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 宇宙開発企業SpaceXのIPO(新規株式公開)を巡る観測が、投資家の間で大きな話題となっている。仮に公開価格が1株135ドルで実施された場合、企業価値は1兆ドルを大きく超える可能性があり、市場では「史上最大級のIPOになる」との見方も出ている。

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 一方で、個人投資家による過熱した買いが発生し、バブル的な値動きにつながることを懸念する声も上がっている。

 IPOは通常、機関投資家との協議を重ねながら公開価格を決定する。しかし、SpaceXほどの知名度と人気を持つ企業であれば、従来とは異なる強気の価格設定が可能になるとの見方もある。

 市場関係者の間では、上場前から高い需要が見込まれるとの予想が広がっている。

■初値高騰への期待

 投資家が注目しているのは、上場後の株価動向だ。

 人気企業のIPOでは、公開価格を大きく上回る初値が付くケースが珍しくない。特にSpaceXのような知名度の高い企業の場合、投資家の買い注文が殺到し、大幅な上昇につながる可能性が指摘されている。

 一方で、IPO株の入手は容易ではない。一般的に個人投資家向けの配分は限られており、抽選方式を採用する証券会社も多い。そのため、多くの投資家は上場後の市場で株式を購入することになる。

■高値掴みリスクも

 IPO銘柄が話題になるたびに問題視されるのが、高値掴みのリスクだ。抽選に外れた投資家が初値や上場直後の急騰局面で購入し、その後の下落によって損失を被るケースは過去にも数多く見られた。

 今回のSpaceXを巡る観測では、個人投資家向けを含む市場への売り出し比率が、全体の約30%にとどまるとの見方も出ている。仮に同程度の規模で実施された場合、残る約70%は創業者や既存株主、機関投資家などが保有し続けることになる。

 そのため市場で実際に売買できる株数は、企業価値の大きさほど多くない可能性がある。需要が供給を大きく上回れば、上場直後の株価が公開価格から大幅に上昇する展開も考えられる。

 特にSpaceXは世界的な知名度を持つ企業であり、宇宙開発やイーロン・マスク氏への期待感から、個人投資家の資金が集中する可能性がある。抽選に参加できなかった投資家が市場で買い注文を出せば、需給の逼迫によって株価が押し上げられる要因となる。

 市場では「SpaceXブランド」や「イーロン・マスク氏への期待感」だけで投資判断を行うべきではない、との声もある。企業の成長性や業績見通しを冷静に分析する必要があるとの指摘だ。

■ソフトバンク株への波及期待

 SpaceX上場観測は、日本株市場にも影響を与える可能性がある。特に注目されるのが、投資会社として数多くの成長企業へ出資してきたソフトバンクグループだ。

 市場では、ソフトバンクグループが保有する未上場テクノロジー企業の価値見直しにつながるとの見方がある。大型IPOによって未上場株市場全体の評価額が押し上げられれば、同社の資産価値にも追い風となる可能性がある。

 実際に過去も、AI関連や宇宙関連企業への期待が高まった局面では、ソフトバンクグループ株が投資テーマとして買われる場面が見られた。SpaceXの成功は、投資会社としての同社の評価を改めて高める材料になるとの見方もある。

日経平均にも間接的な影響

 SpaceXそのものは米国企業であり、日本の株価指数とは直接的な関係はない。しかし世界的なリスクオン相場が形成されれば、日本市場にも資金流入が期待できる。

 特に近年の日経平均は、半導体やAI関連銘柄の影響力が高まっている。宇宙開発や人工衛星事業はAIや通信インフラとも関連が深く、投資家心理の改善を通じて日経平均を押し上げる要因となる可能性がある。

 一方で、IPO後に株価が急騰した場合は、投機的な過熱感が強まり、その後の調整局面で世界的な株安を招くリスクも否定できない。米国市場の値動きが日本市場へ波及する構図は現在も変わっていない。

■ドットコムバブルとの比較も

 過熱を警戒する投資家の中には、1999年から2000年にかけて発生したドットコムバブルを連想する声もある。当時はインターネット関連企業への期待が先行し、多くの銘柄が実態以上に買われた結果、その後の大幅な下落を招いた。

 特に市場関係者が懸念しているのは、企業価値や業績ではなく「話題性」だけで投資資金が流入する状況だ。宇宙開発という夢のあるテーマは投資家心理を刺激しやすく、過去のバブル相場と共通する側面もある。

 もっとも、現在の市場環境は当時とは大きく異なる。情報開示制度や証券規制は強化されており、投資家の知識水準も向上しているとされる。そのため、同じような事態が再現されるとは限らない。

市場最大級の注目案件

 SpaceXが実際にIPOを実施すれば、世界中の投資家が注目する案件となる可能性が高い。宇宙産業への期待やイーロン・マスク氏の影響力を考慮すれば、近年で最も注目度の高い上場案件の一つになるだろう。

 また、SpaceXの評価額次第では、宇宙関連企業や防衛関連企業、人工衛星関連企業への資金流入も予想される。米国市場だけでなく、日本市場でも新たな投資テーマとして注目度が高まる可能性がある。

 ただし、どれほど魅力的な企業であっても、株価は需給や市場心理によって大きく変動する。投資家には熱狂に流されることなく、リスクとリターンを慎重に見極める姿勢が求められそうだ。