「早く返せば得」は大間違い!住宅ローン繰り上げ返済で“後悔”しない「ボーナス活用術」3つのポイント
ボーナスの時期、なにに使うか、どう使うかと悩むこともあるのではないでしょうか。最近は住宅ローンの金利も上昇傾向にあり、「繰り上げ返済した方がいいの?」と考える人も多いはず。今回は、住宅ローンを抱える40〜50代の方々に向けて、ファイナンシャルプランナーの塚越菜々子さんがボーナスの賢い使い方をわかりやすく解説します。

「繰り上げ返済」って何?まずは基本をおさえよう
「繰り上げ返済」とは、毎月の返済とは別に、まとまったお金を使ってローンを前倒しで返済することです。
繰り上げ返済には、次の2種類があります。
・期間短縮型:返済期間を短くするタイプ
・返済額軽減型:毎月の返済額を減らすタイプ
たとえば、3500万円を35年・金利1.5%の固定で借りている住宅ローンを、10年目に100万円繰り上げ返済した場合:
期間短縮型では、約1年返済期間が短縮され、利息が約41万円節約できます。
返済額軽減型では、毎月の返済額が約4000円減り、利息の節約は約19万円になります。
ボーナスで繰り上げ返済、本当におトク?

金利が高い、残債が多い、借入からの年数が短い…こうした場合、繰り上げ返済の効果はより大きくなります。とくに期間短縮型は、利息の節約効果が大きいため、ボーナスで早めに返済してしまおうと考える方も多いでしょう。
ですが、繰り上げ返済=絶対におトクとはかぎりません。なぜなら、繰り上げ返済で節約できる利息は「住宅ローンの金利分」だけだからです。
たとえば、繰り上げ返済せずにNISAなどでローン金利以上の利回りで運用できれば、利息以上の利益が得られることも。
とはいえ、運用しても必ずローン金利以上に増やせるとは限りませんから、「返済か? 運用か?」は、その時点の金利や家計状況を踏まえて慎重に判断しましょう。
繰り上げ返済で失敗しないためのチェックポイント

繰り上げ返済の前には、以下の点も確認しておきましょう。
●1:「住宅ローン控除」の影響
住宅ローン控除を受けている期間中に繰り上げ返済をすると、借入残高が減って控除額も減ってしまう可能性があります。控除期間(10年 or 13年)はとくに注意が必要です。
●2:団体信用生命保険(団信)の保障
住宅ローンには、契約者に万が一のことがあった場合に返済が免除される団信がついているのが一般的。繰り上げ返済で手元資金があまり減ると、生活に困るリスクも出てきます。
●3:繰り上げ返済手数料の有無
金融機関によっては、繰り上げ返済に手数料がかかる場合があります。少額の返済で数万円の手数料が発生するケースも。ネット手続きなら無料になることもあるので、手続き方法の確認も忘れずに。
実録!「ボーナスで繰り上げ返済」の失敗エピソード

「ローンを早く返したい」と、ボーナスのたびに繰り上げ返済をして預金がほとんど残っていない方がいました。そんなときにクルマが故障。買い替え費用を準備できず、自動車ローンに頼ることに…。
住宅ローンの金利は1%未満〜2%程度と、まだまだ低水準。そんな低金利ローンを減らすために繰り上げ返済したのに、それ以上の金利で別のローンを組むことになっては本末転倒。繰り上げ返済は、ほかの資金計画とセットで考えることが大切です。
ボーナスで住宅ローンを繰り上げ返済すれば、ローンの負担が減って気持ちがラクになったり、トータルの利息を節約できたりするメリットがあります。ですが、貯蓄や今後の支出を考慮せずに安易に返済すると、かえって損になるケースも。
自分や家族のライフプランを踏まえたうえで、冷静に判断することがなにより大切です。
