お祝いに来た大江裕(右)と(C)日刊ゲンダイ

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 演歌歌手の水前寺清子(79)が都内で「水前寺清子バースデー&デビュー60周年記念新曲発表」を行ったのは15日のこと。

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 デビュー曲「涙を抱いた渡り鳥」で着用していたロイヤルブルーの着流しで登場し、新曲「男のいのち」のほか、「三百六十五歩のマーチ」などを披露した。途中、北島三郎(88)、美川憲一(78)、瀬川瑛子(76)、鳥羽一郎(72)らのお祝いVTRが紹介された。北島は「私もあなたもね、この道を歩くしかないんです。この道一本で来たんだから、あなたも一本で行きなさい」とエールを送り、水前寺は感極まりつつも「最近ちょっと調子が悪くて……鼻水は出るし、年をとったからということじゃないですよ……あっ年をとったからか」と自虐で笑わせた。

 デビューは東京オリンピック(1964年)が開催されて6日目。なかなかデビューできず「うちの父ちゃんが作詞家の星野先生のところに行って『うちの民子(水前寺)がどうしてデビューできないのか』って言うんですよ」と語り、衣装が着流しに決まると「やったと思いましたね。初めてのことだし、何かしなきゃ一番になれない」と当時の秘話を明かし、「こうしてこられたのは星野先生のお導きだと思います」と語った。芸能リポーターの川内天子氏がこう言う。

「水前寺さんの曲は高度成長期の日本そのもの。高齢者は皆、水前寺さんの歌を聴けば当時のガンガン進んできた前向きさを一瞬で思い起こさせてくれます。私生活では75歳で離婚した“潔さ”もチータらしい生き方と共感されました。ワイドショーの司会もされ、芸能界のスキャンダルもよくご存じで、人生の機微にも通じている方。ドサ回りで鍛えた昭和の歌手ならではの歌唱力はゆるぎなく、ご自身的には体調も万全ではなく、満足のいく内容ではないかもしれませんが、水前寺さんの存在自体が昭和生まれの勇気の源。いつまでもステージに立っていただきたい方です」

「少しでも歌を長く歌えるようにしていきたい」と語った水前寺。生涯現役だ。