知ってますか!?「JRで羽田空港へ行ける」ようになるんです! 便利すぎる「羽田アクセス新線」工事中 首都高にとっては「思わぬライバル」に!?
壮大な鉄道プロジェクトが進行中
東京の空の玄関口・羽田空港。
電車で行く場合「東京モノレール」か「京浜急行」に乗ることになりますが、そこへさらに「JR」でも行けるようになるといいます。
いったいどう便利になるのでしょうか。
計画が進んでいるのは「JR羽田アクセス線」という新路線です。
【画像】超便利!? これが「JR羽田空港アクセス線」の計画ルートと工事状況です(29枚)
「東山手ルート」「臨海部ルート」の2ルートが、2031年に同時開業を目指すとしています。
東山手ルートは、東京駅や新橋駅から東海道線を南下し、田町駅の手前で海側へ分岐。首都高湾岸線の大井PAの真横を抜けて、羽田空港へ北側から直結するものです。途中駅はありません。
開業すれば、上野東京ラインを通じて、羽田空港から浦和・大宮・高崎・宇都宮・松戸・柏・取手方面へ、空港アクセス鉄道網が飛躍的に拡大することとなります。さすがJRというわけです。
さらに、栃木県では羽田アクセス線を栃木・日光方面まで直通させるための活動も始まっています。
いっぽう臨海部ルートは、新木場方面からやって来る「りんかい線」を途中で南へ分岐させ、東山手ルートへ合流させるものです。
開業すれば、千葉方面からの羽田空港直通が現実的になります。これまでは京成・都営・京急の列車だけが羽田空港へ向かい、特急「成田エクスプレス」「しおさい・わかしお」や京成系列の「スカイライナー」は都心部にしか行かないため不便でした。「千葉〜羽田直結」列車の誕生は悲願と言えます。
将来的には、埼京線へつなげて渋谷・新宿方面へ向かう第3の路線「西山手ルート」も構想されています。
気になる進捗ですが、東山手ルートは2023年6月に着工しました。羽田空港の地下駅本体の工事も始まっています。
これでうかうかしていられないのが、リムジンバスを中心とする「道路アクセス」です。
羽田空港へのアクセスは、首都高湾岸線がど真ん中を突っ切っていて「空港中央出入口」が最寄りです。千葉・外環道・中央環状線・横浜方面からのダイレクトアクセスを担い、たとえば調布駅からはおよそ1時間間隔、横浜駅YCATからは最大10分間隔の大量バス輸送が行われています。
また、首都高羽田線からも「空港西出入口」が最寄りとなっています。もっとも、下りたあとに整備場前をぐるっと回る必要があるため、あまり利用者は多くありません。中央環状線方面から来るドライバーも、いったん台場線で湾岸線まで出るパターンです。レインボーブリッジを通るのが面倒な人が空港西で下りるのが実情です。
ともあれ、リムジンバスの強みと言えば「電車をいっぱい乗り換えなくてもいい」というもの。羽田アクセス線によって、いろいろな地域から「乗り換えゼロ」で羽田空港へ行けるようになるのは、バス会社にとって死活問題になるかもしれません。
しかし、道路も一発大逆転の計画があります。それは「外環道 湾岸線直結」というものです。外環道は現在、関越道の大泉JCTから中央道を経て東名までつなげる延伸工事が続いていますが、最終的には海側へ回り込んで、羽田空港方面へつながることになっています。
こちらが実現すれば、東北道・関越道・中央道・東名高速からの広域ルートが、丸ごと羽田空港へ直結することとなり、まさに「ドアツードア」のようなアクセスを可能とします。鉄道だけでなく、道路網もさらに便利になろうとしています。なお、外環道の東名〜湾岸はまだ概略ルートの検討すらまともに進んでいません。まずは「東名直結」の開通を最優先にしている段階です。