有休を10日間連続で取るのは当たり前。日本とドイツでこんなに違う「休暇」のとらえ方
ドイツ人は「休むのが大好き」といわれています。その一方で、ドイツのGDPは日本を追い抜いて世界第3位に。平均収入は日本の1.7倍であるというデータもあります。どうしてしっかり休みながら高い成果を出せるのか。今回は日本人の母親とドイツ人の父親のもとに生まれ、ドイツで育ったサンドラ・ヘフェリンさんに、ドイツ人の仕事と休暇の考え方について伺いました。また、現地のドイツ人の休暇の過ごし方も紹介します。
※この記事は『ドイツ人の戦略的休み方』(大和出版)より一部抜粋、再構成の上作成しております。
【写真】ミュンヘンのマーケットで、ビールを飲んでくつろぐ人々

「週末はどうだった?」と週末の話に花が咲く
ドイツでは昔から「週末」が大事にされていて、週明けには恒例の“Na, wie war dein Wochenende?(週末はどうだった?)”というあいさつで始まるのがデフォルトです。
「本当の意味で“abschalten(スイッチオフ)”をするためには長い休暇が必要だけれども、週末にはプチ・スイッチオフができる」とドイツ人は考えています。
したがって週末は仕事をオフにして、仕事とは関係のない「自分の好きなこと」を思いきり楽しみます。
●「疲れてるから休む」では遅い
「週末を楽しめているか」「週末を疲労回復だけに費やす、つまり寝るだけで終わっていないか」をチェックしてみてください。
もし「週末が毎回寝るだけで終わってしまう」なら、かなり疲れているわけですから、働き方を見直すきっかけになるはずです。
「働きすぎ」が長期化しないうちに、そしてストレスによって自分が不安定になる前に、仕事時間や量をセーブしたいものです。
「自分がどのようにスケジュールを組み、どのような生活をしていると余力を残しておけるか」は本人にしかわかりません。
くれぐれも「睡眠は〇時間あれば大丈夫!」といった情報にまどわされないようにしましょう。
自分がどれだけ眠れたら体調がいいのか、どれだけ眠れたら仕事でいいパフォーマンスを上げることができるのか…それを分析できるのは自分しかいません。
多くの企業が年間30日の有休を与えている

さて、ドイツの法律では、週休1日の人は年間24日の有休があり、週休2日の人には20日間の有休を与えることが義務づけられています。でも、ドイツ人はみんな週末が大好き、そして長い休暇が大好き。
ですから、実質上、週休2日がデフォルトになっていますし、有休に関しては多くの企業や機関が従業員に年間30日の有休を与えています。
●カトリンさんの休暇の過ごし方
ここで、週休3日で経営コンサルティング会社のプロジェクトマネージャーとして勤務しているカトリンさん(50代)の休暇の過ごし方を見てみましょう。
カトリンさんの場合は時短勤務ということもあり、年間の有休は24日です。
早速、「今後の有休の予定」について聞くと、「次の有休は7月。オーストリアでダンスパーティがあるのだけれど、ついでに観光もしたいから3日間の有休を取って夫と少し長めに滞在するの」とのこと。
カトリンさんが今までどのように休暇を過ごしてきたのかを尋ねると、
「昔、子どもと一緒の休暇はTUI(ドイツの旅行代理店)のパッケージ・ツアーをよく利用していたわ。短い間にいろんなレジャー体験ができて子どもも楽しめるし、バランスがいいのよ。10日ぐらい(※)海外で過ごせれば、それでじゅうぶん」
※ ドイツの一般的な感覚だと「10日間の休暇」を、とくに「長い休暇」とは言わないため、カトリンさんもこのような言い方をしている。
最近のカトリンさんの休暇の過ごし方は「アクティブ」のひと言につきます。
「たとえば8日間の旅行の場合、最初の7日間は1日に12〜13時間登山をするの」と聞いて、びっくりしてしまいました。
歩きながらその地域の景色を見ることがなによりも楽しいのだとか。カトリンさんの旅行の…いえ人生のテーマは「自然の中で体を動かす」ことにありそうです。
