今回は「モンスター弁護士」(C)日刊ゲンダイ

写真拡大

 初回からガッツリと視聴者の心を掴んだようだ。趣里(34=写真)主演のフジテレビ系月10「モンスター」(関西テレビ制作)の話。常識にとらわれず、感情を排除して相手と向き合い、まるでゲームのように法廷闘争に立ち向かう得体の知れないモンスター弁護士・神波亮子を趣里が演じている。

【もっと読む】趣里、GP帯連ドラ初主演で朝ドラヒロインの「ジンクス」を破れるか…清原果耶、黒島結菜、福原遥はその後失速

「視聴率以上に、実際に視聴した人の満足度が高いことはSNSの投稿でよく分かります。公式HPのイントロに書かれていますが、神波はモンスターだからこそ、人がモンスターとなってしまう瞬間が理解できるようですね。それを示すような第1話のゲストの美波さんが見せたラスト近くの演技。ゾクッとしたし、タイトルにはそういう意味もあったんだ! と驚かされました」(エンタメ誌編集者)

 見逃し無料配信動画サービスTVerのお気に入り登録数は、21日現在で53万人超え。秋ドラマの中では今のところトップ10圏外だ。

「ですが、登録数の伸び率を見たら、この先もっと増えて、上位に食い込めると予想しています」とドラマウオッチャーで芸能ライターの山下真夏氏がこう続ける。

「何と言っても趣里さんの演技が抜群で、小悪魔的な表情には見入ってしまいました。昨年のNHK朝ドラ『ブギウギ』のスズ子とはまったくの別人です。関西弁でまくしたて歌って踊る。スズ子はなかなかにインパクトのある役柄で、誰にでもできるものではなかった。それだけに、朝ドラの後はどんな役を演じるかは大きな課題だったかと思われます」

 確かに半年という長い期間、同じ役を演じる「朝ドラのヒロイン」が、終了後に他局でドラマ出演する際は大きな注目を浴びる。ややもすると《朝ドラのイメージが壊れた》《これじゃない》なんて批判的な声も飛び交いがちだ。

「趣里さんは、朝ドラ後にいったん夏ドラマ『ブラックペアン シーズン2』(TBS系)を挟んだのが成功だったな、と。看護師の猫田役は、すでに同作のシーズン1で演じていた役ですから、視聴者もすんなり“猫ちゃん”として受け入れることができた。猫ちゃんを挟むことで、『ブギウギ』ロスも薄れてスズ子のイメージがいい感じで中和してきたところでの“モンスター弁護士”。これまたインパクトがある役ですから、もはやスズ子と比較する人はいないでしょう」(前出の山下真夏氏)

 今後は、いったん脇役を間に挟むのが朝ドラのヒロインの批判対策になるかも!? すでにネット上には《趣里ちゃんの演技、好き》なんて褒めコメントが数多く上がってきているが、あるスポーツ紙芸能担当デスクは「ちょっと気になるのが……」と前置きしつつ、こう話す。

「趣里さんの相棒となる先輩弁護士の杉浦役としてSixTONESのジェシーさんが出演しています。これまで主演作もあるジェシーさんですが、初回を見る限りでは専門用語が多いこともあり、セリフを言うのに精いっぱいと見られるような演技もあった。天性の役者ともいえる趣里さんの演技と比較するのはあまりに酷ですが、コンビなのでどうしても目についてしまうのかも」

 ちなみに趣里の父・水谷豊(72)の「相棒season23」(テレビ朝日系=水曜夜9時)のTVerお気に入り登録数は、77万人超え。秋ドラマでは首位争いをしているが、追い抜けない数でもなさそうだ。バディーものは人気になればシリーズ化されやすい。「趣里×ジェシー」コンビの行く末やいかに。

  ◇  ◇  ◇

 朝ドラのヒロインには「ジンクス」がある? ●関連記事『【もっと読む】趣里、GP帯連ドラ初主演で朝ドラヒロインの「ジンクス」を破れるか…清原果耶、黒島結菜、福原遥はその後失速』では、これまでの例について伝えている。