(左から)青山吉能、古賀葵、日向未南、天海由梨奈(写真=林直幸)

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 7月9日24時30分より順次放送開始のTVアニメ『帝乃三姉妹は案外、チョロい。』。本作は、国民的大女優を母に持ちながら、何をやっても平均以下の主人公・綾世優と、才華学園で“三帝”と呼ばれる天才三姉妹との同居生活を描くハートフルホームラブコメディだ。

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 「幸せな家族を作って」――母の最期の願いを胸に、優は三姉妹との生活に飛び込む。最初は優を「ポンコツ」と見下していた三姉妹だが、彼のひたむきな努力と優しさに触れ、次第に心を開いていく。一つ屋根の下で繰り広げられる日常は、笑いあり、涙あり、そして胸キュンありの展開が待ち受ける。

 今回は、綾世優役の日向未南、帝乃一輝役の天海由梨奈、帝乃二琥役の古賀葵、帝乃三和役の青山吉能の4人に話を聞いた。楽屋の入り時間から乗る電車まで細かく指定され、誰とも鉢合わせしないよう徹底管理された特番収録。そんなサプライズから始まった現場で、4人はどのようにして作品を作り上げていったのか。それぞれのキャラクターに込めた想いと、アフレコ現場での発見を語ってもらった。(すなくじら)

●“サプライズ”がもたらした4人の絆

――特番での4人の初対面の様子を拝見しましたが、皆さんかなり驚かれていた印象でした。このメンバーで共演すると聞いたときの率直なお気持ちを教えてください。

古賀葵(以下、古賀):驚きました(笑)。誰が出演するのかまったく知らされていなくて、マネージャーに聞いてもはぐらかされるばかりで。しかも、楽屋の入り時間や乗る電車まで細かく指定されていたんです。「この電車に乗ってください」とか。初めての経験だったので戸惑いながらも、言われるままに行動していて。後になって「バッティングを避けるためだったのか」と気づいて、なるほどなと(笑)。

青山吉能(以下、青山):控室も慎重に調整されていて、絶対に誰とも鉢合わせしないようにされてたよね。

天海由梨奈(以下、天海):そうそう。動線が被らないように徹底されていて。私、声が大きいから「楽屋では控えめにお願いします」って言われたくらい(笑)。お手洗いに行く時も「必ずスタッフに声をかけてください」って。ここまできっちり管理された現場は初めてでした。

――そんな中で、日向さんは最後に合流されたんですよね?

日向未南(以下、日向):はい、ものすごく緊張しました。ピンポーンって鳴らして「お邪魔します」って入ったんですけど、「私のこと、みんなわかるかな……?」って不安で(笑)。

天海:いやいや、もちろん知ってたよ!

青山・古賀:(うなずく)

日向:でも、いざ入ってみたら、皆さんとても優しくて。不安が一気に吹き飛びました。

――学生時代の写真の見せ合いも、和気あいあいとしていて楽しそうでした。

青山:あれれ? みんな一生懸命探してきたのに、一人だけ全然学生時代じゃなかったよね(笑)。

日向:あははっ。

古賀:すみません……(笑)。でも、みんなよく見つけてきたなって感心しました。

天海:ないところから必死で探したんです! 高校時代の友達に連絡して、「何か残ってない?」って(笑)。

古賀:でも、あの顔合わせがあったからこそ、現場でもやりやすかったよね。アフレコ直前だったんですが、「この4人でやっていくんだ」って空気が自然とできていたというか。あれがなかったら……もっと緊張していたかも。

日向:スタッフさんたちの「アットホームな現場にしたい」という気持ちも伝わってきて。あの事前の準備があったからこそ、安心してスタートできました。

●優を起点に三姉妹が振り回されていく構造の物語

――共演経験のある方もいらっしゃるとは思いますが、このメンバーでしっかり掛け合う作品は初めてですよね。お互いから影響を受けたり、印象に残ったりした瞬間があれば、ぜひ順番に教えてください。

天海:私は、日向に刺激を受けました。優は努力を惜しまないキャラクターだとよく言われますが、日向自身もまさにそんな人なんです。主役として背負うものも多いし、この作品は特に、優を起点に三姉妹が振り回されていく構造なので。その中で、日向がきちんと投げ返してくれるからこそ、私たちも「よし、こう返そう」って思えるんです。

――優はセリフ量もかなり多いですよね。

日向:そうなんですよ。

天海:しかも、ギャグっぽいテンションから急にイケメンになったり、天然な一面だったり……1話の中でいろんな顔を見せなきゃいけない。その全部を毎回しっかり成立させていて、回を追うごとにどんどん進化しているのがすごいなと。芝居って、「私はこう解釈しているから」と譲れない気持ちが出てしまうこともあると思うんですが、日向は一度ちゃんと受け止めて、自分の中で整理してから広げていく。その丁寧さにもいつも感心しています。

青山:日向は、収録の序盤から「みんなどうやってチェックしてるの?」って、仕事の進め方を聞いてくれていて。だからこそ周りも自然と一緒に考えたくなる雰囲気になっていた気がする。私は、あんまり人に聞けないタイプなんです。こっそり盗み見しちゃう(笑)。

日向:確かに……わからないことは「わからない」って、はっきり言っちゃいますね。

古賀:そこがすごい! 私も含めて、「わからない」ってなかなか言えないと思います。とりあえず「やってみます!」って言っちゃうことって、よくあるはず。

日向:嘘つけないんです……(笑)。「わからない」を乗り越えるときに、みんなの言葉やお芝居に助けられてばかりで。「育ててもらってるな」ってずっと思ってました。

――日向さんから見た古賀さんはいかがでしたか?

日向:まず、葵さんって技の引き出しが多いんです。まっすぐなヒロインもできるし、コミカルな演技もできるし、アドリブも上手で。その上で、ちゃんと芯のある芝居をされるんですよね。私はこの現場で初めてお話ししたのですが、とても優しい方で。でもその優しさって、ふんわりしたものじゃなくて、自分をしっかり持ってる人が寄り添ってくれるような温かさなんです。二琥って、語気が強めなキャラクターですけど、その裏にある優しさがセリフの言い回しからにじんでくるんです。たとえば「ありがとな」っていう短い一言にも、ちゃんと温度や真意が伝わってくる。やっぱり葵さん自身の人柄から出てくるものだと思います。

――続いて、古賀さんから見た青山さんはいかがでしたか?

古賀:よぴぴ(青山)は……ずっと気になる人でした。もともと同じ事務所で、存在はもちろん知っていたし、お仕事でご一緒したこともあったんですけど、がっつり芝居で向き合うのは今回が初めてで。実際に同じ空間でお芝居したとき、「この人、どれだけ引き出し持ってるの……!?」って驚きました。最初は「器用な人だな」って思うんですけど、その裏にはキャラクターへの細かい分析と、丁寧に向き合っている姿勢があって。だから、芝居のバリエーションもどんどん出てくるんだろうなと思いました。

天海:アフレコ現場でお父さん役の松風(雅也)さんが、私たちに対してもたくさんアドバイスをくださって。特に(青山の)アドリブは「いいね!」って褒めてたよね。

古賀:そう! 松風さんの言葉を聞いて、「わかる!」って気持ちと「私もそんなふうに思われたい」って気持ちで「ぐぬぬぬ」と(笑)。三和って、ちょっとクセのあるキャラなので、「私だったらこう演じるかな」ってイメージもなかなか浮かばなかったんですが……。よぴぴの三和を聴いた瞬間に「あ、これしかないな」って思ったんです。ピタッと音がハマるような感覚で。誰の真似でもない、唯一無二の三和が聞こえてきて。本人は「こういう役やったことない」って言ってたけど、もう他の声だと違和感しかないと思います(笑)。

――青山さんから見た、天海さんについてお願いします。

青山:由梨奈とは同じ事務所で、しかも同い年。出会ったのも結構早くて。でもまさか、同じ現場で姉妹役をやることになるなんて……。最初は「負けたくない!」って気持ちもありました。でも、由梨奈の第一声を聴いた瞬間、「完敗……!」ってなりました(笑)。由梨奈にしか出せない、唯一の響きがあって。それに、現場での明るさも素敵で。差し入れが届いたら「今日これありますよ~!」ってスタジオ全体に声かけてくれるし、新人さんにも気さくに話しかけるし。もう「一家に一台・天海由梨奈」ですよ(笑)。

天海:わ~、照れますね(笑)。

青山: でもただ明るいだけじゃなくて、求心力がすごいんです。自分が太陽になって周りを照らすんじゃなくて、「一緒に太陽になろうよ!」ってみんなを巻き込んでいくタイプ。そういうところに憧れています……あまり面と向かっては言いませんが(笑)。

●各キャラクターの“推しポイント”

――では、最後にご自身の演じたキャラクターの魅力や、推しポイントを教えてください。

青山:三和はとにかく、かわいい! 猫っぽいというか、気まぐれなところもあるけど、心を開いた人には意外と懐くし。でも口は悪いし、読めないギャップが面白いんです。あと将棋がとても強いんですよ。三姉妹みんなに共通していますが、物語が進むにつれて見せる心の変化は、ぜひ楽しんでほしいところです。三姉妹の中でも感情の振れ幅が一番大きくて、演じていて本当に楽しかったですね。

天海:猫といえばアニメで楽しみなポイントもあるよね!

青山:そうそう。三姉妹それぞれの猫キャラみたいなものも出てくるので、かわいさが倍増します。ぜひ注目してほしいです。

――では、二琥についてはいかがでしょうか?

古賀:二琥は力も強いし、語気も強めで、最初はワイルドな感じに見えるかもしれません。でも、実はかわいいものが好きだったり、見た目と中身のギャップで悩む部分もあるんですよ。「周りから見られている自分」と「本当の自分」の間で揺れ動くこともあって。みんなが望む“二琥”と、自分の心の中にいる“二琥”が違って、葛藤してしまうこともある。でも、ある瞬間に「もういいや!」って振り切るんです。その瞬間がまた本当にかわいくて!

日向:あの話数の二琥は本当にかわいい。視聴者の皆さんにも、きっと新しい二琥の一面を発見してもらえると思います。

――それでは続いて、天海さん、一輝の魅力についてお願いします。

天海:一輝は、まず「芸の天才」という部分があって、ビジュアルも美しくて……それだけでもう十分魅力的なのですが。長女としての責任感とか、立場ならではの葛藤も抱えていて。歌劇団のトップスターでもある彼女は、ファンの皆さんの前では完璧であろうとするがゆえに、思い詰めてしまう部分もあるんです。でも、優という存在が現れたことで、完璧さの裏にある、もっと人間らしい姿が見えてくるようになった気がして。あと私が個人的に推したいポイントは……ヘアチェンジの多さ!(笑) 劇中での立場上、顔が知られているからプライベートでは変装する必要があって。ショートからボブ、ロング、ポニーテールまで……かわいい一輝がたくさん見られます!

――普段クールな人が見せる素顔って、特別感がありますよね。

天海:そうなんです! 普段はカッコいい女の子が、ふっとかわいさを見せる瞬間って、たまらないじゃないですか。三姉妹それぞれが、少しずつ素顔を見せられるようになっていくのが、この作品のすごいところで。

青山:しかもすべてのきっかけが、優なんだよね。

天海:そう! 一輝にとっても、二琥にとっても、三和にとっても。「ありのままの自分を認めてくれる」「全部を受け止めてくれる」相手が現れたら……そりゃあもう、日々キュンキュンですよ(笑)。だから、三姉妹がどこかで優に惹かれていく気持ちも、漫画を読んでいると納得できるんです。

――では続いて、優について、日向さんからお願いします。

日向:優の一番の魅力は、努力家なところだと思います。最初は、三姉妹も視聴者の方も「優ってできない子なのかな?」と思ってしまうかもしれませんが、よく知っていくと、「この子、頑張っているんだ」とわかってくるんですよね。何事も苦手ではあるけど、それでも挑戦して、できなかったことを知って、また深めていく。もう一つは、人のことをよく見ているところ。優って、自分が「一緒にいたい」と思うから頑張るんじゃなくて、「この人が喜んでくれたらいいな」って気持ちが先にあるんですよね。だから、三姉妹も自然と心を開いていくのかなと。

――カッコつけているわけじゃなくて、自然と滲み出る優しさというか。

日向:そうなんですよね。優が何かしてくれたから、「私たちも返したい」って、三姉妹が思って……で、優もそれを受け取って、また返していく。優しいやりとりがずっと循環して、結果的に“家族”になっていくのが、この作品の素敵なところだと思います。視聴者の皆さんにも、ぜひ4人が家族になっていく過程を楽しんでもらいたいです!

(文=すなくじら)