議場から連れ出されるリディア・ソープ氏(ロイター)

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  オーストラリア国会議事堂で行われたチャールズ国王の演説後、罵声を浴びせて批判を浴びている女性上院議員のリディア・ソープ氏が辞任を求める声に直面している。英紙エクスプレスが21日に報じた
 
 ビクトリア州初の先住民上院議員であり、先住民問題に関する運動を頻繁に行っているソープ氏は21日、国会議事堂でのチャールズ国王の演説後、激しい罵声を浴びせて世界中に衝撃を与えた。

 同氏は国王に対し「あなたは私の国王ではない」と罵声を浴びせ、この国の先住民を「大量虐殺」を犯したと非難した。その後、同氏は速やかに議場から連れ出された。しかし、同氏はその後すぐに、国王が斬首される様子を描いた残酷な漫画をネット上に投稿し、再び反撃した。ソープ氏はオーストラリア議会の上院で無所属議員として議席を持っている。

 しかし現在、オーストラリア君主主義連盟はソープ氏を議会から追い出すためあらゆる手段を使ってでも、辞任を迫っているという。

 君主主義連盟の全国会長フィリップ・ベンウェル氏は、ソープ氏の行動を「不快かつ恥ずべき行為だ」と激しく非難した。協会は現在、同氏を国会議員から排除するために「法的手段を検討中」だと述べた。

 ベンウェル氏は「彼女は上院議員に就任した際、君主に忠実であり、真の忠誠を誓うと公然と宣言した人物だ。上院議員になるためにそうしたかどうかは問題ではない。問題は、どんな理由であれ、彼女はチャールズ国王への忠誠を宣言したにもかかわらず国王に直接『あなたは私の王ではない』と叫んだということだ」と語った。彼女はまた、議場から連れ出される際に、もっとひどい罵りの言葉を叫んでいたという。

 またベンウェル氏は「この人物は上院を直ちに辞任すべきだ。侮辱や脅迫の可能性を軽視する民主的な議会に彼女の居場所は存在しない」と断言している。