西田敏行さん(C)日刊ゲンダイ

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 17日に虚血性心疾患で亡くなった俳優の西田敏行さん(享年76)。関係者の悲しみの声が広がっている。18日には、西田さんと「五人会」を結成していた俳優仲間の松崎しげる(74)、柴俊夫(77)、田中健(73)が西田さんの自宅を弔問。田中はブログにこうつづった。

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「若い頃からたくさん遊んで、歌って飲んでいました。たくさん西ヤンと時を共有出来た事をまずは感謝しなければ…西ヤン心から有難う!!」

 ドラマ「西遊記」で共演した堺正章(78)は、「西田さん! あの滲み出るような演技を超えた存在感、もう終演なんですね。大きな存在を失いました。猪八戒(西田敏行さん)、沙悟浄(岸部四郎さん)、三蔵法師(夏目雅子さん)もみんな天竺へ旅立ちました。私もいずれその旅に参加します。心よりご冥福をお祈りします」と追悼。

 さらに、「劇場版ドクターX」で共演した米倉涼子(49)は19日に行われたイベントで、「西田さんにとってもファイナルの映画になってしまいましたが、劇場版では西田さんも大活躍で生きています」と涙をこぼした。8日に行われた同作の完成報告会見では、西田さんが登壇する際は仕切り板で目隠しされていた。

■池中玄太“90キロ”

 西田さんは、2001年には頚椎症性脊髄症、2003年に心筋梗塞、2016年に頚椎亜脱臼、胆嚢炎と、50代以降はまさに病との闘いの連続で満身創痍の上、心臓に不安を抱えていたことも関係者の間では有名な話だった。芸能ジャーナリストの城下尊之氏はこう話す。

「西田さんの健康不安は、昨日今日の話ではありませんでした。しかし映画やドラマなどの会見で取材に行くと、必ずこちらが喜ぶような面白い話をしてくれるサービス精神の塊のような人でした。人懐っこい性格で、人との酒席も大好き。年上、年下関係なく、共演者や業界関係者と飲むのが大好きな方でした」

 10年ほど前、西田さんは本紙のインタビューで、「若い頃は、酔って議論したりするのが楽しくて、浴びるように飲んでいました。ある時、飲み過ぎて倒れかけてしまい、先輩俳優に『そんなのはロクな飲み方じゃない! 吐くなら飲むな。酒がもったいないだろ!』と一喝され、酒とは“いい付き合い方”ができるようになったんです」(2013年9月14日付「今だから語れる涙と笑いの私の酒人生」)と語っていた。

 とはいうものの、鯨飲馬食が収まることはなかったようだ。キー局関係者はこう話した。

「焼き肉とビールをこよなく愛す大食漢にして、たばこは1日80本以上のヘビースモーカー、運動は月に1度のゴルフ程度といわれていました。『池中玄太80キロ』どころか、50代の頃には、身長166センチにして、90キロ近い体重があった」

 世代を超えて多くの人に愛された希代の名優の体は、若い頃からの暴飲暴食で徐々に蝕まれていってしまったのか。

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 最期の瞬間まで俳優であり続けた西田敏行さんは病気と闘い続けていた。●関連記事【追悼】西田敏行さんは情熱の“全身俳優”…後年は病との闘いとの連続、幾度も引退危機に…では、病気のデパート状態でもなお引退しなかった西田さんの心意気について伝えている。