SNS禁止法が施行されて3カ月が経過するも16歳未満の約86%がSNSを使い続けていることが判明

16歳未満がFacebook・Instagram・TikTok・X(旧Twitter)・YouTubeなどのSNSでアカウントを作成・保持しないよう、対象SNSの運営元に合理的な措置を求める法律が2025年12月10日からオーストラリアで施行されています。ところが、法律の施行から3カ月が経過した時点でも16歳未満の約86%が対象SNSを使い続けていることが、医学誌「The BMJ」に掲載された研究で明らかになりました。
Assessing the early effects of Australia’s ‘Social Media Minimum Age Act’ on adolescent social media use | The BMJ
Australia’s social media age restrictions show limited early impact, new research finds | The University of Newcastle, Australia
https://www.newcastle.edu.au/news/2026/06/australias-social-media-age-restrictions-show-limited-early-impact-new-research-finds
Four in five under-16s in Australia using social media despite ban, study shows | Social media | The Guardian
https://www.theguardian.com/media/2026/jun/24/australia-under-16-social-media-ban-no-substantial-effects-study

オーストラリアでは2024年に「2024年オンライン安全性改正法(SNS最低年齢法)」が成立し、2025年12月10日から施行されています。SNS最低年齢法は16歳未満の若者本人を罰するものではなく、対象SNSの運営企業に対して16歳未満のユーザーがアカウントを作成・保持しないよう合理的な措置を取ることを求めるもの。対象となるプラットフォームにはFacebook・Instagram・TikTok・Snapchat・X・YouTubeなどが含まれています。
世界初の「16歳未満のSNS禁止法」がオーストラリアでスタート、TikTok・X・Instagram・YouTubeなどが対象 - GIGAZINE

法律の施行から1カ月後、オーストラリアのオンライン安全規制当局であるeSafety Commissionerは「対象SNSで約470万件の10代アカウントが停止された」と発表しました。
オーストラリアのSNS禁止法により最初の1カ月で10代のアカウント470万件が停止される - GIGAZINE

しかし、その後のモリー・ローズ財団による調査により、16歳未満の若者がSNSを使い続けている実態が指摘されています。
未成年者のSNSが禁止されたオーストラリアで10人に6人が引き続きSNSを使い続けている - GIGAZINE

こうした中で、ニューカッスル大学の公衆衛生研究者であるコートニー・バーンズ氏らの研究チームがSNS最低年齢法施行前後のSNS利用状況を調べたところ、16歳未満の若者が対象SNSを使い続けていることが示されたとのことです。
研究チームは、法律が施行される直前と施行から3カ月が経過したタイミングで、12〜17歳のオーストラリアの若者408人を対象に調査を実施。調査参加者に「過去7日間にSNSを毎日使ったかどうか」「1日あたりの平均利用時間」「SNSへのアクセス方法」「プラットフォームで年齢確認を受けた経験」「年齢制限を回避しようとしたかどうか」などを尋ねました。
その結果、法律の施行から3カ月が経過した時点でも16歳未満の約86%が規制対象のSNSを利用していたことが判明。
研究チームによると、16歳未満の約3分の2は何らかの年齢確認を経験していました。年齢確認の方法は年齢層によって差があり、「年齢を自己申告する」が24〜39%、「自撮り写真をアップロードする」が13〜27%でした。公的な身分証の写真提出を求められた割合は、12〜13歳で5%、14〜15歳で11%にとどまりました。
オーストラリアではSNS最低年齢法が施行される前から「顔スキャン」などを用いた年齢確認技術が16歳未満のSNS利用の制限に使えるのかどうかが問題になっていました。
「16歳未満SNS利用禁止」のための顔スキャン年齢確認がうまくいっていない - GIGAZINE

また、SNSへのアクセス方法も年齢層によって差があり、「自分のアカウントを使った」が54〜68%、「偽アカウントを使った」が15〜19%、「他人のアカウントを使った」が9〜29%、「プライベートブラウザモードを使った」が最大11%で、「VPNを使った」は約3%だったとのことです。
年齢層ごとに変化の出方は異なりました。毎日のSNS利用率を見ると12〜13歳では大きな変化がなかった一方で、14〜15歳では78%から69%へ低下。一方、16歳超では80%から89%へ増加しており、1日あたりの利用時間も12〜13歳と16歳超では比較的安定し、14〜15歳では低下したとのこと。
バーンズ氏と共に研究を行った行動科学者のルーク・ウォルフェンデン氏は、「年齢制限の有効性は、年齢確認が実際にどのように運用されるかに左右される可能性が高い」と指摘しています。
なお、SNS最低年齢法の対象SNSが十分な措置を講じていない場合の罰金を引き上げる方針が、2026年6月28日に発表されています。
SNS禁止法の違反罰則をオーストラリア政府が2倍に引き上げ、最高罰金は110億円に - GIGAZINE

研究チームは今回の研究が法律の施行から3カ月時点の初期データであり、法律の影響が出るには時間がかかると説明した上で、「少なくとも短期的には、すでに対象SNSを使っている10代の利用を大きく減らせたとは言えない」と述べています。
