スポニチ

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 鹿島は福岡戦から一夜明けた20日、鹿嶋市内で筑波大と練習試合(45分×2本)を行い、7―0(4―0、3―0)で勝利した。MF仲間隼斗は自ら獲得したPKから先制弾を決めるなどハットトリックを達成。「(ボールが)いいところに全部来てくれた」と息をついた。

 中後雅喜新監督の初陣となった福岡戦はスコアレスドロー。静かな船出だったが、仲間は「大きく変わったのは自主性」と監督交代後の明確な変化を明かした。「自分たちがやらなきゃいけないと選手たちは感じている。ポポさん(ポポヴィッチ前監督)の時は監督のイメージにどれだけ近付けられるかがポイントだったけれど、今はそうじゃない。能動的に選手たちが示していかないといけないという危機感がみんなあると思う。そこは練習からできている」。この日はシュート5本と攻撃の迫力を欠いた福岡戦の反省を踏まえ、背後への動き出しやシンプルに相手ゴールに迫る意識をピッチで体現した。

 若手も確かな存在感を示している。福岡戦で今季リーグ初出場したMF舩橋佑が中盤で攻撃のテンポを生み出し、未だリーグ戦で出番のないMF須藤直輝も後半に3アシストをマーク。17歳のFW徳田誉は2得点を挙げた。再出発を切ったチーム内の競争激化を感じさせるゴールラッシュだった。

 残り5試合。優勝の可能性はわずかに残されている。激動を経て迎えるシーズン最終盤の心構えを、仲間はこう口にした。「自分たちの気持ちが本当に大事になる。根本的な部分で、試合に出て活躍するとか、ゴールを決めるとか、無失点に抑えるとか。そういうところでいいんじゃないかと。根っこの部分を表現すれば、中後さんも見てくれると思う」。一歩でも前に進むため、個々の力を結集する。