【山村 佳子】真面目すぎて「コロナ警察」だった妻が介護職に就いてから激変…「下着と札束」の謎

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2024年10月19日、東京都新宿区で、介護に従事するケアワーカーや障害当事者らが集会を開き、デモ行進した。これは、労働組合などが呼びかけた「ケアデモ」だ。この背景には、2024年度、介護報酬改定で訪問介護の基本報酬が引き下げられたことがある。これにより、訪問介護に従事する人々の収入が減ってしまった。

では介護を必要としている人はどうなっているか。厚生労働省の令和6年版高齢社会白書によると、介護保険制度における要介護又は要支援の認定を受けた人は、令和3年度で676.6万人。515万人ほどだった平成23年度から161.6万人増加している。特に75歳以上になると要介護の認定を受ける人の割合が大きく上昇する。高齢化社会において、介護を必要とする人は年々増加しているにも関わらず、介護の担い手へのケアが薄くなっているということだ。

人材不足により在宅介護が崩壊する危機感は強まっていることに対する危機感は高まっている。

キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは「パートナ^が学校の先生、公務員、介護職の人々という人の浮気は多いです。ストレスや不安が多い職場ほど、何らかの依存や浮気に走る傾向にあります」と言う。

山村さんに依頼がくる相談の多くは「時代」を反映している。同じような悩みを抱える方々への問題解決のヒントも多くあるはずだ。個人が特定されないように配慮をしながら、家族の問題を浮き上がらせる連載が「探偵が見た家族の連載」だ。

今回山村さんのところに相談に来たのは、43歳の信明さんだ。「専業主婦だった妻が介護の仕事をするようになってから、遅く帰ることが増えました。しかもおかしいことがたくさん出てきたんです」と山村さんに連絡をしてきた。一体何があっただろうか……。

山村佳子(やまむら・よしこ)私立探偵、夫婦カウンセラー。JADP認定 メンタル心理アドバイザー JADP認定 夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリング経験を持つ探偵として注目を集める。テレビやWEB連載など様々なメディアで活躍している。

妻はすごく優しい人です。

今回の相談者である43歳の会社員・信明さんは、人からの紹介で私たちのカウンセリングルームに来ました。

信明さんは「こちらは、離婚を回避する場合の相談に乗ってくれると聞きました。妻には、以前のように健全に働いてもらい、今のおかしな行動をやめさせたいんです」と語っていました。まずは妻の人物像について伺います。

「すごく優しい人です。僕とは高校の同級生で、予備校で再会して交際が始まったのです。自分より他人を優先するような人で、僕や子供たちが快適に過ごせるように、家のことを整えてくれていました。ただ、心配症で慌てん坊なところがあります」

妻は難関大学を卒業しているものの、心配性でそそっかしい性格が災いして、仕事が続かないとのことでした。

「妻は僕よりレベルが高い大学に合格しています。成績も良かったので、大手のIT関連会社に入ったのです。失敗を極度に恐れているので仕事の時間がかかる。それで職場に居づらくなって、半年程度で退職。その後も仕事を転々としており、将来が不安だというので、僕と結婚して欲しいという。僕も彼女以外は考えられなかったので、25歳の時に結婚しました」

真面目すぎて「コロナ警察」に

妻は、結婚してからコロナ禍すぎまで専業主婦をしていたそうです。

「勉強も家のこともマイペースでできるじゃないですか。だから、僕も安心して家庭を任せて働いていました。それが変わったのがコロナ禍です。妻は心配性の性格が災いして“コロナ警察”になってしまったのです」

コロナ警察とは、新型コロナウィルスの感染予防が叫ばれていた2020〜2022年の間、外出する人やマスクをしていない人を厳しく批判する人のことを指していた言葉です。

「SNSを見回っては、旅行や外出をしている人を攻撃し、宅配業者には除菌スプレーを吹きかける。子供達は一歩も外出させず、家の中でもマスクを強要していました。僕が何か意見を言うと“死ぬかもしれないのに、なんてことを言うの!”と激怒。今は自分がしでかしたことを忘れて生活していますが、あの頃の妻は怖かったです」

妻は「この道が正しい」と思ったら、一直線に進んでしまう性格だと感じました。浮気をする人はこのタイプが多いです。

「そうなんです。だから、ちょっと心配で。コロナの後に、専業主婦を続けている自分自身に不安を覚えたのか、仕事に復帰すると宣言。いろんな会社を受けましたが、全て不採用。そこで何かを悟ったのか、介護士の資格を取り、1年前から訪問介護の仕事をしています」

使命感で仕事に邁進するように…

最初はマイペースに働いていたのですが、使命感も強い妻は、家族のことをほったらかしで仕事に邁進するように。

「娘たちは11歳と8歳で、結構しっかりしていて仲もいい。1ヵ月ほど前から、夜に寝た後は起きないし、もし留守番させても安心だということで、個人的に依頼を受けて夜の見守りの介護のアルバイトをすることになったのです」

妻は時給で働くアルバイトスタッフで、正規職員ではく、副業も可能。

「ただ、最近、頑張って働いても、時給が少なくなったとのことで、掛け持ちのバイトを始めたのです。仕事で知り合った人からの紹介や、隙間時間を売るアプリみたいなもので仕事を受けるようになりました。妻が出ていくのは、娘たちが眠った22時ごろ。そこから深夜2時、もしくは朝まで仕事をして帰ってくる。僕は仕事が多忙なので、帰宅は21〜23時が多いです。僕はなるべく妻の顔が見たい。疲れて帰ってきて、妻の顔を見ると安心するんです」

以前の妻なら「うれしい!」などと言ったはずなのに、今は露骨にうんざりとした顔をするとか。

「セクシーな下着」と「札束」

さらに、異変は重なります。妻の下着が変わったのです。

「以前は何年も同じ下着を使い続けて、“そろそろ買いなよ”と言うと、もったいないからいいと言っていたのに、今はとてもセクシーな下着を買い揃えています。あと、運転席のシート下に昔の缶ペンケースがあって、その中に一万円札がぎっしり入っていました。おそらく50万円分くらいはあったと思います。妻にそのお金のことを聞こうとしましたが、怖くて聞けませんでした」

翌日、そのケースを確認しに行ったら、なくなっていたそうです。

「僕は、妻が浮気しているとは思いますが、もしかすると性産業のサービス職についているのではないかと疑っているのです。僕は結婚して家を買い、住宅ローンと娘たちの塾代、生活費などを出しています。そんなにお金に困っていることはないとも思うのです」

信明さんに渡している生活費の金額を聞くと「25万円です」と即答。光熱費、学費、住居費は別に引き落としであり、単純に食費と妻のお小遣いだそうです。物価高とはいえ、十分に生活できるのではないかと感じてしまいました。

「妻は地味な性格で、友達も少ない。だから、お金に不足していることはないと思うんです。だから浮気なのか、性産業のアルバイトなのか、はたまた訪問介護で魔がさしてしまっているのか、心配なのです。妻の行動を調べてください」

◇介護の遅番に休む時間はほとんどないという。遅く帰るだけであれば、仕事が大変なのだろうと思うが、下着やお金の説明はつけられない。介護職への社会のサポートの重要性を感じながらも、11歳と8歳という子どもたちへの影響も心配になってしまう。介護はとても大切な仕事だが、仕事を最優先していてはよくないパターンもあるはずだ。

では下着とお金の謎はいったい……。調査の結果は後編「介護職を始めてから激変?妻の浮気を知った夫が「まだ良かった」と語った理由」にて詳しくお伝えする。

介護職を始めてから激変?妻の浮気を知った夫が「まだよかった」と語った理由