入試本番で「急激な睡魔」に襲われるだけ…受験生が試験直前にもらって後悔した"定番のお菓子"の名前

■受験の成功は「持ち物準備」から
受験当日に何を持たせたら喜んでくれるのか。「受験票、学生証、筆記用具……」など、主要な持ち物は思いついても、他に何を持たせるべきか、不安に思う受験生の親御さんは多いと思います。何が起こるかわからないのが、受験会場です。せめて持ち物だけは、万全の状態で、受験生を送り出したいところですよね。
筆者は公立高校から現役で東大合格した後、塾や予備校、高校など、複数の教育機関で受験生指導にあたってきました。筆者自身の体験や、受験生指導の経験を踏まえて、本稿では、受験会場に「あったらいいな!」という持ち物リストをご紹介します。
「受験票は、あらかじめ写真に撮っておくといい」「防寒対策には、貼るカイロではなく、貼らないカイロを持っていくといい」「本番用の時計に加えて、予備の時計を持っていくといい」など、世の中には、一部の受験生しか知らない、受験のノウハウがたくさんあります。本稿では、そういった受験の教訓を余すことなく、お伝えしていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
■会場周辺は“受験生で大混雑”
受験で必要なものは、受験生本人で用意する。これが原則ではありますが、そうは言っても、受験生の多くは初めて受験に挑みます。全て受験に必要なものを自分で用意するのは、意外と困難なものです。そのため、親や周囲のサポートが大事になってきます。
例えば、筆者の場合は、両親にラムネやゼリー飲料などの軽食類を用意してもらえて、とても助かりました。筆者は、「必要なら、コンビニとかで購入すればいいでしょ」と考えていたのですが、実際に受験会場に行ってみると、周辺のコンビニなどの売店はとても混雑していて、気軽に立ち寄れる状態ではありませんでした。その光景を見た時、両親に救われたな、と実感しました。
また、宿泊して受験する場合には、受験生本人だけでは調べきれていない情報もたくさんあります。例えば、ホテルによっては、勉強用の机やライトの貸し出しをお願いすると、スタッフの方が用意してくれるところがあります。また、ホテルは乾燥しやすく風邪を引きやすい環境です。保湿機を使用するかバスタオルを水に濡らして置いておくといいなどの対処法もありますが、受験生自身がそこまで想定できていないかもしれません。
こういった内容まで全てを受験生本人が事前に調べた上で、本番に臨むのは酷なため、学校の先生や親など、受験生の周囲にいる人が支えていくことはとても重要だと思います。
■「受験票そのもの」をスマホで撮っておくといい
まず1つ目として、受験に絶対に欠かせない「必需品」についてご紹介します。受験票や学生証、筆記用具が必要だ、というのは全国共通なのですが、「受験票を紛失したときにどうするか」「シャープペンシルを使用できるか」などは、入試形態・試験会場ごとに異なります。
受験票は、本人確認ができれば、仮受験票を発行するという形で対応してもらえたり、一時的な受験許可を出してもらえたりなど、臨機応変な対応をしてくれる試験会場があります(受験校によって対応は異なります。万が一、受験票を紛失した場合は、会場スタッフの指示に従ってください)。そのため、事前に受験票そのものをスマホで撮影しておき、受験番号や試験会場等をいつでも確認できるようにしておくことがおすすめです。
筆者が過去に指導していた受験生にも、受験票を入試会場内で紛失してしまったという人がいましたが、幸い受験票の写真や学生証を持っていたために、すぐに受験番号等の確認ができ、受験できたということがありました。ただ、受験票は紛失しないのが大前提です。クリアファイルにしまうなど、工夫をしましょう。
■鉛筆のほかに「シャーペン」も持っていく
続いて、筆記用具についてですが、マークシート方式の場合、HB以上の鉛筆を使用するよう指示されることが多いです。しかし、1時間以上にも及ぶ試験において、常に鉛筆のみを使っていては、芯が丸くなったり芯が折れたりなど、不便なこともあります。

そのため、受験校によっては、鉛筆に加えて、計算用・メモ用としてシャープペンシルの使用を認めていることがあります。事前に、自分の受験校では、シャープペンシルを使用できるのか否かを確認しておくようにしましょう。
筆者も、最初は「シャーペンと鉛筆を使い分けるのは大変だろう」と思っていましたが、実際に何時間も試験を受けてみると、シャーペンを持っておくことの大切さを実感しました。特に、数学や物理など理系科目を受験する場合は、計算量が膨大になることが多く、鉛筆だとやや書きにくさを感じると思います。シャーペン使用が可能な場合は、積極的にシャーペンを使用してみるのがおすすめです。
■“いつもと変わらない食事”が一番いい
最後に、飲食物です。親御さんの中には「出来るだけ栄養価の高いご飯を」と思われている方もいるかもしれません。ただ、大事なのは「いつもと変わらない飲食を心がける」ということです。
日頃から、朝ごはんや昼ごはんをたくさん食べている生徒ならば問題ないのですが、普段は全くご飯を食べていないのに、入試当日だけ変わったものを食べたり飲んだりすると、受験の緊張も相まって、体調を崩しやすくなります。例えば、ゲン担ぎという理由でカツ丼を持たせたり、元気づけという理由で大盛り弁当を持たせたりするのは、あまり望ましくないです。
筆者が見てきた受験生の中には、「昼ご飯を食べると午後に眠たくなってしまうから、昼ご飯を食べない」という受験生もいましたし、「食事こそがリフレッシュだから、コンビニで好きな食べ物をたくさん買って食べる」という受験生もいました。人それぞれですが、とにかく受験当日だけ、食習慣を変えるのは避けましょう。
実は、飲食物は、受験生のために渡したつもりでも逆効果になることがあります。中でもよくあるのは、チョコを渡すという例です。受験当日にたくさんのチョコを食べたら、急激な睡魔に襲われて、試験に集中できなかったという話も聞いたことがあります。どうやら、塾の先生から応援としてチョコ菓子をたくさんもらったから食べた、という経緯だったようです。

■利尿作用のある飲み物にも注意
筆者の場合も、受験会場に行ったら、見ず知らずの塾講師に声をかけられて、塾のチラシとチョコ菓子を渡されそうになったことがありました。これは明らかに悪意がある気がしますが、いずれにせよ良かれと思って渡した飲食物でも、受験生からすると甚だ迷惑だった、ということがよくあります。
また筆者の担当編集者と話をしていたところ、その同僚の方が受験生のときに、学校の先生から合格祈願メッセージ入りで缶の紅茶を渡されたことがあったそうです。センター試験(当時)の昼休憩で気合を入れようと思って飲んだら、利尿を促してしまい、試験中にひっきりなしにトイレに行く羽目になってしまったと。嫌な思い出として鮮明に残っているそうです。
やはり、受験生のみならず、周囲の人も、意識的に「いつもと同じこと」を心がけるのが大切です。

■受験会場に「市販の参考書」は非効率
ここまでは受験で必須の持ち物についてご紹介をしました。詳しくは、図表1でご確認ください。続いては、世間ではあまり知られていないけど、筆者視点であったら便利な「東大生おすすめグッズ」についても紹介します。
1つ目は、「休み時間の勉強道具」です。ただ、教科書やノートを持っていくといい、という話ではなく、具体的に30分間、1時間といった休み時間の中で、何をするか、何を見るか、まで決めておくという話です。

図表2は、筆者が東大受験で作成していた世界史の「苦手分野まとめ」の一部です。実際に受験会場で休み時間を過ごすことを考えると、教科書やノートを全て見返すのは不可能です。そのため、30分間や1時間といった短い休み時間でも、効果的に復習できる勉強道具を事前に作っておくことがおすすめです。
筆者は昨年、大学受験指導の一環として、実際に受験生と一緒に共通テストを受験しましたが、その際には、「自作の間違えノートを持ち込んで復習する受験生」や「苦手な用語が書かれた付箋紙を見返す受験生」などがいました。
「教科書」や「1問1答」、「単語帳」などの市販の参考書は、内容が膨大すぎて一から復習しようと思うとオーバーワークになりがちです。しかし、自作の間違えノートや苦手な分野集などは自分の弱点(復習するべきポイント)がまとまっているため、短時間でも効率的に復習ができます。そのため、賢い受験生ほど、短時間で勉強できる道具を、試験会場に持っていくのです。
■「貼らないカイロ」が絶対いい
受験生のいる親の皆さんは、ただ闇雲に「勉強道具は持ったの?」と聞くのではなく、「休み時間には何を勉強する予定なの?」などと、受験当日のスケジュールや勉強計画の助けになるような声かけをしてあげると、「いい準備」ができるでしょう。
2つ目はカイロです。「試験会場が寒いかもしれないからカイロを」という発想はすぐに湧いてくると思いますが、貼るタイプと貼らないタイプ、どちらを持っていくといいのでしょうか。ここまで考えられている受験生や親御さんは少ないのではないかと思います。
実はこれ、答えが明確で、「貼らないカイロ」の方がいいのです。確かに冷えやすい手足には、貼るタイプが効果的なこともあるのですが、試験会場の寒暖は当日現地に行ってみないとわかりません。その場で簡単に調節できる道具の方が便利です。
貼らないカイロであれば、現地に行ってから「寒ければ、靴や服の中に入れておく」「暖かければ、カバンの中にしまっておく」というように、簡単に調整ができます。
筆者も受験生の頃は、どちらを持っていくべきかまで考えが及んでいませんでしたが、両親が「貼らないカイロがいいらしいよ」とおすすめしてくれたのでとても助かりました。全身にカイロを貼り付けヒートテックで守りを固めたのに、いざ会場に着いてみたら常夏のような暑さだった、となれば大変です。受験会場のお手洗いはとても混雑しますから、簡単に着替えはできない、という点で防寒具も用意しておくといいでしょう。
■時計は2つ持っていったほうがいい
そして3つ目は予備の時計です。どうして時計が2つも必要なのかと疑問に思う方も多いと思います。
これは実体験に即した話ですが、筆者は基本的に腕時計を使う習慣がなかったため、試験日だけ腕時計を持っていくようにしていました。しかしいざ当日、腕時計を持っていくと、時間が微妙にずれていたのです。日頃から腕時計を使っていなかった筆者は、全く調整方法がわからず、電池の替えも持っていなかったため、そのまま本番を迎えてしまいました。
こうした例のみならず、例えば、急に時計のアラームが鳴って止め方がわからなくなった、など様々なトラブルが起きがちです。些細なトラブルに気を遣っていては気が休まらないですから、それならいっそのこと予備の時計も持っていくのが効果的です。
また、最近はスマホを時計代わりに使う中高生が増え、腕時計を日頃から使用していないというケースも多くなっています。「時計が壊れたからスマホを見る……」なんてもちろん出来ませんから、予備の時計の持参をおすすめします。

■当日準備の“サポート”に全力を
ここまでいかがでしたでしょうか。受験生の多くは、目の前の受験勉強に必死です。「当日何を持っていったらいいのか」「受験当日の休み時間に何を勉強するか」までは深く考えられていないことが多いと、実際に受験生を指導していて感じます。
プロの世界を見てみると、野球選手なら試合前に投球練習をしたり、歌手ならライブ前に発声練習をしたりします。こうした事前準備は受験生にも必要です。抜群のコンディションで本番を迎えるには、「受験のための準備」を怠ってはいけません。
親の皆さんも不安が尽きないと思いますが、勉強や試験に口を出すのではなく、ぜひお子さんの“受験準備をサポートする”ことに注力してほしいと思います。そうすれば、きっと受験生の負担にもならず、本番もいいコンディションで乗り切ってくれるのではないかと思います。最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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清野 孝弥(せいの たかや)
現役東大生ライター
2003年生まれ。東京大学法学部の現役学生。公立高校から塾や予備校に通わず、独学で東京大学の文科I類に現役合格。独学で培った勉強法や各科目のノウハウをYouTubeなど数々のオンライン媒体で公開し、授業動画は100万回再生超え。現在は、明豊高校九大専科コースなど全国の高校現場で学習指導や進路指導などを提供している。
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(現役東大生ライター 清野 孝弥)
