2025年のマーケティングおよびメディア業界は、急速な技術進化と市場構造の変化が重なり、これまで当たり前とされてきた前提が揺らぎ始めた1年だった。とりわけAIの進化は、ツールの域を越え、マーケティングにおける生産性と創造性の前提を書き換えつつある。加えて、検索、ソーシャル、コマース、生成AIといった接点が絡み合い、顧客体験の「入り口」そのものも分散・再編されはじめた。Digiday Japan恒例の年末年始企画「IN/OUT 2026」では、当メディアとゆかりの深いブランド・パブリッシャーのエグゼクティブたちにアンケートを実施。2025年をどのように総括し、そして2026年に向けてどのような挑戦とビジョンを描いているのか。その声を紹介する。テレビ東京コミュニケーションズ取締役の堀龍介氏の回答は以下のとおりだ。

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――2025年のもっとも大きなトピック・成果は何ですか。

リリースラッシュの1年でした。IPビジネスでは、「ピーターラビット™」「きかんしゃトーマス」の公式ECストアの取り組みを開始したほか、韓国発の人気キャラ「WASABI BEAR(ワサビベア)」の国内展開もスタートさせました。Podcast事業では、『畑芽育&齊藤なぎさ「オフはこんな感じ」』『&TEAMの「ごエンがあって、しゃべらせてもらってます。」』『桐谷健太&一ノ瀬ワタルのポッドキャスト(仮題)』など新番組を続々と開始。2023年に始動した『松岡茉優&伊藤沙莉「お互いさまっす」』は「第6回 JAPAN PODCAST AWARDS」で「大賞」を受賞することができました。動画領域でも、YouTubeやTikTokでのオリジナル番組展開や、放送と連動したクロスメディア企画など、多方面での種まきが実を結び始めています。各領域で発表直前の取り組みもまだまだ控えており、今後が楽しみです。

――2026年に向けて見えてきた課題は何ですか。

「拡大した各事業の『深掘り』と『連携』」です。 おかげさまで多くの新規事業が立ち上がり、既存事業も好調に推移していますが、これらを単独の「点」として終わらせてはもったいないと感じています。多岐にわたる事業やIPをどう有機的に結びつけ、大きなシナジーを生み出していくか。2026年は、立ち上げた事業をしっかりと軌道に乗せるべく、一つひとつの解像度を高め、確固たる収益の柱へと成長させる「深化」のフェーズにあると捉えています。

――2026年にチャレンジしたいことを教えてください。

メディアやIPビジネスにおいて、マネタイズの手段や正解は一つではありません。ひとつの企画が、「動画や音声、コミックなどあらゆるコンテンツを起点とし、そこからメディアを横断して、ファンが楽しめるスタンプや楽曲、ゲーム、商品化、イベント等へと広がる」。そんな多重構造のエコシステムを作ることが理想です。2026年は、このエコシステムを偶発的なヒットに頼るのではなく、再現性のある「ビジネスモデル」として確立することに挑戦したいと考えています。コンテンツそのものの面白さを追求するのは大前提ですが、それをどう広げ、どう収益化するかという「設計図」をより緻密に描くこと。すべてのIPのポテンシャルを余すことなく引き出し、ファンに長く愛される世界観を作り上げていきます。