きょうも為替市場はドル売りが優勢となる中、ドル円は一時153円台まで上昇が加速している。日米の政治イベントがドル円を押し上げているとの指摘も出ているが、特に米大統領選が再来週に控えており、それへの思惑が米国債利回りとドルを上昇させ、ドル円に追い風をもたらしている。

 その米大統領選だが、市場ではトランプ氏勝利のケースを織り込み始めている。ただ一部からは、トランプ氏の大統領就任の可能性がドルに与える影響はFRB次第だとの指摘が出ている。

 トランプ氏が勝利した場合、関税と減税に焦点があたるが、これはインフレを刺激するかもしれないが、必ずしもドルを上昇させるとは限らないという。インフレ上昇でドルが買われるのは、FRBが利上げで積極的に応じた場合だけだという。

 トランプ氏が2期目に勝利した場合、ドル高が進むと市場が予想するのは妥当かもしれないが、もしFRBが独立性を失い、トランプ氏が望むような利下げを行った場合、逆にかなりのドル安をもたらす可能性があると述べている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美