金属3Dプリンターで作った「Syuki」のRokkaku。酒の味わいが明らかに変わる

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 料理は器で味が変わるというように、酒もまた酒器でおいしくなったり、イマイチになったりする。ふだんは雑な料理しか作らないクセに、いざ酒となるととことん酒器にもこだわる。どうせ飲むなら、最高においしく飲みたいからだ。

 そんな方におすすめしたいのが、金属3Dプリンターで作った「Syuki」(伊福精密)。RokkakuとSmartの2種があり、今回の推しは前者である。Rokkakuは銘酒「福寿」を醸す神戸酒心館の杜氏が監修したもので、よ〜く見ると小さな穴が開いている。実はこの穴が酒をおいしくする鍵。穴から入る空気によって、酒の味がまろやかになるという。百聞は一見にしかず。完成するまでに2年を要したエンジニア入魂のSyukiと、陶器の酒器で安価なカップ酒の味を比べてみた。

 陶器の酒器で飲むと、口当たりは鋭角で後味に、えぐみと苦味を感じる。これはこれでおいしいのだが、Syukiで飲むとベツモノになった。空気を含みながら酒が口に入ることによって、舌へのタッチがなめらかになり、ふくよかな味わいになるのだ。気になるえぐみと苦味はほぼ感じず。また医療用ステンレスという素材の保温性によって、冷たさがキープできるというのも嬉しい。

 主観的なものかと思ったらそうではなく、ユーロフィンQKENの味覚センサーで分析したところ「まろみが強くなり、口当たりがマイルドになる」という結果が出た。体調や気分に左右されない味覚センサーも太鼓判を押すのだから間違いない。Syukiは小が3万4100円、大が6万8200円(いずれも税込)と値が張るが、「一生モンの酒器」と思えば財布の紐も緩くなりそう。いや、「安価な酒が高級酒に変わる魔法の酒器」と考えれば、すぐに元が取れるではないか。ただ、おいしさが増す分、つい飲み過ぎてしまうので、Syukiで酒を飲む際も水をともに飲むことをお忘れなく。