「株なんて怖い」って思っていたのに…!8年間で4億の資産を築いた専業主婦が“心がけていたこと”

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株式投資未経験だった56歳・主婦が…

米国株式市場は空前のAIブームだ。6月12日、イーロン・マスク氏(55)率いるロケット打ち上げやAI開発を手がける『スペースX』がナスダック市場に新規上場すると終値は160ドル95セントと公開価格の135ドルを大きく上回り、時価総額2兆1000億ドル(340兆円)に。上場益でマスク氏は世界初の「トリリオネア(資産1兆ドル、160兆円以上)」、世界一の富豪となった。

今後も生成AI・Claudeで知られる『アンソロピック』や、同じくChatGPTで知られる『オープンAI』の巨額新規上場が予定されている。米国市場は世界中の投資家の関心を集め、さらに世界中のマネーが流入していくこととなろう。

マスク氏は『狂人だ』と揶揄されますが、手がけたテスラ、スペースXなど次々とイノベーションを起こしている。現在は『人型ロボットの「オプティマス」が家庭に入って家事を担う』と発言しているように、彼には凡人には見えない景色が見えています。これからも世界を変えていくでしょう。

そんな天才が手がける事業が発展し、企業価値も高まっていくのは自明の理。テスラ株やスペースX株は買い増すことはあっても手放すことはしません。マスク氏の事業の未来を信じ、応援する気持ちで株を持ち続けます」

そう語るのは『専業主婦、株式投資で4億円。56歳・未経験からのスタート』(フォレスト出版)著者のナスダッ子さん(65)だ。

56歳から米国株を運用し、8年間で6000万円の資産を8倍の4億円までに押し上げた専業主婦の投資家である。短大卒業後、出版社に3年勤めた後に26歳で8つ年上の新聞記者の夫と結婚。朝5時半に起きてお弁当作りをして家族を支えた。30年間もフツーの主婦だった彼女が投資に目覚めたのは、夫が定年を延長せずに63歳で退職宣言をしたことが発端だ。

「狼狽売りは二度としない」

「30年の投資信託や個人年金などで資産は6000万円あり、“老後2000万円問題”はクリアするも『年金支給まで1年間は収入ゼロ』の状況でした。

記者時代、夫は個別株の売買を会社から禁止されており、『同居する家族が買っても解雇』と厳しいモラルを求められていました。夫が退職した’17年に米国株への投資をはじめましたが、当時は株式投資は未経験。右も左もわからず、身近なものへ投資するしか手がなかった。

私はアマゾンによって買い物が激変して、もうアマゾンなしの生活には戻れない。『アマゾンは生活のインフラとなり、この先衰退することはまずない』と判断。すでに株価は上昇していましたが、一括で500万円投資しました」(ナスダッ子さん、以下同)

ナスダッ子さんの投資のキモは「成長する市場・企業を見極め」「長く持ち続け」「不況下でも信じて売らない」というシンプルなもの。現在の資産は5億強で、ポートフォリオはテスラの他には半導体大手『エヌビディア』、半導体大手『マイクロンテクノロジー』などで構成されているという。

「ビギナーズラックと言われるように開始から半年で6000万円が9000万円と1.5倍に膨れ上がり、楽しくて仕方なかった。ところが’18年のクリスマスショックでハイテク株が軒並み下落。ここで下落に耐えられず、エヌビディアを狼狽売りしてしまったことは、いまでも後悔しています。この失敗を経て、狼狽売りはもう二度としない、と誓ったのです。

振り返れば、リーマンショックでさえも3年で戻った。好業績の企業でもパンデミックや戦争が起きれば一時的に急落する場面が訪れます。そこでオロオロしないこと。耐えればいずれ株価は回復します。むしろ下がった時に買い増しています。最初から『3割下がるのは想定内』と思って購入しておくことで心乱される確率はぐっと減りますので」

12ドルが200ドル超え

ナスダッ子さんを「億り人」にしたのはエヌビディアだ。ゲーム好きが高度な3Dゲームを楽しむ上で欠かせないのが、エヌビディアの画像処理装置の『GeForce』。

秋葉原にゲームや家電を買いに行ったり、趣味でハイテク産業の展示会を見学していると、エヌビディア社の製品が多く使われていることに気が付いた。PCの半導体ではインテルが急速に力を落とし、世間ではAIなる言葉が徐々に流布され、ゲームチェンジは始まっていた。

「当時のエヌビディアはまだ一般の人にとって『何の会社なの?』という状況。’17年にトヨタとエヌビディアが協業した際も『あのトヨタが謎の企業と組んだ』という報じ方をされていました。一般の人はエヌビディアのすごさをわかっていなかったし、知っている人でもゲーム用のGPU(画像処理装置)を提供する部品会社の一つ、という認識。株価もお手頃でした」

同社の株価は1999年の新規上場時は12ドル。コロナ禍直前には6ドル前後と低迷するも、『Google Cloud』や『Microsoft Azure』などの大手クラウドサービスでもエヌビディア製品は欠かせない存在となり、株価は驚異的に飛躍。現在は200ドル前後で推移する大化け銘柄となった。

「一生一緒にエヌビディア

投資家の間でそのフレーズが流行っている。三木道三のヒットソング『Lifetime Respect』のサビ部分をもじったフレーズで、AIを牽引するエヌビディアの成長を信じ、長期保有を誓い合うというものだ。

「よく『ポストエヌビディアは何ですか』と問われます。最近までは『テスラ』と応じていました。マスク氏は先見の明がある起業家で、世界を変える発明を今後もしていくでしょう。エヌビディアもまだこれからの企業です。自動運転が当たり前にもなっていませんし、AIもロボットもまだまだ進化していきます。

実現の壁は高いですが、スペースXエヌビディアが組んで宇宙にデータセンターを作る計画もあります。他の惑星なら土地問題もないし、太陽エネルギーは無限に降り注ぎ、宇宙はマイナスの世界で冷却する必要もない。世界の秀才が集まる企業となったので、あっと驚くイノベーションを起こすでしょう。いずれ『エヌビディアが200ドルで買えた時代があったのか』となりますよ」

5億円まで資産を増やしたナスダッ子さんは青山で起業し、ショールーム兼サロンを構えた。また金曜の夜は銀座のビルの一角でスナックを開業し、多くの人との会話を生きがいとしている。

「投資のおかげでやりたかったことが実現できました。老後のおカネに悩むこともない。これからは恩返しをしていきたい」

世界を変えるイノベーションを起こすことはわれわれにはできない。だが、天才の持つ会社の株を持つことはできる。ナスダッ子さんのように世界が変わりゆく様相を、株を持ちながら見届けるのも一興ではないか。

取材・文・写真:岩崎大輔