[11.2 ルヴァン杯決勝 名古屋 3-3(PK5-4) 新潟 国立]

 ルヴァンカップは2日に決勝を行った。名古屋グランパスとアルビレックス新潟の対戦は3-3でPK戦の末に、名古屋が5-4で優勝決定。新潟は前半2失点から後半26分にFW谷口海斗が1点を返し、後半アディショナルタイムにはFW小見洋太が自ら得たPKを決めて2-2に追いつく。延長前半3分に再び失点したが、延長後半6分にまたしても小見が3点目で同点にした。3-3でPK戦に突入すると、名古屋が5-4で優勝を手にした。

 3年ぶり2度目のルヴァン杯制覇が近づく名古屋は3-4-2-1の布陣を敷く。今季限りでの退団が決まっているGKランゲラックがゴールを守り、最終ラインは左からDF河面旺成、DF三國ケネディエブス、DF内田宅哉。2ボランチはMF椎橋慧也とMF稲垣祥。左WBはMF徳元悠平、右WBはMF野上結貴。2シャドーはFW和泉竜司とMF森島司で、1トップは永井が入った。

 クラブ初のメジャータイトルに王手をかけた新潟は4-2-3-1の布陣。GKは阿部航斗、4バックは左からDF橋本健人、特別指定選手のDF稲村隼翔(東洋大)、DF舞行龍ジェームズ、DF藤原奏哉。2ボランチはMF宮本英治とMF秋山裕紀。2列目は左から谷口、FW長谷川元希、MF太田修介。1トップはFW小野裕二が起用された。[両スタメン&布陣]

 新潟は名古屋のハイプレスをかいくぐり、最終ラインからボールをつなぐ。前半8分には右サイドから左へと運び、最後は谷口がPA左からシュート。しかしランゲラックの正面に収まった。12分には右サイドから藤原の折り返しを、PA手前の小野が右足ダイレクト。だが、これもランゲラックのセーブに遭った。

 前半33分、新潟が名古屋のハイプレスに引っかかる。GK阿部のパスは自陣外の秋山のもとへ。名古屋は永井がすばやく反応。右足ダイレクトで跳ね返すようにシュートを放ち、ゴール左隅に先制点を沈めた。

 名古屋は前半42分に追加点。中盤で和泉のパスを収めた椎橋がPA内に浮き球のパスを送る。最前線を走る稲垣が追いつきながら頭で触れると、PA内で和泉がトラップしてPA中央に折り返す。最後はまたしても永井が冷静にゴールを決め切り、2-0と点差を広げた。

 名古屋がリードを保ったまま前半終了。後半開始から冷静にブロックを敷き、相手の攻勢を留めていく。新潟は後半12分に左サイドから橋本がクロス。ファーサイドの太田が落とし、藤原が詰めるが、右足シュートはゴール上に大きく外れていった。

 後半20分、新潟は3枚替え。宮本、太田、長谷川を下げ、MF星雄次、MFダニーロ・ゴメス、FW長倉幹樹が出場した。小野がトップ下に移動し、長倉が最前線に入った。

 すると、新潟は交代策が功を奏す。後半26分、D・ゴメスが右サイドから鋭く食い込んでPA右ライン上から左足クロス。ゴール前に飛び込んだ谷口が頭で逸らし、ゴールに流し込む。待望の得点で1-2と点差を縮めた。

 勢いに乗りたい新潟は後半27分に谷口と小野に代えて、FW小見洋太とMF奥村仁を投入。名古屋は30分に和泉を下げ、FW山岸祐也が出場した。35分には永井と野上に代えて、MF菊地泰智と中山が入った。

 拮抗状態のまま試合終了かと思われた後半アディショナルタイム5分過ぎ、新潟はPA左で小見が中山に倒される。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックでPKを獲得した。キッカーは小見。独特のキックモーションからゴール右に決め、2-2と同点に追いついた。

 試合は90分で決着つかず、延長戦に突入する。名古屋は森島に代えて、FWキャスパー・ユンカーが出場した。延長前半4分、サイドから攻め立てる名古屋は中山がPA右か右足ボレー。地面に叩きつけるように打ったゴールは橋本に当たって軌道が変わり、ゴールに吸い込まれた。PK献上の中山が自ら得点を取り返し、再び3-2とリードした。

 延長前半を終えると、名古屋は椎橋を下げてMF吉田温紀が入る。残り時間を守りたいところで、再び新潟が躍動。延長後半6分、藤原から縦パスを受けた長倉が左足でスルーパス。反応した小見がPA左に入り、ランゲラックのタイミングをずらすように左足シュート。自身2点目でまたしても3-3と試合を振り出しに戻した。

 3-3の末にPK戦にもつれ込むと、名古屋が5-4で優勝。リーグカップ戦における最多入場者数となる6万2517人が声援を送り続けるなか、3年ぶり2度目の戴冠を果たした。

(取材・文 石川祐介)