果物の“害”

「果物はビタミンCが豊富だから」と積極的に摂っている人は多いですね。

たしかに、ビタミンCは体内で合成することができない栄養素ですから、食べ物を通して摂取するしかありません。

しかし、果物には果糖(フルクトース)も多く含まれています。これが問題なのです。

糖質は、単糖類、二糖類、多糖類などに分けられます。単糖類にはブドウ糖や果糖、二糖類にはショ糖や乳糖、多糖類にはでんぷんなどがあります。

単糖類である果糖は、ブドウ糖に比べて血糖値を急激に上げません。そのため、いくら食べてもいいと思われがちなのですが、実はそこに落とし穴があるのです。

果糖はインスリンの調節を受けないため、とても速いスピードで肝臓で代謝されます。その結果、速やかに中性脂肪になりやすく、脂肪肝のリスクが高まってしまうのです。

■ついつい果物を食べすぎてしまう理由

また、通常は食べ物を食べることによって血糖値が上がると、インスリンが分泌され、満腹中枢が刺激されて食欲にブレーキがかかります。

ところが果糖は摂取してもインスリンの関与を受けないため、このメカニズムが働きにくくなります。そのため、ついつい果物を食べすぎてしまうというわけです。

さらに果糖は、「糖化(とうか)」しやすいこともわかっています。

糖化とは、体内で余分な糖がたんぱく質と結びつき、AGEs(エイジズ)(終末糖化産物)を産生する反応をいいます。体内にAGEsが蓄積すれば、老化を加速させ、糖尿病やがん、骨粗鬆症などあらゆる病気の引き金になります。

高齢者のなかには、果物をよく食べている人もいるかもしれせんが、摂りすぎはかえって骨粗鬆症のリスクを高めてしまうので注意が必要です。

付け加えると、最近の果物は糖度が高いものが増えているので、果物でもブドウ糖が多く含まれていて、血糖値を急激に上げるものもあります。

糖質の最小単位は単糖類。二糖類や多糖類は単糖類に分解されてから体内で吸収される。血糖値をもっとも速く上げるのがブドウ糖。一方で、果糖はほとんど血糖値を上昇させないが、中性脂肪に変わりやすい(出所=『その食べ方は栄養を吸収してません』)

■朝バナナ半分にこれで血糖値が上がりづらい

さて、ここまで果物を食べることのデメリットばかり書いてしまいましたが、もちろんいい面もあります。

果物にはビタミンCのほか、各種ビタミン、ミネラル、食物繊維も豊富に含まれています。種類を選び、食べ方に注意しながら、上手に食生活のなかに果物を取り入れてください。

《食べ方アドバイス》

果物を害にしない食べ方として重要なのは、「食べる時間帯」と「種類」です。

おすすめの時間帯は朝。朝なら摂った糖質はエネルギーとして消費されるからです。食事の最後にデザートとして少量摂るようにしましょう。

木内麻里(著)、日比洋子(監修)『その食べ方は栄養を吸収してません』(青春出版社)

ちなみに、以前“朝バナナ”がブームになったことがありますが、空腹時に1本食べると血糖値が上がりやすくなります。食べるならバナナを半分にして無糖ヨーグルトとあえましょう。ヨーグルトと一緒に食べることで、糖の吸収が少しゆるやかになります。

また、バナナの皮をむいてからラップを巻いて薄くつぶして凍らせておくのもおすすめ。凍った状態でバナナを食べたい分だけ割り、ほかの果物とヨーグルトであえる、といった使い方もできます。比較的、果糖が少なめの冷凍ブルーベリーもいいですね。

果物の種類については、以下を参考にして選んでください。

【果糖が多い果物】食べるときは少量にするなど工夫する

ぶどう、りんご、梨、バナナ、マンゴー、柿

【果糖が少なめの果物】

キウイ、みかん、いちごなどのベリー系(何個も食べないように注意)、グレープフルーツ

なお、降圧剤のなかには、グレープフルーツが禁忌とされているものがありますので、よく確認してください。そのほか、薬を服用している方は、医師に相談のうえで摂取してください。

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木内 麻里(きうち・まり)
金内メディカルクリニック副院長
医学博士。人間ドック健診専門医。日本医師会認定産業医。高濃度ビタミンC点滴療法認定医。聖マリアンナ医科大学を卒業後、日本大学医学部第三内科に所属し、内科診療を中心に臨床経験を積む。その後、米国ハーバード大学医科学研究所に留学。消化器内科、糖尿病診療を軸とした内科医療に加え、予防医療やアンチエイジング医療にも取り組んでいる。
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日比 洋子(ひび・ようこ)
管理栄養士
オーソモレキュラー分子栄養医学協会認定栄養カウンセラー。管理栄養士として10年間、病院・介護施設で栄養管理・栄養指導を行った後、歯科・美容皮膚科・整骨院・内科クリニックなどで7000人以上の栄養相談・カウンセリングに携わる。現在はクリニックでの栄養カウンセリングを行う傍ら、セミナー講師としても活動している。
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(金内メディカルクリニック副院長 木内 麻里、管理栄養士 日比 洋子)