服役中の体験を語る河井元法相(左京区で)

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 2019年参院選の大規模買収事件で、公職選挙法違反(買収、事前運動)で懲役3年の実刑判決を受けて服役した河井克行・元法相(61)が19日、京都大(左京区)で開かれた日本犯罪社会学会の大会に出席し、服役中の体験を語った。

 河井元法相は、同年参院選の広島選挙区で妻の案里・元被告(51)(有罪確定)を当選させるため、票の取りまとめなどの報酬として地元政治家ら計100人に現金を提供。21年に東京地裁で実刑判決を受けて服役し、昨年11月に仮釈放された。

 河井元法相は、刑務所の生活環境を考える分科会で講演した。「刑務所ではトイレに行くだけで18回も挙手するなど、刑務官の許しがなければ生活できず、出所後に自発的な生活ができないと思った」「職員は一人一人の受刑者に寄り添う余裕がなく、再起を促すプログラムもなかった」などと体験を語った。

 国に対しては「心理カウンセリングなどの専門人材を採用し、受刑者を教育する体制作りが必要だ」と提言。「私にできるのは体験を語ることで、少しでも役に立っていきたい」と述べた。