スーパー大手ターゲット が ChatGPT 内に公式アプリ開設 「会話で完結するショッピング」が現実に

記事のポイント
ターゲットはChatGPT内に公式アプリを開設し、買い物提案から生鮮食品購入、決済までを自然言語で完結させる体験を提供した。
OpenAIのアプリ基盤活用により、店舗受取や配送の選択、レコメンド、ギフト検索など、多様な買い物導線を統合しやすくしている。
ターゲットはAIを全社的に導入し、クリエイティブ制作やトレンド予測、合成オーディエンス分析など、社内オペレーションの高速化を進めている。
ターゲットはChatGPT内に公式アプリを開設し、買い物提案から生鮮食品購入、決済までを自然言語で完結させる体験を提供した。
OpenAIのアプリ基盤活用により、店舗受取や配送の選択、レコメンド、ギフト検索など、多様な買い物導線を統合しやすくしている。
ターゲットはAIを全社的に導入し、クリエイティブ制作やトレンド予測、合成オーディエンス分析など、社内オペレーションの高速化を進めている。
ChatGPT内の同アプリを利用して、ユーザーは買い物のアイデアを尋ねたり、複数の商品をまとめた買い物かごを作成することから、生鮮食品を購入、ターゲットのアカウントを利用しての決済まで可能だ。
店舗受取から配送まで フルフィルメント選択肢も統合
注目すべきは、利用者がさまざまなフルフィルメントオプションのなかから選択できることで、Open AIのプレスリリースによれば、これには店舗の駐車場での受取、店舗内受取、標準配送などの選択肢がある。
また、同プレスリリースによれば、ターゲットは今後、会員プログラム「ターゲット・サークル(Target Circle)」との連携や、同日配送といった機能を追加する予定だ。
OpenAIは2025年11月、ChatGPTビジネス、ChatGPTエンタプライズ、ChatGPT学習の顧客を対象に、ChatGPT内で稼働するアプリをローンチした。機能の最初のプレビューは10月に公開されている。ユーザーは、ChatGPTでの会話のなかで各種アプリをタグ付けすることで、自然言語による回答を得られる。また、アプリ独自のインタラクティブなインターフェースを利用することもできる。
たとえば、ユーザーはChatGPT内でターゲットのアプリのタグを追加することで、ホリデーシーズンの映画鑑賞会の計画を立てるのを手伝ってもらうことができる。暖かな毛布やキャンドル、スナック菓子やスリッパといった、買い物のアイデアを提案してもらえるのだ。
「小売企業として、いち早くこの新たなチャネルに買い物体験をもたらすことができることを光栄に思う。OpenAIとの提携により、ChatGPT内のターゲットのアプリを通じた発見は、店舗に並ぶ商品を見て回るのと同じくらい、簡単で楽しいものになる」と、ターゲットのエグゼクティブバイスプレジデント兼情報・製品担当最高責任者、プラット・ベマナ氏は、OpenAIが発表したプレスリリースのなかで述べている。
「我々の目標はシンプルだ。すべての相互作用を、友人とのおしゃべりと同じくらい自然で、有益で、ひらめきに満ちたものにすることだ」。
社員1万8000人にもAIを展開、オペレーションの中核に
新アプリそのものに加え、OpenAIによれば、ターゲットはすでにChatGPTエンタプライズを自社の1万8000人の社員向けに導入している。OpenAIのテクノロジーは現在、ターゲットの社員と顧客が利用する、いくつかのツールに搭載されている。
「ターゲットがOpenAIとパートナーシップを結んだことは、ただAIを利用するだけでなく、AIを利用してビジネスを行うという、同社の全体的戦略を反映している。めざすのは、パーソナライゼーションの向上、製品発見の加速、オペレーションの強化、魔法のようなゲスト体験の創出だ」と、OpenAIはプレスリリースで述べている。
「加えて、小売業界全体に巻き起こる大転換を主導する、ターゲットの役割を象徴するものでもある。小売業界のリーダーたちは、インテリジェンスを顧客体験、社内オペレーション、日常のワークフローの核心と位置づけている」。
こうしたAIツールの例として、エージェントアシスト(Agent Assist)やストアコンパニオン(Store Companion)があり、これらは社員に情報を提供し、価格調整や返品手続きをチャット上で開始するためのものだ。
AIでトレンド予測と商品開発を高速化
また顧客は、ショッピングアシスタント(Shopping Assistant)やギフトファインダー(Gift Finder)といったレコメンデーションツールを利用し、製品ページにあるアイテムの詳細情報を参照したり、プレゼントのおすすめを閲覧したりできる。ターゲットはまた、「JOY」と名付けられたチャットボットも展開しており、ユーザーに3000件以上のFAQのデータベースに基づくヘルプを提供している。
「AI転換のかなりの部分は企業内部で起こっており、ターゲットはこの転換が野心とスピード感をもって進められた場合にどんなものになるかを示す好例だ」と、OpenAIのアプリケーション担当CEO、フィジー・シモ氏は声明のなかで述べている。「ターゲットとの協働を楽しみにしている。彼らはビジネス全体にインテリジェンスを統合し、顧客と社員に向けて、便利で楽しい体験をつくりだしているのだ」。
実際、スピードはターゲットにとって最優先事項のひとつだ。2025年5月、同社は、最高執行責任者のマイケル・フィデルケ氏が「エンタープライズ・アクセラレーション・オフィススピード感と即応性を高めると発表した。全社的プロセスを簡素化し、テクノロジーとデータを新たなかたちで活用することで、こうした取り組みを進めるとしている。
11月19日のターゲットの第3四半期収支報告で、フィデルケ氏――同氏は2026年2月にターゲットのCEOに就任することが決まっている――は、同社の販売部門は現在、SNSと消費者トレンドの高度なデータをリアルタイムで利用していると述べた。フィデルケ氏によれば、ターゲットはさらに、新たな社内クリエイティブプラットフォームを立ち上げ、AIテクノロジーを利用してトレンドにより迅速に応え、将来のトレンドを予測しているという。
「AIを活用して色や素材のスタイルや製品の詳細を把握し、そこに消費者調査の結果とブランドとしての原則を当てはめることで、トレンドに即した唯一無二の製品を、かつてないほど迅速にゲストに提供できる」と、フィデルケ氏は語る。
フィデルケ氏はまた、ターゲットはAI生成(合成)オーディエンスの構築も行っていると述べている。これは、AIを利用したコンピューターモデルにより、消費者層の購買行動のシミュレーションを行い、異なる集団がキャンペーンや製品にどのような反応を示すかを、実際のローンチ前に予測するものだ。
「これにより、我々のマーケティングチームとデザインチームは、製品、プロモーション、メッセージを検証し、インサイトを得て、さらに洗練させるプロセスを、驚異的なスピードと効率をもって進められるようになった」と、フィデルケ氏は述べた。
[原文:Target to launch new shopping app within ChatGPT]
Mitchell Parton(翻訳:的場知之/ガリレオ、編集:杉本結美)
