Android 16の正式版が2025年4〜6月にリリース!まもなく開発者向けプレビュー版やベータ版が提供予定

Googleは31日(現地時間)、オンラインにて「#TheAndroidShow Fall 2024」( https://goo.gle/tas-fall24 )を開催し、今後はスマートフォン(スマホ)やタブレットなど向けプラットフォーム「Android」においてSDKのリリースをより頻繁に行うことが明らかにされ、まずは来年の2025年には新しいAPIを備えたメジャーリリースとマイナーリリースの2つのリリースを計画していることを発表しました。

特に最初のメジャーリリースは次期プラットフォーム「Android 16」の正式版となるとし、例年ならその年の第3四半期(Q3:7〜9月)または第4四半期(Q4:10〜12月)に新しいメジャーバージョンの正式版がリリースされてきましたが、このAndroid 16の正式版となる2025年のメジャーリリースは第2四半期(Q2:4〜6月)にリリースされる予定だとしています。

またもう1つのマイナーリリースは第4四半期にリリースされることが予定されており、アプリに影響を与える可能性のある動作の変更が含まれるリリースは2025年では唯一メジャーリリースの方だけとなるとし、GoogleではAndroidのエコシステム全体の製品リリースのスケジュールに合わせてメジャーリリースを第3〜4四半期ではなく第2四半期にすることにしたということです。

合わせて2025年のメジャーリリースに向けて例年よりも数カ月早くアプリなどの互換性テストを実施する必要があるため、Android 16の開発者向けプレビュー版(Android 16 Developer Preview)およびベータ版(Android 16 Beta)をまもなく開始するとのこと。なお、2025年は第1四半期(Q1:1〜3月)と第3四半期は「Pixel Drops」などの「Features」のみの提供となるとしています。


GoogleではAndroidにおいて常にイノベーションをより早く届けられるよう努めてきたとし、毎年のメジャーバージョンのリリースに加え、直近では「Project Treble」や「Mainline」、Google Play サービス、毎月のセキュリティーアップデート、そして四半期ごとにPixel Dropsをリリースするための投資をしてきました。そうした中で今後はさらにAndroidにおけるSDKのリリースがより頻繁に行うことが案内されました。

まずは来年の2025年にはAndroidの新しいAPIバージョンを備えた2つのリリースを計画しており、第2四半期にメジャーリリース、第4四半期にマイナーリリースが行われ、これらのリリースによってアプリと製品のイノベーションが加速し、利用者と開発者にとって安定性と洗練性が向上するほか、メジャーリリースが例年の第3〜4四半期から前倒しとなる第2四半期となるため、より多くの製品でAndroidの最新バージョンをより早く利用できるようになるということです。


一方、第4四半期のマイナーリリースではメジャーリリース以降の機能更新や最適化、バグ修正が行わ、新しいAPIが含まれますが、アプリに影響を与える動作の変更は含まれず、さらにメジャーリリースとマイナーリリースを区別するため、マイナーリリースではAPIレベルは増加しないとのこと。代わりにメジャーリリースのAPIレベルとマイナーリリースのAPIレベルの両方を表す定数を通じて新しいマイナーリリースのAPIレベルが設定されます。

また新しいマニフェスト属性を使うと、アプリに必要な最小SDKリリースとしてマイナーリリースのAPIレベルを指定でき、マイナーリリースのAPIレベルのサポートの初期バージョンは今後の開発者向けプレビュー版で提供される予定なため、SDKを使ってビルドしてみてどのように機能するかを確認して欲しいとしています。なお、Googleでは第2四半期のメジャーリリースをできるだけ多くの製品に提供できるように各メーカーや開発者などのパートナーと積極的に連携していくとしています。


合わせて2025年のメジャーリリースに向けた開発者向けプレビュー版とベータ版をまもなく提供開始し、これまで通りにエミュレーターに加えて「Pixel」ブランドのスマホやタブレット向けに提供され、開発者向けプレビュー版はシステムイメージとツールをダウンロードして導入し、ベータ版はネットワーク経由によるソフトウェア更新(OTA)で提供されるということです。

また2025年にはこれらのメジャーリリースとマイナーリリース以外にも第1四半期と第3四半期にも継続的な品質の確保に役立つ増分アップデートとなるFeaturesが提供されます。さらに2026年のターゲットを計画する際にはGoogle PlayにおけるアプリのターゲットAPIレベル要件と関連日付に変更はなく、計画では毎年1つの年間要件が設けられ、それは主要なAPIレベルにのみ関連付けられるということです。

Googleでは次のメジャーリリースでの互換性テストに加えてメジャーリリースおよびマイナーリリースのAPIレベルをサポートするSDKを使ってビルドすることとCIシステムをテストする必要があり、一部のビルドシステム(Android Gradleビルドを含む)は適応が必要になる場合があるとしており、新しいSDKに対してアプリをコンパイルしていることを確認して互換性フレームワークを使用し、早期テストのためにtargetSdkVersionによる動作変更を有効にするように案内しています。

例えば、Metaは新しいリリースを受け入れてテストする方法の優れたアプリのデベロッパーだとしており、targetSdkVersionの採用までの速度を4倍に向上させたとのこと。各プラットフォームのベータ版に対してアプリをコンパイルし、潜在的な問題を事前に特定するために徹底した自動テストとスモークテストを実施しているということです。これにより、新しいプラットフォームをシームレスに採用することができ、メジャーリリースが利用者に展開されたときにはMetaのアプリは準備が整っており、優れたユーザーエクスペリエンス(UX)を実現したとしています。


#TheAndroidShow Fall 2024はAndroidのソフトウェア開発に焦点を当てたコミュニティーカンファレンス「Droidcon」のロンドン大会から生中継で配信され、Android StudioのGeminiのリリース以来となる最大のアップデートを公開したほか、Jetpack ComposeのデモやAndroidの開発者向け最新ニュースなどが取り上げられました


記事執筆:memn0ck


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