直近の2024年も8カ月の空白期間を乗り越えて3月末に復帰したものの、リスク軽減のために連戦回避が続き、トップパフォーマンスに戻らないままシーズンを終えた印象が強い。強い苛立ちと焦燥感を抱えた1年だったのではないだろうか。

「マリノスは慣れ親しんだ場所だったけど、これも一つのチャレンジだと捉えています。“慣れ”というのは、いい部分もありますけど、自分の弱さも出てしまった。今年は心機一転、頑張りたいと思いましたし、パパス監督と仕事をすることで再浮上を果たしたい気持ちもありました」と、大きな決断に至った背景を吐露する。

 昨季も“何かが足りない。このままじゃいけないし、自分を変えたい”と思っていたであろう名古屋グランパスからガンバ大阪へ赴いた中谷進之介がフルタイム出場を果たし、チームの大躍進の原動力になっているが、同じ“シンノスケ”の畠中もそれができるはずだ。

「彼はすごく評価を上げたと思いますし、僕も同じことが可能。チャレンジしたいです」とギラギラしたところを見せていた。

「セレッソに来た以上、チームとしてはもちろん優勝目指してやりたいですし、個人としてはマリノスで優勝した2019年みたいにフルタイム出場もしたいですし、より攻撃に参加して、点に絡む、点を取るというプレーも増やしていきたい。あとはリーグ最少失点を目指してやりたいです」

 畠中の求める領域は非常に高い。幸いにしてC大阪にはそれを共有できるチームメイトがいる。香川真司はドルトムント時代に数々のタイトルを手にしているし、登里亨平も川崎フロンターレの黄金期の一員となっている。若い世代でも、松本凪生のようにヴァンフォーレ甲府で天皇杯制覇を経験した人材が戻ってきた。それぞれの力を結集し、チーム全員の視座を引き上げることができれば、近年の停滞感を払拭できるかもしれない。

“パパスの伝道師”である畠中は率先してその仕事を担っていく必要がある。

「みんなまだ日が浅いので迷いながらやっている部分もあると思いますけど、監督が示すところを信じてプレーすれば、間違いなくいいサッカーができると思います。同じ方向を見て、しっかり意思統一を図れるようにしていきます」

 静かに闘志を燃やす畠中がC大阪躍進請負人として異彩を放つ姿を楽しみに待ちたいものである。

取材・文=元川悦子