トランプ氏=ロイター

写真拡大

 【ワシントン=向井ゆう子】米紙ニューヨーク・タイムズなどは25日、11月の米大統領選で共和党候補のドナルド・トランプ前大統領の携帯電話が中国系ハッカーの標的になっていたと報じた。

 副大統領候補のJ・D・バンス上院議員の携帯電話も狙われたという。米当局者の話として伝えた。

 報道によると、トランプ氏の家族のほか、民主党の大統領候補カマラ・ハリス副大統領の陣営関係者も対象となっていた。

 これに関連し、連邦捜査局(FBI)と、国土安全保障省でサイバー対策を担うサイバー・インフラ安全保障局(CISA)は同日、「中国に関連する者」による通信業者への不正アクセスを捜査していると発表した。

 複数の米メディアによると、ハッキングを行ったのは、「ソルト・タイフーン」と呼ばれる中国の支援を受けるハッカー集団で、米電話会社の通信システムに侵入した。トランプ氏らが、誰とどの程度の頻度で電話やテキストメッセージをやりとりしているかなどの機密情報を入手するためのスパイ活動が目的だったとみられている。

 米大統領選を巡っては、これまでロシアやイランによる選挙干渉が明らかになっている。国土安全保障省が2日に発表した報告書では、選挙干渉などを念頭に、中国を含めた3か国を名指しし、「最も差し迫った外国の脅威」と明記した。