ヤマルの得点が決まっていれば、3点目となっていたが…。スペインがフランスを相手に完勝した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 北中米ワールドカップ準決勝のスペイン対フランスは、2-0でスペインがフランスを全く近寄せず圧勝した。

 出場国が48に増えた今回のワールドカップ。国内(日本)ではワールドカップは素晴らしいと絶賛の声が聞こえるが、世界ではどう見えているのであろうか?

 ベスト4にFIFAランキング4位までの上位国が残り、まずはスペインがファイナリストとして待つ形。イングランド対アルゼンチンの勝者と決勝で激突する。

 
 もちろん楽しみでならないが、今回のワールドカップを手放しで喜んで良いのか? この盛り上がりは本物なのか?

 まずはスペイン対フランス戦から振り返ると、試合前は「フランス最強」と言っていた人がたくさんいた。

 だが、その試合はまるで大人と子供。スペインの「良さ、らしさ」だけが印象に残った。

 結果、周りで伝える人の言葉は何であったんだろうか? もちろんサッカーは次にやったら、どんな結果になるかは分からない。この試合が、たまたまこの差になったのかもしれないが、僕は正直にスペインが勝って嬉しかった。

 フランスのサッカーは、どこかパリオリンピックの柔道フランス代表を思い出す。オリンピックの団体決勝のような…。勝利はしていたが、どこか内容はワクワクするようなサッカーではなかったからだ。

 そしてスペイン対フランスの試合から、日本代表の現在地がはっきり見えてくる。正直、サッカー人が使う厳しい表現を使わせてもらえば、まだまだ「日本は話にならない」のであろう。

 いまのサッカー界は欧州(ヨーロッパ)志向となり、サッカーのスタンダード、基準がそこにある。ここに割って入ってこられたのは、最近ではアルゼンチンだけだ。これもアルゼンチンというよりも、“メッシのいる”アルゼンチンだった。

 その欧州隆盛の中で、フランスは1998年の自国大会をしっかり制し、2018年ロシアW杯で2度目の優勝を成し遂げている。

 そして組織的にもよくオーガナイズされ、しっかりとした育成と現代サッカーの分析が着実になされている印象がある。それはサッカーだけではなく、日本の誇る柔道の世界を見ても研究心、学ぶ力が非常に高いイメージを持つのがフランスだ。

 また日本サッカー界も、フランスの組織を学び、取り入れて成長してきた面がある。

 だからこそ、フランスは周りの国にとってグッドスタンダードであり、今大会でも優勝候補のひとつでもあり、エムバペというたくさん得点を取れるストライカー、スターの存在もあって、「最強」と言われて可笑しいことは何ひとつなかった。

 しかし、何か僕にとってはつまらない。フランス代表は今大会、楽しみに追いかけたチームではない。
 ブラジル代表、日本代表への期待という単純な応援ワールドカップではあるのだが…、やはりスペインの勝利に頷き、嬉しかった。やはりサッカーはこうでないと…。

 途中交代で入ってきた20番のペドリと7番のフェラン・トーレス。入った瞬間から相手のプレースピードを把握し、全く相手のプレスを気にする事なくボールを保持。切り替え速く、察知も予測も速く、攻守に機能できる選手たちだった。

 チームの主力の多くはバルサだからとは言え、ワールドカップの準決勝で相手はフランスだ…。

 終盤になるにつれ、GKを中心に守備の選手は次第にフランスのプレーに慣れてきた感じはあった。一方で攻撃の選手は、2-0で勝っているだけに役割がボヤケがちになるところで、そんなことも一切なく、下手をすれば3点目も奪うのではないかというほど、最後までサッカーの魅力を披露してくれた。

 そして、このハイパフォーマンスを、スペインが展開したサッカーを横目に「優勝」を掲げた日本代表は日本で、にこやかにテレビでコメントできる。

 狙っていると言ったけど、本気ではありませんよ…、なら仕方がない。

 その言葉を受けた人々(メディア、スポンサー、ファン・サポーター、国民)も本気では思ってませんよ…、なのであろうか?

 こうした空気はどうなんであろうか? そこは僕の育った環境とは違うが、「日本文化」として今の世の中、「有り」なのであろう。

 間違いなく、今回の日本代表はベストを尽くした。そして攻撃の中心選手が怪我で欠けても、言い訳も一切しなかった。

 キャプテンである遠藤の直前での離脱も、チームの団結という力に変えた。

 そして鬼門である2戦目のチュニジア戦では、歴史に残る4得点を挙げての圧勝という試合を見せてくれた。

 敗れたブラジル代表との試合も、先制点を叩き出し、プラン通りに進めた。最後は力不足だったが、日本らしさを発揮した。

 ブラジルをはじめ南米の国であれば、このタイミングの敗戦は死であり、許されるものではない。理由はあまりにも目標とは遠すぎる、早すぎる終戦。

 プロの世界、世界最高のプロの大会だ。これは「戦犯」となりうる。

 もちろん、本当は「戦犯」ではない。しかし戦犯と自分の心を位置付けて次へのステップへ進むべき世界なのでは…。

 もちろん南米国とは違う。テレビの立ち位置や価値、存在、影響力も日本のテレビと世界のテレビは違う。だから、プロアスリートは芸能人と近い存在になってもおかしくはない。

 僕は今回のワールドカップでの日本代表をすごく評価している。

 しかし、日本へ戻って、次を迎えることになった日本サッカー界はどうなのだろうか?

 緩くないか? 甘くないか? これは楽だね…、次は本当に力を出せるのかな?

 そんな不安を抱きながら、自分だったらどうなんだろうと、厳しく自分の好きなサッカーを見つめなおしている。

 もう一つの準決勝はイングランド対アルゼンチン。

 予想はズバリ! イングランド対スペインの決勝。勇気を出して書いたがどうなるかだ(笑)。このコラムがアップされる頃には結果も出ているであろう。

 北中米ワールドカップも残り3試合。また何を感じるのであろうか…。

2026年7月15日
三浦泰年
【三浦泰年の情熱地泰】ブラジルは"ブラジル"ではなくなったのか――敗退で突き付けられた、日本サッカーへの問い