サウナにはリラックス効果がありますが、適切に利用しなければ体に負担がかかってしまうこともあります。ジムのサウナで熱中症にかかり、多臓器不全を伴う重度の熱中症で病院に運び込まれた患者の症例が医学誌で報告されました。医師は、十分な水分補給をせずにサウナで長時間過ごすことは熱中症のリスクを高める可能性があると警告しています。

Basking too long in a sauna without adequate hydration may risk heat stroke, doctors warn

https://medicalxpress.com/news/2025-01-basking-sauna-adequate-hydration-doctors.html

Sauna users urged to hydrate to avoid heat stroke - NewsBreak

https://www.newsbreak.com/the-independent-517119/3747720121678-sauna-users-urged-to-hydrate-to-avoid-heat-stroke

今回、医学誌のBritish Medical Journalで報告されたのは、70代前半と高齢なものの、定期的にジム通いするほど元気で健康だったイギリスの女性の事例です。この女性は、当日も近所のジムのサウナで45分間ほどストレッチ運動をしていましたが、その後意識不明の状態で見つかり病院に搬送されました。

女性の体幹温度は42度で平熱の36.4度より大幅に高く、心拍数は極端に多く、血圧は非常に低い状態で、救急治療室に到着後に発作を起こしました。



体幹温度が40度以上になると熱中症を発症し、脳機能の障害につながることもあります。特に、サウナなどの高温環境に長時間さらされた際に発生するものは「非運動性熱中症」と呼ばれるとのこと。

女性は1型糖尿病と甲状腺機能低下症と診断されたことがあるものの、喫煙者でも大酒飲みでもなく、定期的にジムに通っていたため、リスク要因はほとんどなかったと医師らは指摘しています。

血液検査の結果、女性には腎臓と肝臓の機能不全、軽度の心臓発作の兆候、筋肉組織の崩壊である横紋筋融解症の症状があることがわかりました。

治療にあたったバーミンガム・ハートランズ病院の医師らは、ぬれタオルと扇風機で女性の体を冷やし、容体を安定させるための点滴と血液製剤を投与しました。

その結果、女性は体温が正常に戻ってから2時間以内に意識を取り戻しましたが、2日間は混乱の眠気の症状が続いたとのこと。3日目には症状は治まり、12日間の入院期間中に再度発作が起きることはありませんでした。



女性は26日後にはほぼ完全に回復しましたが、軽い疲労感と軽度の肝機能障害が残りました。

報告書の著者らが知る限り、サウナによる熱中症の症例は他に9件しか報告されていませんが、9件中3件が死亡事故とのこと。

著者らは症例報告に、「熱中症の予後は患者の要因、特に年齢に左右されます。高齢者の典型的な熱中症の死亡率は50%以上で、臓器の機能不全が加わるごとに死亡率はさらに高くなります」と記しました。

女性が熱中症になったのはサウナに入っている時でしたが、近年は気候変動による異常気象や熱波でどこにいても熱中症のリスクがあると警告されています。

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著者らは「複数の大規模な国際的データで観察されているように、熱波の際には熱中症による死亡者数が急増します。地球の気温が上昇し続けるにつれ、熱中症による死亡者数も増加すると予想されます。熱中症では、体幹温度が高かった時間が細胞損傷の程度と相関関係にあるため、結果は患者をいかに早く冷却できるかにかかっています」と強調しました。

また、問題の女性は「私の経験から、サウナの危険性と、サウナに入る前に十分に水分補給すること、そしてスタッフによる定期的なチェックがいかに重要かがわかりました。私はサウナを定期的に利用しており、それまでは何の問題もありませんでしたが、振り返ってみると十分に水分を摂取していなかったと思います」とコメントしました。