「餃子の王将」がまさかの減益。客足を鈍らせた「意外なライバル」の正体とは? 度重なる値上げでも無敵だったのに
先日、「餃子の王将」が業績不振に陥っているというニュースが話題になりました。餃子の王将といえば、数年前までは度重なる値上げをしても客離れが起こらない強さがありましたが、一体何が原因で風向きが変わってしまったのでしょうか? 気になっている人も多いはずです。
実際に、餃子の王将を運営する王将フードサービスの最新業績(2026年3月期)を見ていくと、通期の直営全店売上高は1066億円で過去最高を更新。その一方で経常利益が前年比5.4%の減益となり、2026年に入ると売り上げや客数の鈍化が目立つようになっています。
そこで今回は、餃子の王将に代表される外食餃子専門店を脅かす脅威のライバルについて考えてみようと思います。
◆驚異のライバルは、「冷凍餃子」!?
現在「王将の餃子」では餃子の価格が、6個入り363円(持ち帰りは356円)。餃子を含む定食やセット商品を注文すると、軽く1000円を超える価格となり、客単価は1300円前後にまで上昇していると言われています。
この価格から考えると、外食業界における餃子は庶民の味方とは言いがたい存在になりかけているのかもしれません。
しかながら今回お伝えしたいことは、王将不振の理由は王将の餃子の魅力が落ちたからという話ではありません。実際に食べてみるとそう断言できないほど美味しく、餃子の価格は外食業界の中で比較してもとりわけ高くはありません。
では何が王将を脅かしているのか? それはズバリ、「冷凍餃子」ではないかと思うのです。なんとスーパーの冷凍食品コーナーでは、12個入りの冷凍餃子が200円台から販売されているではないですか!
◆最近ではフタさえも不要。誰でもおいしく焼けてしまう
冷凍餃子は油を引かずに焼けるという簡便さによって、おつまみにもおかずにもなる時短メニューとして広く愛されるようになりました。それが今、水ナシ油ナシは当たり前となり、なんとフタをしなくても油ハネしにくく上手に焼けるように改良されたのです。
この進化、皆さんはご存知でしたか? つまりフライパンを用意して商品パッケージの表記通りに焼くだけで、誰でも失敗なくこんがりとした焼き色に仕上がるようになっているのです。
◆プレミアム餃子でさえ500円台
次に冷凍餃子がどこまでおいしくなっているかについて、もう少し詳しく見ていくと、すごい商品が登場しています。
例えば味の素冷凍食品のプレミアム餃子「味の素 匠 肉餃子【冷凍】 8個入(328g)」は、一般的な餃子の2倍量のビッグサイズ。XO醤や紹興酒が効いた旨味たっぷりの濃厚さが特徴で、厚めでもっちりとした皮は病みつきになるおいしさがあります。
これが8個で538円となると、特別感のある餃子をたっぷり味わいたい人、ゆっくり自宅飲みを楽しみたい人には魅力的に感じられるでしょう。他にも、無印良品「国産豚肉とニラの大きな餃子」や、韓国ブランドbibigoの「王餃子(マンドゥ)」など、特別感のあるグルメ餃子がズラリ。
さらには、にんにくナシ、味噌味、米粉で作った餃子など、様々な食ニーズに対応できるバリエーションが豊富にそろっていることがわかります。
2025年の冷凍食品市場のうち家庭用は前年比9.6%増の4458億円。その中で冷凍餃子は700億円を超えるトップバッターに成長を遂げています。
餃子は自宅で冷凍餃子を焼いてゆっくり味わう時代が到来しているのかもしれません。さあ皆さんは、おいしい餃子をどこでどのように食べようと思いますか?
<文/食文化研究家 スギアカツキ>
【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12

