清原果耶はていねいにセリフを積み上げ、存在感に「詩」を感じさせる女優(高倉文紀/美少女・女優評論家)
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清原果耶
「マイダイアリー」(ABC・テレビ朝日系)
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NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」などで活躍した清原果耶が、10月20日スタートの「マイダイアリー」(ABC・テレビ朝日系/毎週日曜22時15分〜)で主演する。社会人1年目の主人公が大学教育学部時代を振り返る構成になっている、ハートウオーミングなヒューマンドラマだ。
清原をはじめ、放送中の朝ドラ「おむすび」では高校球児役を演じている佐野勇斗、朝ドラ「おちょやん」でカフェの女給を演じた吉川愛、大河ドラマ「光る君へ」の藤原彰子役で脚光を浴びた見上愛、伊藤沙莉が主演した朝ドラ「虎に翼」で書記官を演じた望月歩といった精鋭の若手俳優が大学生を演じる群像劇。
となると、若い視聴者向けというイメージを抱いてしまう人もいそうだが、決してそんなことはない。この大阪・朝日放送制作の「日10」ドラマは、清野菜名・岸井ゆきの・生見愛瑠が好演した群像ドラマ「日曜の夜ぐらいは…」を生んだドラマ枠だけに、今回も、むしろ、青春時代はだいぶ前のこととなるベテランのおとなたちの心にこそ響く、そういうドラマになりそうな予感がある(いずれも朝ドラや大河ドラマでおなじみの若手俳優だし)。
清原果耶は2002年1月30日生まれ、大阪府出身。14年に所属事務所のアミューズが主催した全国規模のオーディションでグランプリとなり、芸能界入り。
15年に朝ドラ「あさが来た」で女優デビュー。18年には「透明なゆりかご」(NHK)で16歳にして連ドラ初主演を果たし、21年前期のNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」でヒロインを演じて、大きな注目を集めた。
女優は、その人が持っている存在感の雰囲気を書籍の種類にたとえると、「小説タイプ」「ノンフィクションタイプ」「詩タイプ」に分けられると考えている。
最近の若手では、浜辺美波・橋本環奈・小芝風花が存在感に物語を感じさせ、ストーリー性のある作品が似合う「小説タイプ」、二階堂ふみ・広瀬すず・川口春奈は実話をもとにしたドラマやリアルなドキュメンタリータッチの演出が似合う「ノンフィクションタイプ」だと思う。
それに対して、清原果耶は存在感に詩を感じさせる女優だ。
彼女が、一つ一つのシーンをどのように表現するか、セリフをどのように言うのかという部分にも引き付けられる。
ていねいにセリフと感情を積み上げる姿は、作品を見ている人の感情のスイッチを押して、うれしさ、悲しさ、さびしさなど、いろんな気持ちを呼び起こしてくれる。
彼女が出演するどのシーンも、切り取って額縁に入れて絵画のように飾ることができそうなくらいに、美しく、心に残る。
(高倉文紀/美少女・女優評論家)